千倍王鷹虎蝗合成獣

平成仮面ライダーの感想・考察サイト。衒学的で悪し様で居丈高な語り口のブログにようこそ。

総括!『仮面ライダーアマゾンズ』

 『仮面ライダーアマゾンズ』(以下、『アマゾンズ』)の総括です。

■読者の皆様へ、

 本稿は『アマゾンズ』の記事ですが、平成『仮面ライダー』シリーズ全般についてコメントしてくださってよいですよ。

■『アマゾンズ』はシーズン1しか、

 未視聴です、私は!理由はアマプラ会員ではないから。シーズン1もテレビ放送されたから見ただけで、TTFC会員でもないし、私はそこまで熱狂的なファンではないのだ。

 なので、当初は『アマゾンズ』の総括記事を書く予定は無かったのですが、「書かないんですか?」という質問も多かったし、以下のようなコメントもあったので、書くことにしました。

【引用元1】『エグゼイド』第36話感想(解)

sebaooo-tatoba-combo.hatenablog.jp

読者1:
 視聴率、確かに大事な要素の一つなのですが
 ここ最近、エグゼイドのネットでの盛り上がりによる大成功発言やこちらもネット配信で話題になったアマゾンズ、これらを鑑みるに少しずつライダーがTVという媒体からネット媒体にお引越し(というよりは巨大な別荘作り?)を考え始めているのでは...?と感じています。PC、スマホはほとんどの家庭に普及し、小さい子ですらもスマホを持っている事が多いです。そういった視聴媒体の移り変わりにどう対応していくかもこれからのライダーの課題になっていくと個人的には思います(現在見逃し配信できるのは東映特撮ファンクラブだけですが...

【引用元2】『ジオウ』感想:第02話「ベストマッチ2017」

sebaooo-tatoba-combo.hatenablog.jp

読者2:
 ウルトラマンルーブの視聴率今1%前後なんですよね。でもyoutubeだと100万再生なんですよ。単純に比較できませんが1%で40万人らしいので、テレビで見る人よりも多いですね。まあ、中には2,3回見てる人はいると思いますが。そんな訳でもしライダー最新話をyoutubeにあったらどれくらい再生数を伸ばせるかちょっと知りたいですね。

 本記事で解きたい問題は二つ。

(1)『仮面ライダー』はTVからNETに引越しできるのか?
(2)『アマゾンズ』は(白倉伸一郎的に)成功作だったのか?

である。要するに、二つ目は兎も角、一つ目は『アマゾンズ』を例にするのが、一番説明しやすかったのだ。

■シーズン1の感想記事を書き続けなかったワケ

 以前、シーズン1の第一印象はダーク『カブト』と書いた。

sebaooo-tatoba-combo.hatenablog.jp

 まぁ、ダークカブト(擬態天道総司にちなんだだけなのだがw

 <ダーク>というのは切断とか流血とか食人とか、要するに大友が喜びそうな描写が天こ盛り(*)ということである。

(*以後、そういったものを<ハード>と表現する。)

※関連記事です。

sebaooo-tatoba-combo.hatenablog.jp

 シーズン1とニチアサの<差分>は、そのハードさぐらいしかなかったので、初回以降は感想記事を書かなかったのだ。

???「コイツ、シーズン1は『カブト』の<縮小再生産>とか言うつもりだろ~!(クスクス)」

とか言われそうだが、白倉伸一郎自身もこう言っているのだから仕方がない。

白倉●(中略)シーズン1というのは、ニチアサのライダーと比べると非常にはっちゃけた内容だったかもしれませんが、それでもフォーマットみたいなものはあったんです。怪人出現→駆除班出動→ライダー登場、というような。純粋にそういう流れでやったエピソードはそうはないんですけど(笑)、それでもそういう風に作っている、というのはお客様も制作側も分かってやっていた。
白倉伸一郎フィギュア王No.243』より)

(阿)ワーム出現→ZECT出動→カブト登場
(吽)アマゾン出現→駆除班出動→アマゾンズ登場

 シーズン1のフォーマットは、ニチアサのそれと大差ないのだ。シーズン2は知らん。

■どんどん視聴者を切り捨て、だんだん濃いお客だけが残っていく

白倉 (中略)シーズン2の3話地点くらいまでいくと、ここまで来ている人は『アマゾンズ』をかなり知ってる人であるっていうことにしている。そういう作り方はテレビでは絶対しないんだけど、逆に言うとどんどん視聴者を切り捨てるっていう作り。
武部 思い出してきました。シーズン2になって血の量が増えていったじゃないですか。別にそういう脚本ではないのに。靖子さんのホンにはそんなに書いていないのに。
白倉 勘違いもあるかも。だんだん濃いお客だけが残っていくから、研ぎ澄ますことができるというのを。
武部 別にそれを売りにしてるわけじゃないですからね。
白倉伸一郎・武部直美『ハイパーホビー VOL.8』より)

 『アマゾンズ』の熱狂的なファンの言い分は、おそらく以下の通りである。

儲「『クウガ』~『555』は<ハード>だったから面白かった!」
儲「『アマゾンズ』はさらに<ハード>だから面白い!」
儲「新元号ライダーも<ハード>にすべき!」

 要するに、平成初期四作は<ハード>だったから大人の視聴に耐えうるものになった、ということである。

 NETならTVのように規制が無く、さらに<ハード>にできるため、さらに大人の視聴に耐えうるものになるということである。

 『アマゾンズ』は<ハード>だから大人の新規ファンを取り込めたはず、新元号ライダーも<ハード>にすれば大人の視聴者を取り込めるはず、ということである。

 本当に「そう」なのだろうか?

 私は「それ」にずっと懐疑的だった。寧ろ、TV放送せずNET放送のみになったらシリーズは尻すぼみになっていき、<ハード>にすればするほど一般人は去っていく、というのが持論であった。

 しかし、『アマゾンズ』視聴者が何人いるのか?はAmazonのみが知ることであるし、<ハード>路線の信奉者がマジョリティなのかマイノリティなのか?はずっと判断できずにいたのである。

 ところが、それを計る術ができた。『アマゾンズ』の劇場版(総集編&完結編)が公開されたからである。

■文字通り、最後ノ審判

白倉●配信でやるとしたら、シーズン1を見た人がシーズン2を見て、シーズン2を見た人がようやく完結編を見ることになるわけです。(見る人が)どんどん狭くなっていく。今回新たにシーズン1と2の総集編を作ったのも映画という媒体なら出来ると思ったからです。
――露出も増えますし、これを機に見てみようという気持ちを引き出すことが出来る?
白倉●そうです。Amazonプライムに入っていない、あるいは加入はしているけど見たことがない、そういった方々に映画という媒体に切り替えることで見て頂くことが出来るのではないかと。
白倉伸一郎フィギュア王No.243』より)

 当初、『アマゾンズ』は「NETでしか見られない!」のを売りにしていたはずなのにTV放送したり劇場公開するのはどうなの?と思わなくもないが、

 白倉伸一郎自身、興行収入という数字で『アマゾンズ』の人気を計りたかったのではなかろうか?

 それでは見てみよう。『キネマ旬報 2019年3月下旬 映画業界決算特別号』によると、『アマゾンズ』の劇場版(総集編&完結編)の興行収入は以下の通りである。

[1.8億円]仮面ライダーアマゾンズ THE MOVIE 最後ノ審判』
[1億円未満]『劇場版 仮面ライダーアマゾンズSeason1 覚醒』
[1億円未満]『劇場版 仮面ライダーアマゾンズSeason2 輪廻』
※参考
[0.9億円]仮面ライダー THE FIRST
[1.0億円]仮面ライダー THE NEXT

 如何だろうか?「糞!」と言われる春映画より下なだけでなく、完結編は『FIRST』や『NEXT』の二倍ほど、総集編は同等なのだ。

080億円]シン・ゴジラ
[250億円]君の名は。

と比べるのは酷だが、少なくとも<十億円>は超えないと一般人にも受けたとは言えないのではなかろうか?

■石田秀範「子どもが目を背けてしまうものを作ったらどうなるのか、試したかったんです。」

武部 続編はAmazonさんが喜んでくれたからですか?
白倉 視聴数ならびに新規加入数がよかったんだと思います。
武部 会員になって一番最初に何を観るのかっていうこともデータとしてはわかるみたいです。具体的にはオープンにはされないのですが。
HH 『アマゾンズ』目当てで入ったっていうことですね。
(武部直美・白倉伸一郎ハイパーホビー VOL.8』より)

――(中略)『アマゾンズ』を始めるにあたって意識されたことは?
石田 これも天邪鬼ですけど、子どもが目を背けるようなものを作ろうと。実際に背かれましたけど(笑)。ヘンな言い方だけど、子どもが目を背けてしまうものを作ったらどうなるのか、試したかったんです。
(石田秀範『平成特撮の夜明け』より)

 単純計算だが、一億八千万円÷千八百円で、『アマゾンズ』の熱狂的なファン、<ハード>路線の信奉者は、少なくとも約<十万人>はいることになる。

 Amazonからすればアマプラ会員が約十万人増えたわけで、ウハウハであろうが、

 東映白倉伸一郎)的には、満足いく結果ではなかったのではなかろうか?

 根拠はもう一つある。仮面ライダージオウ(以下、『ジオウ』)だ。

 もし、白倉伸一郎が『アマゾンズ』は成功作と見做しているのであれば、

 ジオウのギリギリスラッシュで食人鬼たるアナザーライダーの首が飛び血飛沫が舞う!

<ハード>な作風になっているはずだからだ。

 「そう」なっていないということは、「それ」では高視聴率が取れないと白倉伸一郎が判断したということであり、<ハード>にすれば大人の新規ファンを取り込めるなどというのは、大友の幻想に過ぎない。

 前述した問題二つの解答だが、

(1)『仮面ライダー』はTVからNETに引越しできるのか?
(2)『アマゾンズ』は(白倉伸一郎的に)成功作だったのか?

 答えはNOである。

白倉伸一郎「僕はテレビが好きなんですよ(笑)。」

白倉 (中略)僕はテレビが好きなんですよ(笑)。「先細りになるかもしれない」とも言われていますが、ライダーでテレビ番組の楽しさを大事にしていきたいと思っていて。
――具体的にはどのような?
白倉 テレビのよいところというのは、毎週1回しかやらないところ。消費されていくというか、流されていくというか……。日曜の朝9時から、たった30分間のお楽しみではあるんだけど、番組が終わった9時半から、翌週の朝9時までの1週間が楽しみになる。うまくハマれば、1週間が楽しみで楽しみでしょうがない。気分が沈んでいる時にでも、来週のライダーを観るために生きていこうという気分になれるじゃないですか。それはいつでも観られる配信メディアのメリットとは、また違う長所です。
白倉伸一郎平成ライダー20作記念!「仮面ライダー」2000-2018全史』より)

 まぁ、東映の大首領がこう言っているのだし、新元号ライダーもTVからNETに引越しはしないんじゃない?暫くは。

 ただ、高視聴率獲得を目標に掲げている『ジオウ』は苦戦しているのだが、それはまた別の話だ。

■オマケ:Vシネマ『エグゼイド』の興行収入について

 Vシネマ『エグゼイド』の興行収入だが、『キネマ旬報 2019年3月下旬 映画業界決算特別号』には載っていなかった。

[不明]仮面ライダーエグゼイド トリロジー アナザー・エンディング』
・Part.Ⅰ『仮面ライダーブレイブ&スナイプ』
・Part.Ⅱ『仮面ライダーパラドクスwithポッピー』
・Part.Ⅲ『仮面ライダーゲンムVSレーザー』

 何故なのか?を考えていたところ、Vシネマ『エグゼイド』の「ミニシアターランキング1位」(興行通信社)という謳い文句が目に入った。

 もしかすると、小規模な(公開劇場数の少ない)ものは、記載しないのかもしれない。

 では、実際どのくらいだったのだろうか?

 例えば、Vシネマ『エグゼイド』と同時期にミニシアターランキング3位だったインド映画、バーフバリ 王の凱旋(2017年12月29日公開)は、日本での興行収入1億5千万円(2018年05月時点)である。

 これは完全に推測だが、Vシネマ『エグゼイド』の興行収入<一億円未満>なのではなかろうか。

※参考
[13.1億円]仮面ライダー×仮面ライダー×仮面ライダー THE MOVIE 超・電王トリロジー
・『EPISODE RED ゼロのスタートウィンクル』
・『EPISODE BLUE 派遣イマジンはNEWトラル』
・『EPISODE YELLOW お宝DEエンド・パイレーツ』

※関連記事です。

sebaooo-tatoba-combo.hatenablog.jp

[了]

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