千倍王鷹虎蝗合成獣

平成仮面ライダーの感想・考察サイト。衒学的で悪し様で居丈高な語り口のブログにようこそ。

「王道」とは何なのか?

 「三条さん(の脚本)は王道だ~!」平成『仮面ライダー』シリーズのファンなら誰もが一度は目にしたことがあるであろうこのフレーズだが、では<王道>とはいったい何なのか?というハナシ。

■「三条さん(の脚本)は王道だ~!」における<王道>とは、

 『W』放送当時、よく三条陸の脚本はファン(特に熱狂的なファン)から「王道だ!」と評されたが、ここで言う<王道>とは井上敏樹的ではない」という意味である。どういうことかと言うと、

(1)井上敏樹みたいに、主役同士で仲間割れをさせない!
(2)井上敏樹みたいに、「裏切り→芝居」展開にしない!
(3)井上敏樹みたいに、不快(嫌)なキャラを出さない!
(4)井上敏樹みたいに、ヒーローが怪人に手を貸さない!
(5)井上敏樹みたいに、販促を疎かにせず玩具を魅せる!
故に三条陸の脚本は<王道>井上敏樹のそれは<邪道>

というわけである。要するに、『W』の頃(2009)は井上敏樹(平成一期)アンチ」が多く(※その理由は、白倉三部作(アギト・龍騎・555)が昭和『仮面ライダー』と比べると殺伐とし過ぎていた(子供向け特撮番組らしからぬ作品だった)り、敏鬼が後半『響鬼』のメインライターを引き受けたり、『カブト』や『キバ』がアレだったから)、それを批判するために、“かつて「週刊少年ジャンプ」で連載されていた漫画、『DRAGON QUEST‐ダイの大冒険』の原作者”という肩書きを持つ三条陸という脚本家(と、平成二期(初期)の作風)は神輿に担ぎ易く、<王道>という単語は、ここまで記述してきた内容を一言で表現するのに、都合の良いワードだったのである。

■ところが、『ドライブ』はと言うと、

 ところが、『W』と同じく三条陸がメインライターを務めた『ドライブ』はと言うと、

(1)主役同士で仲間割れをさせたり、

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(2)「裏切り→芝居」展開にしたり、

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(3)不快(嫌)なキャラを出したり、

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(4)ヒーローが怪人に手を貸したり、

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(5①)シフトカーが全然活躍しなかったり、

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(5②)タイヤカキマゼールを3つしか発動しなかったり、

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 三条陸が「井上敏樹的」なことをやり始めたので、熱狂的なファンは先のロジックを使えなくなってしまったのである。

 よく『ドライブ』の熱狂的なファンは「三条さん(の脚本)は王道だ~!」と言うが、具体的に<王道>とは何なのか?を説明できない理由はそこにある。もう一度言うが、シリーズ新展開(第25話)以降が顕著だが、三条陸が「井上敏樹的」なことをやり始めたからである。

 <王道>とは、三条陸(平成二期)を持ち上げ、井上敏樹(平成一期)を扱き下ろすために使用された、バズワードに過ぎない。

 …でも、『ドライブ』の熱狂的なファンは、

儲「仲間割れしてた剛とチェイスが共闘するなんて王道!」
儲「裏切ったフリしてた剛がまた仲間に戻るなんて王道!」
儲「不快(嫌)なキャラを進ノ介達がボコるなんて王道!」
儲「敵であった進ノ介&ハート達が共闘するなんて王道!」

と言うので、きっと三条陸が脚本を書けば何でも<王道>なんだね!さぁさぁ皆さんご一緒に!せ~のっ!三条さん(の脚本)は「王道」だ~!

鳥嶋和彦「<王道>なんてあるわけないじゃん。」

 最後に、かつて「週刊少年ジャンプ」の編集者を務めた、鳥嶋和彦(とりしまかずひこ)氏の発言を引用して締めよう。

――(中略)以前にさくまあきらさんに取材したときに、さくまさんが「ジャンプで“王道”を学んだ」と言っていたんです。彼はジャンプのメソッドをゲーム開発に活かしてきたというんですね。
 
鳥嶋氏:
  ……なにそれ。さくまさん、そんなこと言ってたの。
  「王道」なんてあるわけないじゃん。強いて言えば、そのとき流行ってるものが「王道」だよ。『バクマン』でもそんな話をしていたけど、あの作品は本当に世間に良くない影響を与えてると思うね(笑)。
 
【全文公開】伝説の漫画編集者マシリトはゲーム業界でも偉人だった! 鳥嶋和彦が語る「DQ」「FF」「クロノ・トリガー」誕生秘話

[了]

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