千倍王鷹虎蝗合成獣

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『仮面ライダービルド』終盤評

 『ビルド』の放送が終了間近のため、終盤評をば。第42話「疑惑のレガシー」から、第48話「ラブ&ピースの世界へ」までの所感です。

 本稿では『ビルド』以外の作品にも触れます。…今回に限らず、大半がそうか(笑)。

■『鎧武』の<負の遺産

 2014年、『鎧武』が終わり、『ドライブ』が始まろうとする頃、両作品のパイロット監督、田崎竜太はこんな発言をしていた。

――まずは前作『仮面ライダー鎧武/ガイム』を振り返った感想をお聞かせください。
 (中略)特筆すべきは怪人の少なさです。幹部以外の一般怪人は10体くらいしかいなかったじゃないですか。仮面ライダー史の中でも最少だと思うし、1年間続いた特撮作品という中でも少ない方だと思います。同じ怪獣が2周、3周する『ジャイアントロボ』より少ない(笑)。実はここまで少ない怪人数で大河ドラマ的なストーリーが続くとは思っていなかったんですよ。虚淵さんのストーリーラインをなぞりながらも、仮面ライダーのフォーマットとして2話に1体くらいは怪人が倒されると考えていました。ところが虚淵さんの考えていたものはフォーマットすら平成ライダーの枠をはみ出たものだったんです。虚淵さんの既成概念との戦いにあまりお付き合いできなかったのが残念でした。
田崎竜太『宇宙船 vol.146』より)

 その後、下記のように続くので、上記の『鎧武』評は皮肉であるということがわかる。

――『鎧武/ガイム』からの続投となりましたが、今回の『ドライブ』で意識されたことは何でしょう?
 自分たちが作った作品のコピーにはしないことです。初期の平成ライダーは昭和から続く『仮面ライダー』の持つ根強いイメージ=既成概念を壊しながらも、その時々の視聴者が求めるヒーロー作品として成立させてきたんですよ。ですが、今度は視聴者の中にも作り手の中にも「平成ライダーはこういうものだ」という「平成ライダーの伝統」のようなイメージが出来上がってしまう。特に作り手側は自分のお気に入りや自信作の焼き直しのような作品を作ってしまうという罠が口を開けます。それでは過去の作品の「縮小再生産」に過ぎません。仮面ライダードライブ』は『ディケイド』までを1期として平成ライダー2期の6作目です。先ほどお話しした「縮小再生産」にならないよう「平成ライダーの伝統」という既成概念の壁を壊すことを目指しました。
田崎竜太『宇宙船 vol.146』より)

 まぁ、『ドライブ』も『W』&『フォーゼ』の<縮小再生産品>になってしまったんだけどな…!

 それはさて置き、今回特筆すべき『鎧武』の負の遺産「怪人の少なさ」である。

■「トップ・オブ・トップ」になったつもりで考えていただきたい

 ここで、石森プロ、東映テレビ朝日バンダイ等の「お偉方」になったつもりで考えていただきたい。以下の三作品の玩具売上と怪人数を見て、あなたはどういう判断を下すだろうか?

(1)『鎧武』の玩具売上:239億円

インベス:9体
(ビャッコ、シカ、コウモリ、イノシシ、セイリュウ、カミキリ、ヘキジャ、ライオン、ヤギ)
※初級インベスは除外。
オーバーロード:6体
(デェムシュ、レデュエ、ロシュオ、デュデュオンシュ、シンムグルン、グリンシャ)
※ロード・バロンは除外。

(2)『ドライブ』の玩具売上:173億円

ロイミュード:19体
(ハート、ブレン、メディック、フリーズ、アイアン、ペイント、クラッシュ、スクーパー、ボルト、ガンマン、ボイス、ジャッジ、シュート、ソード、シーカー、オープン、シーフ、クック、トルネード)
※プレーンロイミュード、死神、ゴルドドライブ、シグマサーキュラーは除外。

(3)『ゴースト』の玩具売上:181億円

眼魔:14体
(槍、刀、電気、斧、ブック、マシンガン、音符、インセクト青竜刀、プラネット、ナイフ、画材、甲冑、飛行機)
※眼魔コマンド、アサルト、スペリオル、ウルティマ(ファイヤー、エボニー)は除外。
ガンマイザー:7体
(パーフェクト、ファイヤー、リキッド、ウィンド、クライメット、プラネット、マグネティックブレード)
※武器系(プロップ)、エレメント系(CG)、グレートアイザーは除外。

TOP「仮面ライダー(フォーム)の数を増やし、怪人の数を減らそう!その方が玩具が売れる!」

という結論になってしまうのではなかろうか!?経営者視点で見ると!本当に、そのようにジャッジされたのかは定かではないが、現に『エグゼイド』は多人数ライダーになったかつ、怪人数は『鎧武』のように少ない。

(4)『エグゼイド』の玩具売上:228億円

バグスター:12体
ソルティ、アランブラ、リボル、モータス、グラファイト、バガモン、ガットン、バーニア、カイデン、チャーリー、ラヴリカ、ゲムデウス
※バグスターウイルス、コラボスバグスター、パラド(仮面ライダー)は除外。

 まぁ、こういうことを書くと『エグゼイド』の熱狂的なファンが

儲「『エグゼイド』のバグスターはゲームに因んでいて個性的だしレベルアップするし、ライダーバトルも魅力的だった(特に檀親子)!だから怪人数が少なくても問題無い!」

とか言って突っ掛かってきそうだけど、バグスターをデザインした寺田克也は、『エグゼイド』の「怪人の少なさ」に苦言を呈していたりする。

Q6 『エグゼイド』でのデザインワークを振り返って、まとめを一言。
A6 (中略)『エグゼイド』については怪人の出番が少なかった印象が強いので、そこは残念。時代の趨勢もありますが、やはり新しい怪人に毎回出てきてほしい。自分が初代ライダー世代なためにどうしてもそういう感想を強く持ってしまいますね。あの毎週訪れるワクワク感を味わってほしい。仮面ライダーウルトラマンを代表とする特撮作品が、今の自分のキャラクターデザインの根幹を成すほどの強い影響を与えてくれたことは、もう確かなので次世代のためにも。
寺田克也仮面ライダーエグゼイド公式完全読本』より)

 全然話変わるけど、『風都探偵』って目茶苦茶売れているらしいね。一・二巻が同時発売した時点で累計三十万部(初版を買えなかった…!)、三巻が出たら累計六十万部とか凄過ぎる…!火ノ丸相撲』なんて単巻辺り三万部しか売れていないのによ~!感想は…まぁ普通かな?テレビは色が付いているけど、漫画は白黒なので、フォームチェンジが見応え無いのが残念かな。音も出ないし。当たり前だけど。ブラキオサウルスドーパントが好きです。

■<約束> ~毎回絶対に「ライダーが怪人を倒す」こと~

 子どもの期待を裏切らないためには、とにかく毎回絶対に「ライダーが怪人を倒す」こと。性格の良い怪人を出して、最終的に倒さずに逃がしてやる、みたいな話は作らないようにと、いつも話しています。心温まる話を作ってもいいけれど、怪人は倒そう。子どもはライダーが必殺技で怪人をやっつけるシーンを観たいんですからね。いい話、いいドラマだけで満足するのは大人の目線。われわれは子どもの目線をしっかり守らないといけないと思います。基本は子どもとの「約束」のためだけに作っているんです。これは他のプロデューサーたちにも「平成ライダーシリーズ」を作るうえでこれからも守ってもらいたい、骨子の部分です。
白倉伸一郎『語れ!平成仮面ライダー』より)

 約束、守られてなくないか!?

 折角、『ビルド』のスマッシュも篠原保が(下半身を)流用し易くなるようにデザインしているのによ~!

※関連記事です。

sebaooo-tatoba-combo.hatenablog.jp

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 『ゲゲゲの鬼太郎』の方が守っているじゃあないの!

 最近、『スーパー戦隊』シリーズでも、初期メンバーを五人組から九人以上にしたり(『キュウレン』)、三人組VS三人組の対決モノにして(『ルパパト』)、ど壷にハマっているようだけど、私は

 変えてはいけないものを変えてしまった時は失敗する。

と思っていて(「無くてはならないものを無くした時も失敗する」とも思っている)、平成『仮面ライダー』シリーズの場合「怪人を減らす」ということだけは、やってはいけないことだったのではなかろうか?

■ということを書こうとしていたら、

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 終盤(第40話~)は比較的、怪人が出て来るようになったね…!

(例)
・オウルロストスマッシュ
・スタッグロストスマッシュ
・キャッスルロストスマッシュ
・CDロストスマッシュ
・エボルト怪人態

 今回の内容は、三四半評に書いておくべきだったな(笑)。いや~、失敗失敗w…はい、終盤評は以上です!コメントを書きたい人は書いてもいいけど、

 『ビルド』最終話の感想記事は、2018年8月26日(日)にUPします

のでその時までとっておいてもいいですよ?

■オマケ:『ビルド』夏映画感想

 実に『ビルド』らしい内容だった!どういうことかというと、

(壱)ブラッド族の超能力(洗脳)はヤベーイ!
(弐)「実はブラッド族が暗躍してた!」展開。
(参)科学がどうのこうの戦争がどうのこうの。
(肆)困った時には葛城忍&巧のデータベース。
(伍)どん底に突き落される主人公、桐生戦兎。
(陸)敵が電話で「アイテムを持って来い!」。
(漆)火星の王妃(ベルナージュ)もヤベーイ!
(捌)活躍しないフルボトル(ベストマッチ)。
(玖)結局最後は「全てはエボルトの掌の上」。

が、全て満たされていたからである!まぁ、別につまらなくはなかったかな…?期待しないで見に行ったから…!wそれにしても、カミホリさんの「無音」演出にはまいったがね…!チビッ子(←本来のメインターゲット)も戸惑っていたし。全体的に間延びしている感じがした。良くも悪くも、他のベテラン監督だったらしないだろうなというテンポ(というか、編集の仕方?)だった。

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 全然話変わるけど、「桐生戦兎の中に葛城巧が!」という演出は、図らずも『W』の没案「左翔太郎の中に鳴海荘吉が!」をやったらどうなるのか?を実現した形になったね。

※関連記事です。

sebaooo-tatoba-combo.hatenablog.jp

 夏映画の『ビルド』では桐生戦兎&万丈龍我が「二人で一人の仮面ライダー!」になったけど(あれ?元の話に戻った)(まぁいいや)。惜しいのは、万丈は中盤で洗脳されてしまうので、「龍我から見て㌣はどうなのよ?」というのが描かれなかったこと。…そんな感じです。本記事はこれで本当に終わり!

[了]

※はじめましての方はこちらをご一読ください。

sebaooo-tatoba-combo.hatenablog.jp