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『エグゼイド』感想:第44話「最期のsmile」(R)

仮面ライダーエグゼイド』の感想です。以下、ネタバレ注意。

第44話「最期のsmile」(脚本:高橋悠也、監督:中澤祥次郎)

※第44話の感想記事は2つ書きます。こちらは【サイドR】。理由は、『エグゼイド』が第45話で終わってしまうからだ、バカヤローッ!(←謎の逆ギレ)

【サイドL】『エグゼイド』感想:第44話「最期のsmile」(L) - 千倍王鷹虎蝗合成獣

■「最近の若い脚本家は~」

井上 そう言えば、最近の若い脚本家の傾向としてよく聞くのは、あれだよ。何か強烈な個性を出すというより、ホン読みの場でみんなの意見をまとめて作ってるやつが多いってこと。今って、どの番組も無個性に流れていく傾向があるじゃない。毒にも薬にもならないようなさ。で、またそういうやつが人気あるんだよ。
虚淵 なぜですか?
井上 会議に出てる他のやつにしてみれば、自分の出した意見が確実に脚本に反映されるからね。
井上敏樹虚淵玄『ヒーロー、ヒロインはこうして生まれる アニメ・特撮脚本術』より)

靖子 若い脚本家さんってどんな感じですか?
雄次 真面目ですよ。勉強させてもらいます的な雰囲気の人が多いと思います。昔に比べて番組を作るのに制約が多くなってきてるせいもあるかもしれないですけど。プロデューサーや監督に合わせて書ける人じゃないと、仕事がしにくくはなってるのかなと。玩具の登場に合わせるとか、このネタで絶対書いてという要請に応えるとか、3日後までに書いてとか、明日来てくれとか。そういうのに対応できて、体力があって、柔軟じゃないと。逆に俺様系というか、作風も本人のキャラクターもすごい個性を打ち出して書かれてる方って、減っていると思います。井上敏樹さんは、かなり特殊だと思いますけど(笑)。
小林靖子小林雄次『ヒーロー、ヒロインはこうして生まれる アニメ・特撮脚本術』より)

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 敏鬼は特殊過ぎる…!

 『エグゼイド』のメインライター、高橋悠也は若い。井上敏樹小林靖子と比べると、一回り(十二歳)以上年が離れている(とは言いつつ、小林雄次よりは年上だけど…!)。参考までに、本稿に登場する脚本家の生年月日を列記してみる。

中島かずき:1959年08月19日生誕。
井上 敏樹:1959年11月28日生誕。
三条 陸 :1964年10月03日生誕。
小林 靖子:1965年04月07日生誕。
虚淵 玄 :1972年12月20日生誕。
高橋 悠也:1978年02月01日生誕。
小林 雄次:1979年09月03日生誕。

 『エグゼイド』前半は、あまり高橋悠也の特色が見えなかったため、氏は「最近の若い脚本家」タイプなのかと、思っていたら…?

■寧ろ、自ら率先して、

――今回のスタッフ編成はどのような経緯で選ばれたのでしょう?
 脚本の高橋悠也さんは『ドライブ』の『シークレット・ミッション type TOKUJO』を書いていただいた方です。その時はアニメと実写の両方を書かれていた経験と、僕と年齢や好みの作風が近いことから声をかけさせていただきました。共通の言語でお話ができる上に臨機応変に対応してくれる方だったので、機会があれば本格的に脚本をお願いしたいと思っていたんですよ。(中略)まず最初に「何を一番書きたいですか?」と伺ったら、なるべく玩具で出来るギミックを自然に取り入れたドラマ作りをしたいと仰ってくれたんですよ。それを聞いて「そんな脚本家が三条陸さん以外にもいたのか!?」と驚いてしまいまして(笑)。ですから台本もアイテムを活かした内容で書いてくださるので、直しをお願いする部分はほとんどありません。『キョウリュウジャー』と『ドライブ』では「三条さんのおかげで楽しやがって!」と言われましたが、今回もまた楽をさせていただいています(笑)。
(大森敬仁『宇宙船 vol.154』より)

 嬉々としてやっていたの!?

 「ホン読みの場でみんなの意見をまとめて作る」「プロデューサーや監督に合わせて書く」ということを!?毛利亘宏&長谷川圭一「自分はサブライター気質」発言にも驚いたけど、世の中には色々なタイプの人間がいるのだなぁ…!みんながみんな「俺様系」というわけではないのね~(そりゃそうか)。

■シノグ(イナス)チカラ

――今回、ライター陣全員が最後までスケジュールを守ったらしいですね。
中島 そう!それに気付いてから、もう絶対に遅れられないと改めて思いました(笑)。そういえば三条(陸)さんが、とある取材で平成ライダーのメインライターは、しのぐ才能が必要だ。僕はすごいパワーを持ってます、こんな必殺技を持ってますって人だと、2、3回戦ったところで負けちゃうみたいなことをおっしゃってて。
――次々と来る要望をいなす能力がないと厳しいってヤツですね。
中島 実に上手いこと言うなぁって。
中島かずき仮面ライダーフォーゼ公式読本 FOURZE GRADUATION』より)

 だがしかし、『エグゼイド』後半、高橋悠也は明らかにしのぎ(いなし)切れなくなっていた。

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 理由は明々白々で、<匣>が無くなってしまったから。高橋悠也が言う所のブラックボックスは、第31話くらいまででほとんど開けて(埋めて)しまったため、空箱の無い状態で設定を付与していっても、それはただの<後付け>にしかならないのだ。酷い時には、開けた箱を「無かった」ことにして新しい箱を用意する始末。もっとも、しのぎ(いなし)切れない要望を出す方(テレビ朝日東映バンダイ)も悪いんだがね。数字を取らないといけないから、形振り構っていられないのは解かるけど。

■それでも全話執筆は、

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 素直に凄いと思う(平成二期では初)。冬映画(平成ジェネレーションズ)も夏映画(トゥルーエンディング)も書いてるわけだし。中島かずき三条陸虚淵玄鋼屋ジンの協力があってようやく、って感じだったからな…!第44話は超!久々に「レベル1」に変身したし(藤田慧へのお詫び、という側面が一番強いんだろうけど)、『MBXX』も終盤(第40・41話)に活躍した。「なるべく玩具で出来るギミックを自然に取り入れたドラマ作りをしたい」というのは出来ていたと思う。後半は<不自然>さが目立ったけどな!

■第44話の突っ込み所

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 第42話で正宗は「人としての命を終えた(バグスターになった)」のよね?レベル1は「ゲーム病患者(人間)からバグスター(怪人)を切除できる」という設定だけど、「バグスター(正宗)からバグスター(ゲムデウス)を分離する」ことも可能なのか…?というか、何故、ウイルス切除がレベル1だけの能力なのか?の理由付けは最後までなされませんでしたね…!あ、これらの疑問に対する「私は~と解釈しています」というコメントは要らないです(笑)。一つ言えるのは、何故、正宗が怪人化したのかというと、「怪人化した人間は(ゾンビみたいなものなので)殺しても良い」という(謎の)ルールがテレ朝にはあるからです。

[了]

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