千倍王鷹虎蝗合成獣

平成仮面ライダーの感想・考察サイト。衒学的で悪し様で居丈高な語り口のブログにようこそ。

『キバ』第36・37話感想

仮面ライダーキバ』の感想です。以下、ネタバレ注意。

[2008年10月12日]第36話「革命・ソードレジェンド」
[2008年10月19日]第37話「トライアングル・キングが斬る」
(脚本:井上敏樹、監督:中澤祥次郎)

【前回】『キバ』第34・35話感想 - 千倍王鷹虎蝗合成獣
【次回】『キバ』第38・39話感想 - 千倍王鷹虎蝗合成獣

■第36・37話は「ザンバットソード」販促回

f:id:sebaOOO:20180602105412j:plain

 魔皇剣ザンバットソード。

f:id:sebaOOO:20180602105432j:plain

 蔑称「シコシコソード」。

 誰だッ!?こんな卑猥な名前を付けたのは~!『キバ』の玩具のコンセプトは「一事が万事全部キャラクター」であり、ザンバットソードのキャラクター部分は「ザンバットバット」。次郎&ラモン&力が合体した姿、という設定は、「バッシャーフィーバーを出せない」事情から生まれたものだと推測される。そもそも、何故バッシャーフィーバーが劇中で披露されなかったのかというと、バッシャーマグナムとタツロットを合体させると、玩具が破損する恐(怖)れがあるため、自粛せざるを得なかったから、らしい。“らしい”と書いたのはソースが無いから。玩具事情に詳しい方、教えてください…!何にせよ、「制御不能!熱い炎!」(←Supernova)な渡を鎮めるために、アームズモンスターが力になるという展開自体はええやね。惜しむらくは、アムモンと渡の絡みが少ないこと…!ラモンなんか何の前振りも無く渡に「お兄ちゃん♪」って言うからな…!あざと~い!

※関連記事です。

sebaooo-tatoba-combo.hatenablog.jp

■ついに「過去キンさん」登場!

真夜「何かしら?用って。」
過去キンさん「紅音也という男を知っているか?」
真夜「ええ。それが?」
過去キンさん「聞いたぞ。そいつを愛しているそうだな。」
真夜「だったら何?」
(過去キンさん、ザンバットソードをキャッスルドラン内の壁に投付ける。)
真夜「いいの?ザンバットソード。この世に存在する最も強力な剣を蔑ろにして。」
過去キンさん「その剣を持っていればお前を殺すことになる。お前を殺せば、お前を愛していることになる。俺に愛などあってはならない。」
(第37話「トライアングル・キングが斬る」より)

f:id:sebaOOO:20180602105602j:plain

 「過去キンさん」キターッ!

 このブログでは、過去篇のキングのことを「過去キンさん」と呼ぶことにします。個人的に、悪の仮面ライダーの中で一番好きなのが過去キンさんなんですよ!何故かと言うと、可哀想だから(笑)。悲劇と喜劇は紙一重新納慎也(にいろしんや氏の風貌もディ・モールト・ベネ!加賀美早紀(クイーン役)も村田充(ビショップ)もそうだけど、チェックメイトフォーの面々は本当に<人ならざる者>感が出ていて、流石はキャスティング力に定評のある武部直美のチーフP作品だぜ~!(村田充を起用したのは大森敬仁だけど!)(あと、大ちゃん(高原知秀)は人間味がある方かなw)第36・37話では、まだまだ過去キンさんの登場シーンは少ないのだけれども、新納慎也の演技プランによって圧倒的な存在感を醸し出していたね。

新納 (中略)これは僕の勝手な解釈ですけど、キングはやはり妻である真夜をすごく愛していて、真夜がどうやら人間に恋をしようとしているらしい、というのがわかっている状態で初登場しているんです。わかってるという設定で登場するから久しぶりだなという一言にも知ってるぞというニュアンスが含まれる。なんで俺が戻ってきたか、わかってるんだろうな?という体(てい)で出てくる、というふうに役を作りました。だから基本的に、人間もファンガイアも、愛することには変わりないんだ、という役作りでしたね。
新納慎也仮面ライダーキバ 公式読本 KIVA LUNATIC ARCHIVES』より)

 流石はベテラン俳優だ…!新人と違うところは、そこ(演技プラン)だね。

■一方、名護さん&メグミンは、

名護さん(神よ…。何故私にこんな運命を…?あなたは間違っている。今すぐ修正するべきです。)
メグミン「あら?名護くん?」
名護さん「はっ!」
メグミン「何々、神頼み?そうだよね~、イクサ取られちゃったしね~。これ以上不運なことが起きたら困るもんね~。」
名護さん「冗談を言うのはやめなさい!(鈴を鳴らし)私の人生は完璧だ!(お御籤を買うと、)」
(お御籤は、凶。)
メグミン「あら、凶!」
名護さん「馬鹿な!(お御籤機に百円を入れ)来なさい!」
(お御籤は、凶。)
名護さん「何!?」
メグミン「やった!小吉~!」
名護さん「そんなもので喜ぶとは小市民め!今度こそ…。(お御籤(略))大吉ーっ!」
(お御籤は、大凶。)
名護さん「うわぁっ!」
(メグミン、ほくそ笑む。)
名護さん「…よこしなさい。小吉をよこしなさい!」
(第36話「革命・ソードレジェンド」より)

メグミン「う~ん…!静かな午後の、コーヒーブレイクタ~イム!最高のひと時ね♪」
名護さん「(バン!と扉を開けて)マスター、画鋲だ!ありったけくれ!」
マスター「え、画鋲?」
名護さん「早く!」
マスター「あるけど…。」
名護さん「あとテープ!」
マスター「いいけどこれ、何に使うの?」
メグミン「何してんの?」
マスター「ちょっと…!」
メグミン「ちょっと!イクサナックルじゃない!?なんであんたが持ってんのよ!?」
名護さん「うるさい、ほっといてくれ!」
(名護さん、イクサナックルに画鋲をテープで貼る。)
名護さん「これで奴が変身する時、画鋲が…。襟立健吾、お前の苦悶に歪んだ顔が、目に浮かぶようだ…!…あ、ここもだ。」
メグミン「セコッ…!」
マスター「人間が小さい。」
(第37話「トライアングル・キングが斬る」より)

 名護さん&メグミンによるギャグは<癒し>(清涼剤)になってきたな…!

f:id:sebaOOO:20180602110116j:plain

 あと、この回から出て来る「ラットファンガイア」のデザインが物凄く良い。裏モチーフは<鴉(カラス)>。篠原保曰く、『電王』のモールイマジンみたいな奴とのことだけど、ザコ怪人にしてはハードディティール過ぎるぜ…!

■オマケ:カットシーンについて

 よく「『キバ』はカットシーンが多いから、それも込み込みで見て評価して!」という人がいるけれど、テレビ番組とは「放送されたもの」が完成品なのであり、カットシーンを見ないと評価できない(全容を把握できない)という時点で、その作品は問題有りなのである。だがしかし、それにつけても『キバ』はカットシーンが多いので、『キバ』感想記事ではその回のカットシーンをピックアップしていこうと思う。

(その1)静香と深央

(深央が紅家に行くと、静香が出て来た。)
静香「あら二股の。何か御用ですか?」
深央「あの…渡さんは…?」
静香「(溜め息)いません。今走りに行ってて。最近渡鍛えてるんです。男らしくなったし。もうあなたのことなんて忘れてるんじゃないかしら?ホホホホホ♪ホホホホホ♪」
深央「あの…これ渡さんに。駅前のタコ焼きです。美味しいって評判だから。」
静香「あらありがとうございます。でも渡はタコ焼きなんかじゃ釣られませんから。お生憎様。」
(静香、玄関の扉を閉める。立ち去る深央。静香、深央が持参したタコ焼きを食べる。)
(第36話「革命・ソードレジェンド」未使用映像)

f:id:sebaOOO:20180602110236j:plain

 静香ちゃんはすっかり嫌味キャラに…!小説版では現在篇のヒロインだというのに…。

(その2)音也とゆり

(音也とゆり、ゴーカートに乗っている。)
音也「ハーハハーハ!何人たりとも、俺の前を走ることはできん!ハーハー!この虫けらめ~。フーンフーンフーン。(他のゴーカートに追い抜かされると)あ、何!?あ、ななな貴様!は!?おお、おかしいぞ…!?」
ゆり「遅いぞ音也!おっ先~♪」
音也「貴様!なんだその…勝ち誇った顔は!」
(音也、ゴーカートを停車させる。ゆりも、ゴーカートを停めて降り、音也に近付く。)
ゆり「どうした?あ…!私に負けて…拗ねたのか?拗ねただろ!拗ね…。」
(音也、ゆりをゴーカートの席に乗せる。)
音也「いい女と競うのは嫌いじゃない。だがお前とは一緒に走って行きたい。人生という名のサーキットをなぁ!ハッハッハッハッハッ…!アッハ…。」
ゆり「音也…。」
音也「あん?」
ゆり「…もうバイオリンは出来たんでしょ?」
音也「ああ。この俺に相応しいものになっている。この世でたった一つのバイオリンだ。」
ゆり「…じゃあお願い。」
音也「うん?」
ゆり「もう二度と真夜に会わないで。」
音也「…ああ。わかった。」
ゆり「…!今日は飛びっきりのオムライス作ってあげる!」
音也「おぉ~楽しみだ!さぁ、ゆり行くぞ!俺とお前の、愛の旅立ちだ!」
(音也、アクセルを踏むが、発進しないゴーカート。)
ゆり「音也…?」
音也「…すまない、重量オーバーだ。」
ゆり「音也体重何キロ?」
音也「俺は60キロぐらいだ。」
ゆり「二人合わせて80キロか。」
音也「おい、それはやり過ぎだ。」
ゆり「90か。」
音也「それもやり過ぎだ。ハハハ…。(ゆりに睨まれて)…その通りだ。90だ。」
(第36話「革命・ソードレジェンド」未使用映像)

f:id:sebaOOO:20180602110303j:plain

 二人乗りのゴーカートが進まないのは、音也&ゆりの未来を暗示しているのかもしれない。…深読みですw

(その3)過去キンさんと真夜

過去キンさん「太牙よ。お前はいずれ俺をも超える素晴らしい王となるだろう。」
(過去キンさん、太牙に触れようとする。)
真夜「やめて。(太牙を抱いて)あなたには触れてほしくないの。この子は私のものよ。あなたとの間に太牙をもうけたのは、クイーンとしての義務を果たしただけ。あなたへの愛はないわ。」
過去キンさん「ほぉ…!おかしなことを言うなぁ…!もともとファンガイアに愛などない。お前の口振りはまるで、愛を知っているかのようだ。」
真夜「…そんなことないわ。」
過去キンさん「それで良い。俺はキングで、お前はクイーン。それだけで良いんだ。」
真夜(…おかしい。どうして音也のことが…?頭から離れない…!)
(第37話「トライアングル・キングが斬る」未使用映像)

f:id:sebaOOO:20180602110343j:plain

 よく真夜と音也の関係は<不倫>と言われるけど、というか、私も初見ではそう感じたけどwそもそも「もともとファンガイアに愛などない」のよね。その件(くだり)はカットされたけどな!宇都宮孝明も「視聴者の心に引っかかってくるだろうな」と思ったと言っている。

――(中略)視聴者の間では、真夜と音也の関係は結局 "不倫" ではないか、という意見もありましたよね。(中略)
宇都宮 僕は、そう言われるだろう、とは思ってました。ただ、そもそもファンガイアに愛がわかるのか、という問題がありますからね。それについて、真夜がキングに向かって、別にあなたに愛はない、というところ(注:真夜があなたとの間に太牙をもうけたのは、クイーンとしての義務を果たしただけ。あなたへの愛はないわと言い、キングがもともとファンガイアに愛などないと答えるシーンが、37話の台本上にはあった)をオンエア上カットしているから、そのことが(視聴者の心に)引っかかってくるだろうな、と思いましたね。
(宇都宮孝明『仮面ライダーキバキャラクターヴィジュアルガイド3(Celebrate)』より)

 何故、人間を愛するファンガイアがいるのか?もしかすると、人間側から愛された、愛を教わったから、なのかもしれない。それにしても、過去キンさんは「もともとファンガイアに愛などない。」と言うけれど、彼奴は目茶苦茶愛しているよね、真夜のことを!それは太牙(現在篇のキング)もそう(深央LOVE)。まぁ太牙は人間(嶋護)と生きていたから例外かもだけど。キングがクイーン(真夜)を、クイーンが人間(紅音也)を愛してしまったという<イレギュラー>さが、『キバ』の臍よね。う~む、やっぱし『キバ』は奥が深いぜッ!

[了]

※はじめましての方はこちらをご一読ください。

sebaooo-tatoba-combo.hatenablog.jp