千倍王鷹虎蝗合成獣

平成仮面ライダーの感想・考察サイト。衒学的で悪し様で居丈高な語り口のブログにようこそ。

『キバ』第03・04話感想

仮面ライダーキバ』の感想です。以下、ネタバレ注意。

[2008年02月10日]第03話「英雄・パーフェクトハンター」
[2008年02月17日]第04話「夢想・ワイルドブルー」
(脚本:井上敏樹、監督:石田秀範)

【前回】『キバ』第01・02話感想 - 千倍王鷹虎蝗合成獣
【次回】『キバ』第05・06話感想 - 千倍王鷹虎蝗合成獣

■まったく、名護さんは最高だぜ!!

名護さん「これ(ボタン)は記念です。私があなたを捕まえる記念…。」
賞金首 「貴様、バウンティハンター!賞金稼ぎか!」
名護さん「そういう呼び方は好きじゃない。正義の味方と呼びなさい。」
(第03話「英雄・パーフェクトハンター」より)

名護さん「生まれ変わりなさい。きちんと罪を償えば、あなたにもまだチャンスはあります。どんな人間にも、無限の可能性があるんです。」
(第03話「英雄・パーフェクトハンター」より)

名護さん「生まれ変わりなさい。新しい人生を歩みなさい。」
(第04話「夢想・ワイルドブルー」より)

f:id:sebaOOO:20171001011414j:plain

 セカンドパイロット版が、名護さん初登場回である。早い!名護さんがイクサに初変身するのが第09・10話なので、「初登場回=初変身回」なことが多い2号ライダーの中では、珍しい部類に入る(他は、加賀美新(カブト)、海東大樹(ディケイド)、後藤慎太郎(OOO)、駆紋戒斗(鎧武)くらい?)。「どんな人間にも、無限の可能性があるんです。」とか天空寺タケル(ゴースト)みたいなこと言ってるな…!

 内容は、父親(音也)のことを「心清く、誠実で真面目で、曲がったことが大嫌いな純粋な人…」と母親(真夜)から聞かされてきた渡が、「その幻想をぶち殺す!!」と、とある女性弁護士に「紅音也被害者の会」の存在を突きつけられ、音也を怨(恨)む人に謝罪したり、名護さんを理想の男性像に据えたりする話である。私は、石田秀範の(過剰な)コミカル演出が苦手なのだが、巨匠は最近ニチアサ(ゴースト&エグゼイド)を撮っていないので、なんか懐かしい気持ちでいっぱいでした。見れないとそれはそれで寂しい…!人間って天邪鬼。

■キバのフォームは「ハーフ&ハーフ」

虚淵 脚本上では、「ここでバトってください」くらいしか書きませんし。
井上 激闘が始まる。やがて必殺技が炸裂。…… "やがて" って何やねん(笑)。
井上敏樹虚淵玄『ヒーロー、ヒロインはこうして生まれる アニメ・特撮脚本術』より)

 敏鬼は販促に全く興味が無い。故に、戦闘シーンは全て現場が考えるのだ。

f:id:sebaOOO:20171001011552j:plain

 さて、セカンドパイロット版は、「ガルルフォーム」お披露目回でもある。これまた早い!別に早くても良いのだが……『キバ』の悪しき点は、各フォームが「誰」の力で戦っているのか?が非常に曖昧な所だ。キバフォームはまだ「体の中でファンガイアの血が動き出した渡」として見れるけど、問題はやはりガルル・バッシャー・ドッガの3フォームで、彼らが憑依した状態なのか、ただ単に力が宿っているだけなのかが、判り難いのだ。それもそのはずで、変身後の渡を演じる高岩成二も、監督の石田秀範も、アクション監督の竹田道弘も、解かっていないからだ。当然、敏鬼の脚本にも書かれていないことは、言うまでもないだろう。

 瀬戸くんとも話し合ったんですが、渡がキバに変身しても、人格は渡のまま。これはいいんです。問題は、ガルルフォームやバッシャーフォーム、ドッガフォーム。このフォームチェンジをするときに、渡自身はどうなっているのだろうとね。もしかしたら、憑依されてるのかな、なんて思ったんですが、監督に尋ねたら、いやこれは渡なんだと。でも、ガルルフォームになるとキバがオオカミっぽくなりますよね。結局、アクション監督からは「ハーフ&ハーフで」って言われました(笑)。(中略)最近では割り切って、強引に渡の中に力やラモンを入れるっていうか、ハーフ&ハーフにしているつもりです(笑)。
高岩成二『ファンタスティックコレクション 仮面ライダーキバ Fang01』より)

 だが、ここで石田秀範&竹田道弘を責めるのは時期尚早である。

■船頭よ、先導せよ!

 以下、『キバ』放送中の高岩成二のインタビュー。

――フォームチェンジした姿のときは人間態の動き、つまり次狼やラモン、力の特徴も取り入れているんでしょうか。
高岩 僕はガルルもやっているんですけど、次狼からガルルに変身するときは、多少なりとも松田くんと相談して彼の動きを取り入れてます。ただフォームチェンジのほうは……。これは彼らが憑依した状態なのか、それともただ単に力が宿っているだけなのかがハッキリしないんですよ。実は毎回プロデューサーに確認してるんですけど(笑)。
高岩成二仮面ライダーキバキャラクターヴィジュアルガイド1(Prelude)』より)

 以下、『キバ』放送後の高岩成二のインタビュー。

――今回のキバ役は高岩さん的にいかがでしたか?
高岩 個人的に思うのは、キバをちょっと紅渡に近づけきれなかったんじゃないかと。キバでお芝居部分が基本的になかったんですよね。変身したら戦いに入って、お芝居は変身解除して(瀬戸)康史がやる。戦ってるのが普段の大人しい渡なのか、体の中でファンガイアの血が動き出した渡なのか。どうしようと思ってそこをプロデューサーに聞いたら「ハーフ&ハーフで」って言われて「えー!」って(一同笑)。康史とも「変身したら渡ってどうなると思う?」って話をしたんですけど、考えたら最初の頃はまだファンガイアかどうかも明かされてないし、その状態のまま夏の劇場版辺りまでいっちゃったんですよ。さらに映画で飛翔態……鳥になっちゃいましたからね。「えらいことになってるな」と思って(一同笑)。それで後半になって、渡がファンガイアだとわかってからも、とりあえず渡でいこう、と。これは今までにないパターンだった。そういう意味では、ちょっと戸惑うことが多かったですね、今年1年は。
高岩成二仮面ライダーキバ 公式読本 KIVA LUNATIC ARCHIVES』より)

 武部直美ィィィ!ちゃんと仕事しろォォォ!

 以上、『キバ』セカンドパイロット版(第03・04話)感想でした。え、初っ端から批判が多過ぎですって?「だが私は謝らない。」

■オマケ:カットシーンについて

 よく「『キバ』はカットシーンが多いから、それも込み込みで見て評価して!」という人がいるけれど、テレビ番組とは「放送されたもの」が完成品なのであり、カットシーンを見ないと評価できない(全容を把握できない)という時点で、その作品は問題有りなのである。だがしかし、それにつけても『キバ』はカットシーンが多いので、『キバ』感想記事ではその回のカットシーンをピックアップしていこうと思う。

(その1)音也と被害者

被害者「俺は有頂天だった。だが、俺は遊びを知らなかった。そんな時奴と、紅音也と、出会ったんだ。」
(回・想・開・始)
音也「今夜も♪俺はイケ…気分がいい♪よう社長!相変わらず貧相な顔してんな!待たせたな?」
社長「いえいえいえ、待……」
音也「待ってない!そうだ待ってない!みんなグラスを持ってくれ!」
ホステス「は~い!」
音也「早く、みんなの分だ、みんなの分、全員持ったか?」
ホステス「は~い!」
音也「よ~し!…俺がこの世に存在することに、乾杯。」
ホステス「かんぱ~い!」
音也「あ~っ…美味い!…何?羨ましい?安心しろ、遊び方なら、俺が教えてやる。」
社長「あは…よろしくお願いします~!」
音也「よし、まずはザギンのクラブをぜ~んぶ買い占めろ!いや、ザギンだけではない、ギロッポンもだ!」
ホステス「ワァ~オ!」
音也「従業員は、全員世界各国ミスワールド出場者。要は、ボンキュッボンなわけだ!ボンキュッボンだ!ボンキュッボン!」
(一同笑。)
音也「よし、店の名前も決めよう。ズバリ…『音也の店』。」
ホステス「すご~い!」
音也「その名の通り、俺一人の会員制クラブとする。」
社長「あの…私…!」
音也「ああ、たま~に、来るがいい。」
ホステス「社長さん可愛い~!」
(回・想・終・了)
被害者「勿論、あっという間に店は潰れ、俺は破産。文字通り、バブルの夢は、泡と消えた。」
(第03話「英雄・パーフェクトハンター」未使用映像)

f:id:sebaOOO:20171001012053j:plain

 正確に言うと、「回・想・開・始」~「回・想・終・了」の部分が、ブツッ、ブツッ、ブツッ、と断片的に流された(フルで流れなかった)だけなので、「未使用映像」ではない。これ、何処まで敏鬼の脚本に書かれていたんだろう?音也役の武田航平くんは『キバ』ではアドリブを入れまくったそうで、巨匠からは「いらんことしィ」と呼ばれていたそうだけど、演技で存在感を出そう、出そう!とする姿勢は素晴らしいと思う。

武田 最近、石田(秀範)監督が、「それはいらないぞ武田」って言うんです。
松田 ゆーてたで。あの "いらんことしィ" が、普通だったらブッ飛ばしてるけど、いいヤツだからなあって。
武田 嬉しいっスねー(喜)。
武田航平松田賢二仮面ライダーキバキャラクターヴィジュアルガイド1(Prelude)』より)

(その2)名護さんと詐欺師

被害者「コンサート当日、奴(音也)は会場に現れなかった。そのせいでワシは信用を失い、結局は全てを失った。…詐欺師になるしかなかったんだ!」
渡「すみません!本当にすみません!すみません、すみません、すみません…!」
名護さん「紅君、頭を上げなさい。君が謝る必要はない。」
(被害者(詐欺師)にハンカチを渡す名護さん。)
名護さん「自分の罪を人のせいにする、そういう弱さを克服しなさい。」
被害者「…はい!(ハンカチで涙を拭きながら)ありがとうございます…!」
(第04話「夢想・ワイルドブルー」未使用映像)

f:id:sebaOOO:20171001012207j:plain

 名護さんの「紅君、頭を上げなさい。」以降がカットされたシーン。テレビ本編では、渡が土下座して「すみません、すみません…!」と頭を地面に打ち付けながら謝罪する、で次の場面に移っている。名護さんの慇懃無礼さは再三再四描かれることになるので、有っても無くても良かったとは思うが、……勿体無いよね(笑)。

[了]

※はじめましての方はこちらをご一読ください。

sebaooo-tatoba-combo.hatenablog.jp