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『小説 仮面ライダーゴースト ~未来への記憶~』感想

 『小説 仮面ライダーゴースト ~未来への記憶~』の感想です。以下、ネタバレ注意。

■小説版『ゴースト』感想の前に、

 『エグゼイド』前半評(裏面)のコメント欄にこんな書き込みがあった。

sebaooo-tatoba-combo.hatenablog.jp

 エグゼイド最終回とこの記事(注:『仮面ライダーエグゼイド』前半評(裏面))の内容に思うところがあったので、コメントさせて頂きます。
 
 まず、数字に関してのことなのですが、昨今玩具が売れていれば問題ない!視聴率なんて意味ない!だから鎧武は凄い!とか売上が落ちたのは妖怪のせい!視聴率と興行収入を上げたドライブは凄い!というような極論的意見が目立ち、それらの数字を自分の好きなものを持ち上げ、嫌いなものをこき下ろすための道具にしているような風潮が強くなってきて、あまりいい気がしないのです。
( 中 略 )
 また、最近のファンの態度というか姿勢として、悪い所には徹底的に目をつむることが多いような気がします。特に鎧武、ドライブ、エグゼイドは不満を少しでも口にすれば総叩きみたいな風潮が強いと思うんですよ逆にゴーストは良いところが徹底的に無視されているような気が…。
( 中 略 )
 エグゼイドってガバガバ脚本を勢いで乗り切るような作風だと思うんですけど(クロノス登場以降はその勢いすらなくなりましたが)、なんだかネット界隈ではエグゼイドの脚本は綿密に計算されている!批判するヤツはわかってない!みたいな論調が目立つような気がします。他にも「エグゼイドは命について正面から向き合っている」という意見も目立ちますが、自分は「命の扱いお粗末すぎィ!これならゴーストの方がまだ…。」と思うんですよ。
 
 自分もそうなっているのかもしれませんが、作品の良し悪しと自分の好き嫌いを同列に語る人が多くなったように思います。ウィザード辺りまでは、良い所も悪い所も語られていた気がするのです。少なくとも今よりは。

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 あなたはどう思いましたか?

 それでは、「平成ジェネレーションズ」(『ウィザード』~『エグゼイド』)の一つ、『ゴースト』小説版(~未来への記憶~)の感想です。

■『鎧武』は考察厨が涌いたけど、

 『鎧武』の頃は凄(酷)かった。ありとあらゆることに対して考察(妄想)が繰り広げられていたように思う。「斬月・偽の素体は“真”と同じなのに、レバロンの素体がデュークと異なるのは何故?」ということまで考察対象になっていたからな…!(FAは、「バロンレモンエナジーアームズは後付けだから」)脚本の人そこまで考えてないと思うよ(←真顔でなんてこと言うのセバちゃん)。

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 さて、小説版『ゴースト』では眼魔の世界<創世>の歴史が書かれているのだが、アドニスの一族は元々は弥生時代の人間(日本人)だったというから驚きだ(テレビ本編でも1カットだけ描かれたけど)。その一族の一部がその地に残り、モノリスを守った。その生き残り(子孫)が天空寺の面々(龍やタケル)というわけである。大天空寺の中にモノリスがあるのはそのためだ。

【紀元前三世紀】
 とある密教信仰の集落に住む一族は、目の紋章が描かれたモノリスを『神の石』とあがめ、祈りを捧げていた。その一族の長であるアドニスは、信頼する友人のイーディスとダントンと共に不毛な地を開拓しようとしていた。
 そんな中、アドニスたちの一族に凶王の侵攻の魔の手が迫る。絶望的な状況下でモノリスに祈りを捧げたアドニスたちに呼応するかのように、異空間へのゲートが開き、アドニスたちの一族は新天地に移ることを決意する。リューライはじめ、一部の者たちはアドニスたちを安全に新天地に逃がすため、モノリスの守り人としてその地に残る。
福田卓郎『小説 仮面ライダーゴースト ~未来への記憶~』より)

 しかし、放送中(リアルタイム)、『ゴースト』が『鎧武』のように考察されることは皆無だった。何故かというと、『ゴースト』が『スーパー戦隊』っぽかったからである。

■『ゴースト』は『スーパー戦隊』っぽい

 何故『ゴースト』が『スーパー戦隊』っぽいのか?の理由を3つ上げてみる。

(1)脚本が『スーパー戦隊』っぽい

●第19話「爆発!絵を描く心!」
●第20話「炸裂!炎の友情!」
 (中略)当初「ゴースト」という作品に感じていた僕のイメージとはまったく違い、明るい台本で、これ、スーパー戦隊みたいじゃないですか?と言ったのですが、高橋プロデューサーは「いいんです、今回はファンタジーで行きます」と。ですからスーパー戦隊みたいにならないように気をつけたつもりですが、これはそういう意味でも難しいホンでしたね。
渡辺勝也仮面ライダーゴースト公式完全読本』より)

 監督、渡辺勝也は『クウガ』(2000~01年)より後は、専ら『スーパー戦隊』シリーズを撮り続けた男である(『アギト』はピンチヒッターで2本、『フォーゼ』も2本)。

(2001~02年)百獣戦隊ガオレンジャー
(2002~03年)忍風戦隊ハリケンジャー
(2003~04年)爆竜戦隊アバレンジャー
(2004~05年)特捜戦隊デカレンジャー
(2005~06年)魔法戦隊マジレンジャー
(2006~07年)轟轟戦隊ボウケンジャー
(2007~08年)獣拳戦隊ゲキレンジャー
(2008~09年)炎神戦隊ゴーオンジャー
(2009~10年)侍戦隊シンケンジャー
(2010~11年)天装戦隊ゴセイジャー
(2011~12年)海賊戦隊ゴーカイジャー
(2012~13年)特命戦隊ゴーバスターズ
(2013~14年)獣電戦隊キョウリュウジャー
(2014~15年)烈車戦隊トッキュウジャー
(2015~16年)手裏剣戦隊ニンニンジャー

 そんな男が「これ、スーパー戦隊みたいじゃないですか?」と言ったのだから、『ゴースト』は『スーパー戦隊』っぽいのである。

(2)怪人が『スーパー戦隊』っぽい

島本 (中略)まあ、昭和っぽいとかいろいろ言われて、それも勉強にもなったけど(笑)、ちょっと力不足なところもあってライダーファンの人たちに物足りなさを感じさせたなら申し訳ないなということで……反省しております。
――個人的な感想になりますけど、ホントに新鮮だったというか、ハードディティールのクリーチャー然とした怪人が毎年続く中で、明らかに毛色の異なる王道懐古的なアプローチの怪人が見られて面白かったです。あまりにディティール過多だと、スチールで見る分にはカッコよくても映像を見ていて情報量に目が追いつかなかったりするんですよね。そういう意味では一目でデザインのポイントやモチーフが伝わるキャッチ―な怪人たちで、視聴者の子供にもわかりやすかったんじゃないかと思いますよ。
島本 あぁ、スーパー戦隊の怪人っぽいって言われたんですよね(笑)。
島本和彦仮面ライダーゴースト公式完全読本』より)

 インタビュアーは島本和彦をフォローしている(なぐさめてる)が、その…。…「眼魔(ガンマ)」はどう見てもスーパー戦隊の怪人っぽい」のである(敢えて「昭和っぽい」とは言わないぞ!)

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 でも「ガンマイザー」は“HARD DETAIL CREATURE”だと思うんだがなぁ…?

(3)作風が『スーパー戦隊』っぽい

高橋●平成ライダーっぽくない作品だったかもしれませんが、ちょっと変わった仮面ライダー世界が描けたと思います。タケルの物語やゴーストの世界観は諸田監督だからこそ描けたのだと思います。依頼の第一声は「監督、枯れてませんか?」でしたが、まったく枯れていないことがわかりました(笑)。読者の方には1年間お付き合いいただき本当にありがとうございました。
(高橋一浩『宇宙船 vol.154』より)

高橋 (中略)物語を作っている最中によく言葉に上がったのが「ゴーストらしい」という一言です。良くも悪くも「ゴーストらしさ」ってなんだろうと、みんなで考え続けた1年でした。平成ライダーのカラーとは違うかもしれませんが、いろいろなチャレンジができて、独特の作品を作ることができたのは、数え切れないくらい多くの人に支えられたから。1年間、番組を一緒に作ってくれたキャスト、スタッフ、関係者、そして応援してくれた視聴者の方に感謝の気持ちでいっぱいです。
(高橋一浩『「仮面ライダー」超解析 平成ライダー新世紀!』より)

 チーフP、高橋一浩は自嘲気味に『ゴースト』のことを平成ライダーっぽくない」「平成ライダーのカラーとは違う」と言う。では『ゴースト』は何っぽいのかというと、スーパー戦隊』っぽいのである。

■『ゴースト』は『ゴースト』らしい

高橋 (中略)ポイントポイントで実現できたことはありつつも、第2クールから描き始めた眼魔世界と仙人の背景はもう少し早くから描いたほうがよかったかもしれないと反省しています。また、タケルらしさにこだわりすぎて、そのふんわりした雰囲気が作品のイメージになりすぎた感があり、マコトとアランのエピソード、その後のアランの迷いと決断などのシリアスな展開とギャップが大きくなり過ぎたかもしれません。
(高橋一浩『「仮面ライダー」超解析 平成ライダー新世紀!』より)

 『ゴースト』が後半、視聴率を落とした最大の要因は「これ」であろう。

 実際、渡辺勝也が撮った第19・20話から『ゴースト』の視聴率は下がり始めた。『ゴースト』の臍は「幽霊モノと思いきや、SF(サイエンスファンタジー)だった」というものだが、前半(勧善懲悪)のノリを求めている人からは「早くアデルや仙人を倒せや!」となるし、後半は後半で(小説版ほど)眼魔の世界や仙人の背景(天空寺龍や西園寺主税との関(係)わり)は密には描かれなかった(=大友には物足りない)ので、「どっちつかず」という評価が下されがちなのだろう。

 かつて『電王』も『スーパー戦隊』っぽいと言われたが、それは今まで(平成一期初期)と比べてライトでコミカル(明るい/あ、軽い)である、というニュアンスだったのに対し、『ゴースト』へのそれは<幼稚(稚拙)><子供騙し>という、<侮蔑>の言葉として使用されている。

 以前、こんなコメントがあったのだが、

 セバオーズさんはゴーストをかなり肯定的に見ていたようですが(というか俺はゴーストをここまで称賛しているブログをここ以外見たことがない(笑)

 私が『ゴースト』を高く評価しているのは、「怪人(異世界人)を撲滅しなかった」からである。

 『スーパー戦隊』っぽい『スーパー戦隊』っぽいと揶揄されるが、『スーパー戦隊』は<勧善懲悪>故に基本的に怪人を撲滅(完全に退治)する。平成『仮面ライダー』も人間と怪人の<共存>の可否を描いた作品は幾つかある(『555』『カブト』『キバ』等)が、「言うても殺してるよね?」という問題は常に付きまとっていた。『ゴースト』は「怪人を撲滅しない」エンドを描くことに成功したのだ(勿論、それは眼魂システムの御蔭(?)であり「タケルが眼魔に暴力を振るった」という事実は消えないし、タケルはアルゴスやアデルは屠っているのだが)。これは、スーパー戦隊』シリーズでは不可能なことである。

 あの『クウガ』も「最高傑作!」と評する人は多いが、「でもあれって民族浄化の話だよね?」と言われたら反論するのは中々難しい(不可能ではないけど)。

sebaooo-tatoba-combo.hatenablog.jp

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 『ゴースト』は「それ」に一つの答え(「怪人を撲滅しない」エンド)を出したのだ。

■「今の視聴率って、仮に日本の子供全員が見ても8%にしかならないらしいんですよ。」

 この折れ線グラフは、『鎧武』『ドライブ』『ゴースト』の、世代別視聴率のうち、「KIDS(子供)」のそれの推移である(『エグゼイド』はオマケ)。

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 『スーパー戦隊』と違い、平成『仮面ライダー』は「大人も取り込める」よう作られている。あの『W』ですらそうだ。

塚田 今の視聴率って、仮に日本の子供全員が見ても8%にしかならないらしいんですよなので、局側からは大人も取り込めるものを作ってほしいという要望があります。大人が見ても子供が見ても楽しめるものが求められ、こちらもそれを意識して作るようにしています。
(『仮面ライダーW特写写真集KIRIFUDA』より)

 にもかかわらず、『ゴースト』は<子供向け>の作品となった。「にもかかわらず」なのである。

諸田 (中略)最初はもっと暗い、というかもっと本質に迫る、人が死ぬとか生きるとかいうことを絡めて、最初の『仮面ライダー』や『仮面ライダークウガ』のような、本来的なライダー像に則ったタッチにちょっと戻したいなと考えていたんですが、紆余曲折あって明るい作品になりました。メインの視聴者は未就学児童なんで当たり前といえば当たり前だけど……ただ、仮面ライダー』で視聴率を取りたいという意味では、子供ばかりを対象にしてると難しいんですよ。玩具を売るならターゲットが明確に子供だけど、視聴率を取りたいのなら大人にも観てもらわなきゃいけないので。そういう意味では葛藤もありつつ、今の形になった、と。
(諸田敏『仮面ライダーゴースト公式完全読本』より)

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 もう一度よく考えてほしい。何故『ゴースト』が子供向けになったのかを。

■「タケルってふつうだよね」

 『妖怪ウォッチ』の生みの親、株式会社レベルファイブ社長、日野晃博はこんな発言をしていた。

日野 (中略)いまのいちばん残念な子はどんな子なのかと言うと、すべてのステータスがふつうで、特徴のない子が辛いんですよね。平均的な能力で、個性がない。それが現代の助けてあげたくなる主人公像なのだろうと思って、それを投影したのが主人公のケータくんなんです。だから、「ケータってふつうだよね」ってフミちゃんからも言われる(笑)。でもそういう、ダメでもなく、よくもなく、いつも「ふつうだね」と言われるのが、主人公像として、みんなが共感できるんです。(中略)大人の目線で「君たちが見たことのないものを見せてあげるよ」と奇をてらったようなものではダメですね。子どもたちは新しいものを見たがっているわけではないんです。なぜなら、経験の少ない彼らにとっては、見るものすべてが新しいものなのだから。
ファミ通.com「ヒットメーカー・日野晃博氏が語る『妖怪ウォッチ』ブームの秘密と今後の野望!」より)

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 天空寺タケル(普通の青年)は、今の時流に合っていたのかもしれない。

 『ゴースト』テレビ本編を退屈に感じた人は、Vシネマ『仮面ライダースペクター』と『小説 仮面ライダーゴースト ~未来への記憶~』を見ては(読んでは)如何でしょうか。強制はしないけど。

■蛇足1:『ドライブ』と『ゴースト』

 よく、『ドライブ』の熱狂的なファンは、

「作品の良し悪しと玩具売上は関係無い!」

と言うが、『ゴースト』放送中は、そこまでそんなことは言っていなかったのである。というのも、『ゴースト』3Q(2016年06月)時点では、『ドライブ』の方が数億、売上は勝っていたからだ。寧ろ、「『ゴースト』の玩具売上は『ドライブ』のそれより下がった!だから『ゴースト』は糞!『ドライブ』は神!」とまで言っていたのである。

『ドライブ』(2014~15年)
1Q:94|2Q:33|3Q:21|計:148億円
『ゴースト』(2015~16年)
1Q:75|2Q:36|3Q:33|計:144億円
※1Q=10~12月実績
※2Q=翌01~03月実績
※3Q=翌04~06月実績

 ところが、『ゴースト』は4Q(2016年09月)で逆転勝利した。『ドライブ』の熱狂的なファンからすると、売上で勝負すると「『ゴースト』に劣る」ことになるため、「作品の良し悪しと玩具売上は関係無い!」と言い張り、視聴率で勝負しようとするのである(そちらは『ゴースト』より優れているため)。

『ドライブ』(2014~15年)
1Q:94|2Q:33|3Q:21|4Q:25|計:173億円
『ゴースト』(2015~16年)
1Q:75|2Q:36|3Q:33|4Q:37|計:181億円
※4Q=翌07~09月実績

 人間は真実を知りたがるのではなく信じたい事を信じる生き物なのである。

 余談だが、2016年の「年間おもちゃランキング」では、トップテンに『変身ベルトDXゴーストドライバー』がランクインしている。

1位:『仮面ライダーエグゼイド』変身ベルト DXゲーマドライバー
2位:『魔法つかいプリキュア!』おしゃべり変身モフルン
3位:『仮面ライダーエグゼイド』DXゲーマドライバー&キメワザスロットホルダーセット
4位:『動物戦隊ジュウオウジャー』ジュウオウキューブ123 動物合体 DXジュウオウキング
5位:『動物戦隊ジュウオウジャー』変身携帯 DXジュウオウチェンジャー
6位:『ベイブレードバースト』B-62 デュアルサイクロンベイスタジアム DXセット
7位:『ベイブレードバースト』B-48 スターター ゼノエクスカリバー.M.I
8位:にほんご えいご ことばを育む アンパンマン おしゃべりいっぱい! NEWことばずかんDX
9位:『妖怪ウォッチ』DX妖怪ウォッチドリーム
10位:『仮面ライダーゴースト』変身ベルト DXゴーストドライバー

 実は、「2016年08月22~28日」の週間ランキングで、ゴーストドライバーが第3位に浮上するという珍事があったのだ。

1位:『ベイブレードバースト』B-48 スターター ゼノエクスカリバー.M.I
2位:『妖怪ウォッチ』DX妖怪ウォッチドリーム
3位:『仮面ライダーゴースト』変身ベルト DXゴーストドライバー
4位:『ベイブレード バースト』B-49 ランダムブースターVol.3 イェーガーユグドラシル.G.Y
5位:『動物戦隊ジュウオウジャー』ジュウオウキューブ789 動物合体 DXトウサイジュウオーセット

 『ゴースト』4Q(2016年07~09月)で発売されたDX玩具は『DXダークゴースト&ナポレオン&ダーウィンゴーストアイコンセット』(発売日:2016年08月06日、価格:2000円)のみである。これは予想だが、「ムゲン魂」(ムゲンゴーストアイコン)が子供の心を掴んだのかもしれない。

■蛇足2:『ゴースト』と『エグゼイド』

 『ゴースト』の批判点を幾つか挙げてみる。

(壱)主人公唯一神の宗教!
(弐)死んだ人間が生返る!
(参)不遇なフォーム在り!
(肆)ギャグキャラが過剰!
(伍)諸悪の根源が野放し!
(陸)ラスボス引張り過ぎ!
(漆)ご都合主義が過ぎる!
(捌)スタッフが言い分け!
(玖)派生作品にぶん投げ!
(拾)歴代最低平均視聴率!

 ん…?これって全部『エグゼイド』にも当てはまるんじゃね…?

 ところが、『エグゼイド』の熱狂的なファンからすると、「そんなことはない!」そうなのである。それでは、彼らを“儲”、聞き手(突っ込み)であるセバオーズを“私”と表現し、言い分を聞いてみよう。

(壱)主人公唯一神の宗教!

儲「タケルが新興宗教の教祖じみている!」
私「でも永夢もポッピーや貴利矢をリプログラミングしたり、パラドに体罰(敗者にふさわしいエンディングを見せてやる!)してたのでは?」
儲「リプログラミングは洗脳<解除>だし、パラドへのそれは<躾>だからセーフ!タケルは大天空寺のみんながマンセーしてるからアウト!」

(弐)死んだ人間が生返る!

儲「子供向け番組で死んだ人間が生返る描写をするなんて、スタッフの倫理観を疑う!」
私「でも黎斗も貴利矢も小姫(飛彩の恋人)も復活したのでは?」
儲「あくまでバグスターとしてだし、ゲーム病は“亡くなったように見える”病気なのでセーフ!タケルとカノン(マコトの妹)は“本当に”生返ったのでアウト!」

(参)不遇なフォーム在り!

儲「15の魂のうち、遠距離攻撃フォーム(エジソン、ロビン、ビリー・ザ・キッド、ベートーベン、リョウマ、ノブナガ、サンゾウ)が多過ぎだし、何より闘魂ブースト魂とグレイトフル魂が不遇!」
私「でもレベル1・3・4・5とMBXXには、後半滅多に変身しなくなったのでは?」
儲「低レベルゲーマーは“役目を終えただけ”だし、レベル1とMBXXは終盤活躍したからセーフ!タケルはムゲン魂によって『もう全部あいつ一人でいいんじゃないかな』状態になっちゃったのでアウト!」

(肆)ギャグキャラが過剰!

儲「御成のギャグが過剰!」
私「でも黎斗もそうでは?」
儲「黎斗は有能だからセーフ!御成は無能だからアウト!」

(伍)諸悪の根源が野放し!

儲「仙人が野放し!殺せ!」
私「でも黎斗もそうでは?」
儲「黎斗は有能だからセーフ!仙人は無能だからアウト!」

(陸)ラスボス引張り過ぎ!

儲「アデルで引張り過ぎ!」
私「でも正宗もそうでは?あと『ゴースト』はガンマイザー(新規造形)も出るし。」
儲「正宗は魅力的な悪役だからセーフ!アデル&ガンマイザーは無感情&無機質だからアウト!」

(漆)ご都合主義が過ぎる!

儲「タケルは4回(第12話、第33話、夏映画、第49話)も生返ってるし、ご都合主義が過ぎる!」
私「でも『エグゼイド』もそうでは?」

【第36話】新黎斗「ハイパームテキガシャットを開発したぞ!」
【第41話】新黎斗「セーブ機能を搭載したハイパームテキガシャットを開発したぞ!」
【第42話】新黎斗「ゲムデウスの抗体入りドクターマイティXXGCを開発したぞ!」
【第43話】黎斗神「ゲームエリアにアクセスするためのチートコードを開発したぞ!」

儲「『エグゼイド』は論理的だからセーフ!『ゴースト』は非論理的だからアウト!」

(捌)スタッフが言い分け!

儲「高橋一浩は言い分け(実は第1話でタケルは死んでいなかったんですよ、等)ばかりしてる!」
私「でも大森敬仁&高橋悠也も後夜祭イベントでシナリオのフォローをしてたのでは?」

(例1)天才ゲーマーMの人格はパラドのとは違い、融合中に遺伝子に染み込んだ人格。
(例2)永夢に冬映画のMBXXの記憶が無いのは久々のパラド入りのショックのため。
(例3)リセットで巻き戻ったのは、正宗が飛彩にタドルレガシーを渡したところまで。
(例4)ラヴリカのガシャットロフィーは正宗がゲーム外で渡したのでリセット対象外。

儲「高橋悠也は(きっと)先に考えていたからセーフ!高橋一浩は(きっと)後付けで考えたからアウト!」

(玖)派生作品にぶん投げ!

儲「眼魔の世界が今後どうなるか?がVシネマ『スペクター』にぶん投げ!」
私「でも『トゥルー・エンディング』(真の最終話は夏映画で!)もそうでは?あとさっきも言ったけど、諸悪の根源(黎斗)が野放しでは?」
儲「『アナザー・エンディング』でやるからセーフ!」
私「それって『スペクター』も同じでは?」
儲「そういえば!『鎧武』も『ドライブ』もVシネマを2本やったけど『ゴースト』は1本しかやらなかった!対し、『エグゼイド』は3本もやる!だから『ゴースト』は!『エグゼイド』は!」

(拾)歴代最低平均視聴率!

儲「『ゴースト』は歴代最低平均視聴率を更新した!(4.96%)」
私「でも『エグゼイド』も更に1%も下げたのでは?(3.94%)」
儲「作品の良し悪しと視聴率は関係無い!」

 何故『エグゼイド』を擁護する熱狂的なファンは多く、『ゴースト』の「それ」は少ないのかというと、『エグゼイド』は平成『仮面ライダー』っぽいからで、『ゴースト』は『スーパー戦隊』っぽいからなのである。

 ところで、『エグゼイド』の熱狂的なファンからすると、視聴率で勝負すると「『ゴースト』に劣る」ことになるため、「作品の良し悪しと視聴率は関係無い!」と言い張り、玩具の売上で勝負しようとするのである(そちらは『ゴースト』より優れているため)。

 人間は真実を知りたがるのではなく信じたい事を信じる生き物なのである。

■追記(2017/11/25)

 冒頭に書いた通り、小説版『ゴースト』では眼魔の世界<創世>の歴史が書かれているのだが、「テレビ本編で描け!」という批判も出るだろうな、とは思う。すなわち、「説明不足」という批判だ。だが、私はそれをしない。何故ならば、高橋一浩は、眼魔の世界の設定を「意図的に描かなかった」からだ。

高橋 (中略)弥生時代モノリスを信仰してた人々が迫害を受けて、モノリスを通って眼魔世界に渡っていった。そして、そのモノリスが現在どこにいったのかというと、大天空寺の地下にあるんだと。一応、そんなことを考えていて、特に裏設定ということにしてるつもりもないんですけど、同じ世界の人間でしたとは明言してないので、ほとんどの人がわからなかったと思います。まぁ、きちんとそこを描こうと思ったら、ライダーの出てこないエピソードができちゃうので(笑)。要するに彼らが軍服を着る前、眼魔になる前は普通の人間だったのねと。お母さんのアリシアが死んでしまったから、彼らは人の死なない世界を望んだのねと。そこさえわかっていただければ全然いいんじゃないかというふうに思ってます。たぶん、どんな作品も背景は細かく設定されていて、そこの見せ方はそれぞれですから。
(高橋一浩『仮面ライダーゴースト公式完全読本』より)

 何故「そう」したのか?それは『仮面ライダー』は基本は小さい子が見るもので、そこ(設定)を説明しても「ツマラナイ」からである。これは、『ヒーロー、ヒロインはこうして生まれる アニメ・特撮脚本術』で小林靖子が言っていることでもある。

※関連記事です。

sebaooo-tatoba-combo.hatenablog.jp

 そういえば、設定(の説明)に凝りすぎて、子供を離れさせた『仮面ライダー』があったなぁ…!

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 何故『鎧武』を擁護する熱狂的なファンは多く、『ゴースト』の「それ」は少ないのかというと、『鎧武』は平成『仮面ライダー』っぽいからで、『ゴースト』は『スーパー戦隊』っぽいからなのである。

[了]

※はじめましての方はこちらをご一読ください。

sebaooo-tatoba-combo.hatenablog.jp