千倍王鷹虎蝗合成獣

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『仮面ライダーキバ』前半評

 『キバ』の感想記事を約半分書き終わったので、前半評をば。第01話「運命・ウェイクアップ!」から、第24話「皇帝・ゴールデンフィーバー」までの所感です。

■約束された勝利の牙(剣)

 『仮面ライダーキバ』は石ノ森章太郎生誕70周年記念作品」かつ、平成初期四作(『クウガ』~『555』)と前作『電王』の好いとこ取りをした、正に平成一期の集大成とも言える作品です。本記事では、その詳細について列記します。

(その1)『クウガ

 「最近(平成二期)の仮面ライダーはフォームチェンジ多過ぎ!平成一期の頃のように少なくしろ!」という批判に対し、「でも『クウガ』の時点で11フォームあるから…!」と論破される光景に見覚えがある方もいらっしゃると思われます。そして、『キバ』のフォームチェンジは『クウガ』のそれに倣っています。

【基本形態】
●『クウガ』:マイティドラゴンペガサスタイタンフォーム
●『キ バ』:キバガルルバッシャードッガフォーム
【武器】
●『クウガ
 ・ドラゴンロッド
 ・ペガサスボウガン
 ・タイタンソード
●『キ バ』
 ・魔獣剣ガルルセイバー
 ・魔海銃バッシャーマグナム
 ・魔鉄槌ドッガハンマー
【必殺技】
●『クウガ
 ・マイティキック
 ・スプラッシュドラゴン
 ・ブラストペガサス
 ・カラミティタイタン
●『キ バ』
 ・ダークネスムーンブレイク
 ・ガルル・ハウリングスラッシュ
 ・バッシャー・アクアトルネード
 ・ドッガ・サンダースラップ
【強化形態】
●『クウガ』:ライジングフォーム
※武器と必殺技には“ライジング”が付く。
●『キ バ』:エンペラーフォーム
※必殺技は“ガルル・/バッシャー・/ドッガ・”の部分が“エンペラー”に置換わる。
【最終形態】
●『クウガ』:アルティメットフォーム
●『キ バ』:飛翔態

 また、『クウガ』では「装甲機ゴウラム」がバイク(トライ/ビートチェイサー2000)と合体し、超バイク(トライ/ビートゴウラム)になりますが、『キバ』でも「魔像ブロン」がバイク(マシンキバー)と合体し、超バイク(ブロンブースター)となります。仮面ライダーキバは、平成一期の基本(仮面ライダークウガ)に、立ち返っているのです。

(その2)『アギト』

 「警察はずっと未確認生命体4号(=クウガ)に依存してしまったことに忸怩たるものがあるはずだから、クウガグロンギを研究して "メカクウガ" を作るんじゃないか」という発想から誕生したのが「G3(GENERATION-3)」(装着型(メカニカル)仮面ライダー)です。今(2018)となっては普通ですが、当時(2001)は3人も仮面ライダー(アギト/G3/ギルス)が登場するのは斬新であり、以降のシリーズでは「複数人の仮面ライダーが出る」のは当たり前になります。『キバ』もその例に漏れず、仮面ライダーキバの他にイクサ、サガ、ダークキバ等が現れるのですが、特筆すべきは「イクサ(Intercept X Attacker)」システムで、G3(マイルド含む)を主役(変身前を演じたのは要潤)以外が身に纏ったように、劇中では8人ものキャラクターがイクサに変身します。その中で、最も変身回数が多い(であろう)「名護啓介(なごけいすけ)」(以下、名護さん)は、正に『アギト』の氷川誠(ひかわまこと)のように真面目で正義感に溢れた男の中の男であり、平成『仮面ライダー』シリーズの愛されキャラ四天王の一人として数えられています。「名護さんは最高です!」

(その3)『龍騎

 “DRAGON KNIGHT”の名の通り、『龍騎』の主人公である城戸真司(きどしんじ)は「無双龍ドラグレッダー」というミラーモンスターと契約し、仮面ライダー龍騎に変身して怪人(怪獣)と戦(闘)います。『キバ』でも「キャッスルドラン」&「シュードラン」という巨大モンスターが使役され、仮面ライダーキバを支援してくれます。ちょっとフライングしますが、キャッスルドランは『電王』のデンライナー(時の列車、食堂車)の要素も兼備えています。また、『龍騎』最大の売りはライダーバトル(戦わなければ生き残れない!)であり、『キバ』でも仮面ライダー(キバ、イクサ、サガ、ダークキバ)同士がお互いの正義をかけて争うことになります。

(その4)『555』

 仮面ライダーが怪人を斃すことは正義なのか悪なのか?」というタブーに踏み込んだ『555』では、人間と怪人オルフェノク(死んだ人間が甦った存在。言わばゾンビ)、二種族による地球の覇権争いが描かれます。『キバ』世界にも、複数の種(魔)族(ファンガイア族、キバット族、ウルフェン族、マーマン族、フランケン族、ドラン族、レジェンドルガ族、マーメイド族、ゴースト族、ギガント族、ホビット族、ゴブリン族)が存在し、人間も魔族の一つであり、「護ることと戦うこと、Dilemma は終わらない♪」展開が繰り広げられます。また、『龍騎』のCG戦(巨大怪獣)がヒットしたのを受け、『555』には巨大メカ(オートバジン、サイドバッシャー、ジェットスライガー)が出て来るのですが、『キバ』でも仮面ライダーイクサが「パワードイクサー」というティラノサウルス型の重機を操縦します。

(その8)『電王』

 『電王』最大の発明は何と言っても「イマジン」でしょう。主人公である野上良太郎(のがみりょうたろう)と、モモタロスウラタロスキンタロスリュウタロス(桃太郎×鬼、浦島太郎×亀、金太郎×熊、龍の子太郎×竜)による人間ドラマ&戦闘シーンは、数多のファン(特に女性)に指示されました。それを受け、『キバ』でも「アームズモンスター」が用意され、ガルル(次郎)バッシャー(ラモン)ドッガ(力)(狼男、半魚人、フランケンシュタインの怪物)が仮面ライダーキバ(吸血鬼)の力になります。また、イマジンを受けて企画(開発)されたもう一つの『キバ』の売りが「喋る変身ベルト」(キバットバットIII世)であり、この路線は平成二期作品に受け継がれていくことになります。

早瀬「『電王』を意識することで実現した初めての試みに"喋る変身ベルト"があります。これは『電王』でも突出した人気を得たイマジンたちに対抗するキャラとは何か?ということから生まれた考えです。実は、変身ベルトを喋らせるという発想は今回が初めてではありません。『カブト』のカブトゼクターがそうです。ただ、『平成仮面ライダー』の世界観にはふさわしくないのではとの理由でボツになったんです。いわばNGワードになっていた。ですが、イマジンは喋ったことで人気を得たわけですから、それを意識して、じゃあベルトが喋ってもいいんじゃないかと、今回の採用になりました
(早瀬マサト『ファンタスティックコレクション 仮面ライダーキバ Fang01』より)

阿部 相棒キャラが変身ベルトになるというアイデアは、ライダーの企画会議では毎年出てくることなんです。だけど、主人公とマスコットキャラがお喋りする画というのは、平成仮面ライダーの雰囲気の中ではなかなかやりづらいということで、毎年お蔵入りになるんです。ただ、昨年の『電王』で相棒キャラみたいな存在が認知されたなぁという背景もあり、今年ならそういう相棒とヒーローの掛け合いみたいなところをやれるんじゃないかと。」
(阿部統『仮面ライダーキバ 公式読本 KIVA LUNATIC ARCHIVES』より)

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 『仮面ライダーキバ』は約束された勝利の牙(剣)なのです。

[了]

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