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『ビルド』感想:第31話「ほとばしれマグマ!」

仮面ライダービルド』の感想です。以下、ネタバレ注意。

第31話「ほとばしれマグマ!」(脚本:武藤将吾、監督:上堀内佳寿也)

【前回】『ビルド』感想:第30話「パンドラボックスの真実」 - 千倍王鷹虎蝗合成獣
【次回】『ビルド』第32・33話感想 - 千倍王鷹虎蝗合成獣

 勘違いしていたことがありまして。カミホリさん回は第29・30話で、第31・32話は別監督が撮るもんだと思い込んでいて、「第31・32話はセットで見よう!」ということで、先週視聴せずにいたら、第31話もカミホリさん回だったのね…!そういえば、『キバ』も第29・30・31話(麻生親子VSルーク回)は巨匠がまとめて撮っていたなぁ…!『キバ』感想もそろそろ再開しなきゃ…。…ハイ、というわけで『ビルド』感想の始まり始まり~。

■『ビルド』の『フォーゼ』っぽさとは?

 『ビルド』第30話の感想記事のコメント欄にこんな書き込みがありまして。

sebaooo-tatoba-combo.hatenablog.jp

読者:
 個人的に、ビルドと言う作品のどこにオリジナリティを見出せばいいのかが未だに分からない状況のまま終盤を迎えつつあります。最早「Wっぽい見た目のライダーが“フォーゼっぽい世界観”で“オーズっぽいアイテム争奪戦(=鎧武っぽい陣取り合戦)”してる」位にしか見えなくなってきてる感もありますが…。過去類を見ない位、主役ライダー新形態の活躍頻度が短いのと「代表戦」なるガンダムファイト擬きが独自色と言われればそうなのかもしれませんけどね…。

 私は『ビルド』における“フォーゼっぽい世界観”というのがよくわからなかったのだけれど、よくよく考えてみると、アストロスイッチ&ゾディアーツは「コズミックエナジーの力、フルボトル&スマッシュは「ネビュラガス」の成分で、モジュールマテリアライズやフォームチェンジ/怪・人・変・身するわけで、<宇宙>要素が被っているのね。で、歌星賢吾は「コアチャイルド」だったけど、万丈龍我も「火星人」ということが発覚した。相棒ポジションが<人外>ということで、ますます『ビルド』の『フォーゼ』っぽさが増したわけだ。

紗羽「万丈のことを調べに、いろいろあたったんだけど、みんな口が重いっていうか、全然しゃべってくれなくて。しょうがないから、産婦人科のデータを調べてみたの。(中略)でね、そのデータが、難波重工総合科学研究所に送られてたの。」
美空「パンドラボックスが最初に保管された研究所だよね?」
紗羽「そう。政府と難波重工が提携してた研究所。万丈はそこの研究対象だったの。」
美空「どういうこと?」
紗羽「(写真を見せながら)これが万丈のお母さん。名前は万丈友里さん。夫婦で警備員の仕事をしてたみたい。その派遣先の一つに、難波重工総合科学研究所の名前があった。10年前、有人探査機が火星に着陸したでしょ?それに先立って今から23年前、無人探査機が火星着陸に成功したの。当時は国中でも相当話題になったみたい。その無人探査機が日本に戻ってきて、警備を担当してたのが、万丈のお母さんだったの。けど…。警備の途中で突然意識を失って…。」
美空「私と同じだ…。」
紗羽「うん…。病院で検査したら、万丈のお母さんが妊娠1カ月だったことがわかって、当時はその影響で倒れたと思われた…。」
美空「違ったの?」
紗羽「その1カ月後に子供が生まれたの。しかもきわめて健康な状態で…。それが万丈よ。」
美空「ちょっと待って!妊娠して2カ月で出産って…そんなのあり得ないでしょ。」
紗羽「あり得ないよね。そこで、万丈の体を大学病院で診てもらったら、見たことがない細胞組織が発見された。そのまま難波重工総合科学研究所で再検査をすることになって…。これが、その検査結果とその後の研究データ。」
( 中 略 )
紗羽「やっぱりそうだ。万丈から人間とは別の遺伝子構造が発見されたって。」
美空「人間とは別ってどういうこと?」
紗羽「地球外生命体…。異星人の遺伝子ってこと。これは、憶測だけど、多分、美空ちゃんと同じようなケースなんじゃないかな。無人探査機に潜んでいた異星人が、なんらかの形で、万丈のお母さんの体に入り込んだ。そして、そのままお腹の中にいた万丈に乗り移った…。万丈はご両親が事故で亡くなるまで、定期的に難波重工総合科学研究所で検査を受けてたみたい。」
美空「けど、万丈そんな話してなかったよ?」
紗羽「うん…。研究所サイドが、秘密裏に行っていたか、あるいは、万丈自身が、何かされたか…。」
(第31話「ほとばしれマグマ!」より)

 おそらく、「万丈龍我が地球外生命体(異星人)!」というネタは企画当初から武藤将吾が温めていたネタなんだろうけど、「う~ん」な視聴者も一定数いそうね。『フォーゼ』(歌星賢吾=コアチャイルド)の場合、十数年前に我望光明と歌星緑郎が月で袂を分かった、というのは初回のアバンで描かれていたし、その時何があったのか?の補完になっているのでそこまで唐突(後付け)感は無かったけど(江本州輝が裏切ったり改心したりで大忙しだけどw)、『ビルド』の場合、10年前の出来事(有人探査機が火星に着陸)の更にその前(23年前)に「無人探査機が~」とかやり出したので、「唐突!(後付け!)」と言う人が出て来るのだと思う…!

■「歌星賢吾=コアチャイルド」展開が唐突だったワケ

歌星賢吾「俺はコアスイッチから生まれたコアチャイルド。この体は、コズミックエナジーがマテリアライズされたものだ。今の俺は、コアスイッチの中の情報を全て把握している。あの時に、頭の中に流れ込んできた。全ては20年前、月面でコアスイッチが発見されたことから始まる。プレゼンターが他の惑星の知性体との接触のために、宇宙の各地にバラ撒いたアイテム、それがコアスイッチだ。その秘密を解ける、知性を持つ生命体だけが彼らとコンタクトできる。コアスイッチを共同研究していた歌星禄朗と我望光明だが、やがてその研究方針で対立することになる…。フォーゼシステムによる安全なワープ航法を開発しようとする歌星に対し、我望はゾディアーツスイッチによる人類の強制進化を主張した。それが人体に危険な方法だと知りながら…。ゾディアーツスイッチの開発に成功した我望は、彼を支持する江本州輝に歌星とコアスイッチの排除を命じた。だが、彼らは知らなかった。その襲撃の前日、コアスイッチからコアチャイルドが誕生していたことを…。歌星禄朗はそのコアチャイルドを、賢吾と名付けた。改心した江本が月面から俺を回収し、親戚と呼ばれる家に預けた。歌星禄朗の子供としてね。」
(『フォーゼ』第47話「親・友・別・離」より)

 ごめん、後付け感はそこまで無いけど「唐突さ」は有ったわ…!

 だがしかし、そこには「とある理由」が在ったのだ。

中島 1年かけて作ってきた設定を最後の4話くらいで一気に消化しなきゃいけなかったから泣きそうになりました(笑)。でも、そこには塚田さんの計算があって、要するに5歳児はそんなに長く設定を憶えてはいないということなんですね。まだ瞬間、瞬間で生きている段階だから、そういう話はまとめてやったほうがいいという考え方です。それはハッキリ言われました。僕や三条さんは隙あらば伏線を張ろうとするんだけど、そのたびに「この話には直接機能しないくだりですよね」って(笑)。2話完結の中で、その話がどう動くかが大事なんですね。
中島かずき仮面ライダーフォーゼ公式読本 FOURZE GRADUATION』より)

 だから、平成『仮面ライダー』(子供向けの特撮番組)において、ある日突然「新設定」が出て来るというのは、私は悪いことではないと思う。「5歳児(メインターゲット)はそんなに長く設定を憶えてはいない」「まだ瞬間、瞬間で生きている段階だから、そういう話はまとめてやったほうがいい」という考えもあるからだ。

 が、『フォーゼ』が子供とティーン(特撮卒業生)向けに作られたのに対し、大森敬仁曰く『ビルド』は「大人向け」に作られているわけで、

――最後に。10月から放送時間が変更になりますが、これについては?
大人の視聴者が増えるんじゃないかなあと。物語もハードですし。スーパー戦隊シリーズとの差別化が一番大事な部分だと思って作っている面もあるのでいい風に働くと願っています。これから1年間がんばりますので、応援よろしくお願いします。(2017年7月27日/東映東京撮影所にて)
(大森敬仁『フィギュア王No.235』より)

――では最後に、改めて新番組『仮面ライダービルド』のアピールを一言。
大森 『ビルド』は面白いです(きっぱり)。もちろん子供番組なので、主たる視聴者層の彼らに楽しんでもらうことを前提としつつ、今回は大人のファンの方にちゃんと観ていただきたいですね。
(大森敬仁『東映ヒーローMAX Vol.56』より)

 「『子供向け』だから唐突でもいいんだ!」という言い訳は通用しないけどね(笑)。

■『ビルド』は『ドライブ』っぽくもある

紗羽「あ…ここ見て!万丈の研究をしてた担当者!」
美空「葛城…忍…。」
紗羽「葛城巧の…戦兎の…お父さん…。」
(第31話「ほとばしれマグマ!」より)

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 また「父親」ネタ(『ドライブ』の二番煎じ)かよ!

 本当に大森敬仁は引き出し少ないな…!「葛城忍」についてはもう少し話が進んでから語ることにします。あと、『ビルド』中盤評にコメントしてくださった方々、ありがとうございました。まだまだ募集中です!それらを吸い上げて「中盤評・真」を作成するつもりなので、皆様よろしくお願いいたします。

sebaooo-tatoba-combo.hatenablog.jp

■オマケ:「俺の占いは当たる。」

 『キバ』第23・24話の感想記事のコメント欄で、私はこんな返信をしておりましてね。

sebaooo-tatoba-combo.hatenablog.jp

セバオーズ:
 思うに、武藤将吾って「平成一期派」だと思うんですよね。で、1クール目(第01~16話)が『アギト』だとすると、今(第17話~)やっているのは『龍騎』なんですよ。なので、終盤(最終章)は『555』っぽいことをやるのではなかろうか?と予想しています(火星(宇宙)人とか出して)。

 何が言いたいかというと、「先見の明があるでしょ?」ということです(笑)。え?「そんなん誰もが予想できるだろ!」ですって?うん…。

[了]

※はじめましての方はこちらをご一読ください。

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