千倍王鷹虎蝗合成獣

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『キバ』第17・18話感想

仮面ライダーキバ』の感想です。以下、ネタバレ注意。

[2008年05月18日]第17話「レッスン・マイウェイ」
[2008年05月25日]第18話「カルテット・心の声を聞け」
(脚本:米村正二、監督:石田秀範)

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■『キバ』唯一の「米村正二」脚本回

 『OOO』の第11・12話について、米村正二はこう語っていた。

 この脚本打ち合わせをしているまでの間の作品内の後藤について、思うところがあり、『キバ』の時もボタンに異常に、純粋なまでにこだわる名護さんを描くことで名護さんを好きになったんですが、今回も後藤の挫折、そこから立ち上がる様を描くことが出来て、後藤を好きになれました。
米村正二仮面ライダーオーズ/OOO 公式読本 ~OOO INFINITY~』より)

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 妖怪「ボタンむしり」は、こうして出来上がったのですね…!

 よねむーはキャラクターを弄り過ぎなのよね。『電王』の第11・12話、第15・16話もかーなーり違和感あったしね(特にキンタロス)。『カブト』でも敏鬼に「キャラを弄るな!」と注意されたとか(←ソース希望)。それにしても、何故に第17・18話は米村正二が脚本を担当したんだろう?たまたま敏鬼が忙しかったとか?『アギト』で1本だけ小林靖子がホンを書いたのは、白倉伸一郎が(『龍騎』を見据えて)力量を測りたかったから、らしい(笑)。その気になれば、『キバ』も『アギト』も『555』のように、敏鬼は全話書けたと思う…!

■まぁ妖怪「ボタンむしり」は抜きにすると、

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 正直、敏鬼よりも上手く「親子2世代に渡る多元変奏曲!」を描けていたとは思う。

 「二話前後編」エピソードとしての完成度は高いし、過去篇での音也とゲスト(子供時代)の掛け合いは何度も笑ってしまったw特に、現在篇で渡がゲスト(大人時代)から父親の「心の声を聞け」という信条を教わった(間接的にレッスンを受けた)ことにより成長できたという流れが(ベタだけど)ベネ。昔、見た時はあまり意識していなかったけど、この話も「石田秀範」監督回だったのか!『キバ』の巨匠は良い仕事するな~!(第09・10話の感想記事も早く書かねば…!)いや~、面白かった!『ビルド』第17・18話とは大違いだわ(笑)。

※関連記事です。

sebaooo-tatoba-combo.hatenablog.jp

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 ちなみに、フェイクフエッスルは第17話が、

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 ドガバキフォームは第18話が最初で最後の出番です。本当にありがとうございました。

■オマケ:カットシーンについて

 よく「『キバ』はカットシーンが多いから、それも込み込みで見て評価して!」という人がいるけれど、テレビ番組とは「放送されたもの」が完成品なのであり、カットシーンを見ないと評価できない(全容を把握できない)という時点で、その作品は問題有りなのである。だがしかし、それにつけても『キバ』はカットシーンが多いので、『キバ』感想記事ではその回のカットシーンをピックアップしていこうと思う。

 …のだが、『キバ』第17・18話(米村正二脚本回)は、カットシーンが

 特に無い

(無いわけではないが、ほとんど無い!)ので、今回のオマケでは後半『響鬼について語っていこうと思う。…え、何故かって?米村正二井上敏樹と言ったら後半『響鬼』でしょうが!(←『カブト』ではなく!?)

■オマケ:後半『響鬼』について

宇野 桐矢京介はどういうふうに出てきたキャラクターなんですか?
井上 俺は明日夢が気に食わなかったんだ。いい子ちゃんで、なんだこの野郎、成長なんかするなと思ってさ。俺が『響鬼』をやるならもう壊したいと、プロデューサーも代わるんだからしょうがない。そのシンボルが桐矢。転校して寿司を食うところとかよかったよな。
宇野常寛井上敏樹ユリイカ2012年9月臨時増刊号 総特集=平成仮面ライダー』より)

 ま~たそんな悪役(ヒール)発言をしちゃって…!

 『キバ』は(というか、「井上敏樹」は)アンチが多いが、それは「子供向け番組“らしからぬ”シーンばかり描写する」だの「販促が糞」といった理由だけでなく、後半『響鬼』のメインライター(以下、MW)を井上敏樹が引き受けたから、という側面も(御多分に)あったと思われる。というのも、前半『響鬼』のチーフP、高寺成紀と言えば、熱狂的なファンの多いプロデューサーの一人であり、氏の更迭により作風がガラッと変わってしまった後半『響鬼』を、批判する者達も多かったからだ(称賛する者もいたけど)(きだつよしとかw)。正直、昔は俺も批判してたしね…!怒りの矛先を向けられたのは、(当然)井上敏樹白倉伸一郎であり、後者は『カブト』(MW:米村正二)と『電王』(MW:小林靖子)で味方(ファンの擁護派)を付けられたものの、前者は「それ」が得られないまま『キバ』のMWになってしまった。(米村正二が春映画の脚本を書くことが多い)今となっては信じられないかもしれないが、十数年前は(『カブト』を例にすると)米村正二は神!井上敏樹は糞!」と言う者も少なくなかったし、「『カブト』が迷走したのは井上敏樹のせい!」と言う者もいたくらいである。『電王』(小林靖子)の熱狂的なファンも面倒臭い生き物だったしな…!

 ところが、時が経つと新事実が明らかになった。前半『響鬼』の視聴率は日高仁志(鬼)」パートになると上がり、「安達明日夢パートになると下がる傾向にあり、後半『響鬼』で「桐矢京介」を登場させたのは、彼がいる(場を掻き乱す)ことにより「ヒビキとアスムが一緒にいる時間」が増え、「特定の誰かのせいで視聴率が下がる」という事象を判り難くすることに成功したのだ(これにより、栩原楽人が降板させられるリスクも減少したことになる)。

白倉 (中略)いちばん大事にしようと思ったのは、とにかくキャストを守ること。(中略)まずは全キャストを続投させることが第一。結果的にはザンキさんを倒すことにはなっちゃいましたけど、とにかくひとりも脱落者を出さない。
 第二に、当初やろうとしていた番組の方向性、構造をなるべくまっとうする。ただ、それが原因ではないにせよ、周辺状況として視聴率とか、子供人気を何とかしないと、こんな番組やめてしまえってことになって累がキャストに及ぶ。
 視聴率っていうのは、分析されて、誰が出てると視聴率が上がって、誰が出てるときは下がるっていうのが見えちゃうんですよ。特にああやってヒビキサイド、明日夢サイドって分かれてると、如実に数字に表れてしまうんですね。だから、明確に○○コーナーって分けないで混ぜていくとか。
白倉伸一郎『語ろう!555・剣・響鬼【永遠の平成仮面ライダーシリーズ】』より)

 正義と悪は逆転する。

 前半『響鬼』(というか、高寺成紀)は、当時は(リアルタイムでは)熱狂的なファンが多かったけど、今、熱く『響鬼』を語るファンって、ほとんどいないじゃない?(苦笑)Blu-ray BOX」も発売しないしな!現在(2018年)は、流石に「前半『響鬼』の高寺成紀も悪かった」「後半『響鬼』の白倉伸一郎井上敏樹は悪くなかった(寧ろ良かった)」というのが平成『仮面ライダー』ファン界隈での「常識」になっていると思われる。というか、そう信じたい。大事なことなのでもう一度言うが、

 正義と悪は逆転する。

 それは「平成二期」にも同じことが言える。「どれ」とは言わないけどな!

[了]

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