千倍王鷹虎蝗合成獣

平成仮面ライダーの感想・考察サイト。衒学的で悪し様で居丈高な語り口のブログにようこそ。

声(鎧武やドライブを生んだのは)

【警告】これより先は読んではいけない。

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 『鎧武』虚淵玄)または『ドライブ』(三条陸の批判は見たくないという人は読んではいけない。

 なぜ『鎧武』『ドライブ』は生まれたのか?というハナシです。

■「心の叫びを、聞け!」

 本当にどうしてここまで不幸な組み合わせが実現してしまえたのか。悪いのは、自分は別に色々仕事あるから代わりに紹介しちゃった人とか、よく言われてるようなキバットとかじゃないですよ。タイトルも口にしたくないので言いませんが、あの、あれを褒めてこの素人野郎を持ち上げた人間全員、でもないですよ。悪いのは。こういうこと、本当にカッコ悪いから言いたくないけど、俺は本気で思ってるんで言いますけど、ミカるんXという俺の作品が商業的に成功できなかったことが悪いんですよ。今俺を苦しめてる原因はいつもどおり自分の無力さですよ。単に変身ヒーローとか魔法少女(そんなジャンル名ないんですよ?本当は)とか怪獣とかSFが好きでやってただけじゃない、同じような素材をああいう風に扱って純真な消費者相手にジャンル詐欺を仕掛けてドヤ顔する、ああいう奴らにデカい面させないために描いていたはずなんですよ。なのに。くそ。結局、特撮というすごく好きなものを、守れなかったわけですよ、俺の中では。この一年、こんなもんを戦隊とプリキュアの間の30分間流されてしまうということは。でもお前らはあの時ほぼ全員あっちを選んで、結果今こうなってんだからな、もうどうにでもなーれ、という、巨大な嫉妬と投げやりな怒りはありますよ。本当に普通すぎてカッコ悪いから言わないできたけど、お察しのとおり、もちろんあるんです。そういうものですよ、普通。だから俺、会う人ごとに言ってるんです。かめんらいだーがいむは面白いから毎週見なきゃ駄目ですよ(あなたの家のTVに視聴率測る機械が付いてるなら別ですが)って。ちゃんと苦しめ俺と一緒に、という話ですよ。
高遠るい『これは…ドス黒い全裸のパワーを感じるですわ!』より)

 高遠るい(たかとおるい)。漫画家。代表作は『ミカるんX』。

 『仮面ライダー鎧武/ガイム』(第37話まで視聴)の第19話以降ですが、「ヘルヘイムの森」の秘密が明らかになるあたりから、かなりおもしろく観ています。謎の深まりやキャラクター個人の内面も丁寧に描かれ、ずっと追いかけてきて本当によかったと思えます。ただ、もともとの目標にあった平成ライダーの初期の雰囲気に戻すというコンセプトは達成しているものの、「ここは『555(ファイズ)』「ここは『剣(ブレイド)』」と、オマージュの仕方がストレートなので、デザイン処理など脚本以外の部分でもうひと捻りほしかったという不満はあります。「オーバーロード」の言語の響きとか『クウガ』のグロンギっぽ過ぎるじゃないですか。当時のファンへのサービスだとしたら、少しサービス過多に感じます。
 『鎧武/ガイム』の新しい部分はどこだろう?と探したときに、枝葉が邪魔してそれをぱっと見いだせないんです。今までの集大成という意味では、とてもレベルの高い作品だと思いますが、それとは別に突き抜けた感じがほしいですね。虚淵作品には必ずそういう新機軸が入ってるので、『鎧武/ガイム』でもラストまでには平成ライダー初期にはない新しい何かを見せてくれるはずだと期待しています。
武富健治仮面ライダーEX vol.2』より)

 武富健治(たけとみけんじ)。漫画家。代表作は『鈴木先生』。

 高遠るいの「心の叫び」は兎も角、武富健治の『鎧武』批評は、自分も完全同意である。それはさておき、

 自分はアニメに疎い。虚淵玄が(脚本を)全話執筆した『魔法少女まどか☆マギカ』(以下、『まどマギ』)も、リアルタイム(2011年)では見ていない(見たのは『鎧武』視聴後)。だが、友人のキタオカ君はアニオ…アニメ好きのため、「『まどマギ』は凄いんだよ!」という話は聞いていた。

セバオーズ「『まどマギ』は何が凄いん?」
キタオカ君「第3話で主人公の先輩魔法少女が殺されるんだよ!」
セバオーズ「…?もう一回言ってくれる?」
キタオカ君「第3話で主人公の先輩魔法少女が殺されるんだよ!」

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 冷静になって考えてほしい。女子中学生が死んだ「だけ」である。

 ところが、それ(マミる)がコトノホカ受け、『まどマギ』は(深夜アニメとしては)大ヒット。劇場版([前編/後編/新編])も制作され、それが武部直美の目に留まり、虚淵玄は「平成仮面ライダー」のメインライターに抜擢されることになった。

――まずは今回、虚淵さんがメインライターを手掛けることになった経緯からお聞かせいただければと思います。
武部 具体的に動き出したのは今年からですね。「そろそろ脚本家を決めないといけないな」という時期に差し掛かっていて。ちょうど『特命戦隊ゴーバスターズ』のクライマックスをやっていた頃です。それで、その少し前に『魔法少女まどか☆マギカ』の映画を遅ればせながら観てみたところ、「昔の平成ライダーはこうだったな」と思わせるスピリッツを感じて、それで、田崎(竜太)監督や特撮監督の佛田(洋)さんに「面白いから観てみて」なんて話をしてたんですよ。(中略)靖子さんから「虚淵さんは平成ライダーに関心があると思いますよ」と聞いて「そっかぁ」と、なんとなく感触があったので、まずはどこか人脈を通じてお目にかかりたいなと。それが最初ですね。
(武部直美『東映ヒーローMAX Vol.47』より)

 即ち、『鎧武』を生んだのは、『まどマギ』を褒めて虚淵玄を持ち上げた、アニメファンの<声>なのだ。

■「このまま三条さんを、」

 三条陸は(一部の)熱狂的なファンに「多々買いの神」と崇められている。販促が上手く、氏が脚本を書けば(メインでもサブでも)大ヒット間違い無し!だからだという。このブログの副管理人(リ:バース)がこんな記事を書いているのでよろしければどうぞ。

sebaooo-tatoba-combo.hatenablog.jp

 では、『W』や『フォーゼ』、『キョウリュウ』を褒めて三条陸を持ち上げた、特撮ファンの<声>を聞いて制作された『ドライブ』はどうなったのか?

 その結果は、以下の記事を参照されたし。

sebaooo-tatoba-combo.hatenablog.jp

sebaooo-tatoba-combo.hatenablog.jp

sebaooo-tatoba-combo.hatenablog.jp

 というか、三条陸だってにんげんだもの(だもの~!)。使えば(用いれば)100%成功する!と盲信した、大森敬仁が一番悪いのだ。

三条 (中略)実際、自分がシナリオや漫画原作みたいな仕事をやらせてもらってきて、うまくいくもいかないも半々ぐらいなんです。(中略)『ドライブ』ももう少し出力が出るはずなんだけどなぁとは思いつつ、ここをこう変えるとちょっとは早くなるかな、みたいな試行錯誤を繰り返してました。最初の話数から剛編くらいまでの間でも少しずつリカバリーしてたんですが、「あっ、これかな?」という手応えが十何話までにあれば後半は絶対に盛り上がるんですよ。まぁ、ダメなときは、本当に鉛のように動かないんですけどね。
三条陸『「仮面ライダー」超解析 平成ライダー新世紀!』より)

 「このまま三条さんを、都合の良い(多々買いの)神様にしちゃいけない!」(by泉信吾)

■蛇足:(悪)夢の競演

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 冬映画『ドライブ&鎧武MOVIE大戦フルスロットル』の興行収入は「5.8億円」である。

 『鎧武&ウィザード天下分け目の戦国MOVIE大合戦』のそれが「10.1億円」なので急激に下がったことになる。え~っ!?『フルスロットル』、そんなに悪くない(むしろ良い)と思ったんだがな~?恐(怖)るべし『妖怪ウォッチ』…!この結果を受け、大森敬仁は『ドライブ』で「シリーズ新展開」に踏み切ることになるが、これ以上書くと蛇に四本足が付くどころか翼が生えて空を飛んでしまうことになるため割愛!

※関連記事です。

sebaooo-tatoba-combo.hatenablog.jp

[了]

※はじめましての方はこちらをご一読ください。

sebaooo-tatoba-combo.hatenablog.jp