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『エグゼイド』感想:第35話「Partnerを救出せよ!」

仮面ライダーエグゼイド』の感想です。以下、ネタバレ注意。

第35話「Partnerを救出せよ!」(脚本:高橋悠也、監督:山口恭平)

【前回】『エグゼイド』第31・32・33・34話感想 - 千倍王鷹虎蝗合成獣
【次回】『エグゼイド』感想:第36話「完全無敵のGAMER!」 - 千倍王鷹虎蝗合成獣

 「人類とバグスターが命がけの戦いを繰り広げるゲーム、『仮面ライダークロニクル』。プレーヤーは、ゲーム病を発症し、ゲームオーバーになった者は消滅する、危険なゲームが、街にはびこっていた。これは、かつてないウイルスから患者の命を守るために奔走する、ドクターたちの物語である。」

 なんか急にナレーションが付いたね…!第35話の感想は第36話(最強フォーム回)とセットで記事に書くつもりだったけど、『エグゼイド』の中で一番、頭上に疑問符が浮かぶ回だったので単発でUPすることにする。

クソゲーオブザイヤー2017

正宗「足りない…。もっとプレーヤーを増やさなければ…。」
飛彩「そんなことをして、どうするつもりだ?」
正宗「より多くの人間の命を掌握する。医療が人の命を支える時代は過去のものとなり、ゲームによって命が管理される。命の管理者である私こそが、世界のルールになる。そのためにも仮面ライダーの医療行為を阻止しなければならない。君も私の期待に応えられなければ、消滅した恋人の意識を、取り戻すことはできないぞ。」
(中略)
正宗 「消滅者の命がかかっている限り、衛生省は『仮面ライダークロニクル』を取り締まることはできない。むしろ消滅者の命が救えるかどうかは、我々の運営にかかっている。社員一丸となって、消滅者の命を取り戻そうじゃないか!
貴利矢「プレーヤーの命もバグスターの命も、しっかり管理されてる。幻夢の社長さんが運営してる限り、人類は安泰だ。
(第35話「Partnerを救出せよ!」より)

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 いつからそんな話になったんだ…?(今回からか!)

 そもそもなんだけど、シリーズ急展開(第25話)以降に発売された『仮面ライダークロニクル』、第35話の幻夢コーポレーションの会議室のホワイトボードにも「販売計画数一億本達成に向けて」だの「海外展開→欧米・アジアを中心にゆくゆくは全世界へ」だの書かれてるけど、絶対に流行らないよねコレ…!何故ならば、コンピュータゲームの売りは「人生と違う」ことなのに、『クロニクル』は「そう」ではないからだ。人生とは異なる、とはどういうことかというと、

(1)何度でもやり直しがきく
(2)準備も時間もかからない
(3)(目と脳以外)疲れない
(4)傷付かないし、死なない

ということである。例えば、野球ゲーム(例:パワプロ)やゴルフゲーム(例:みんゴル)を見てみよう。野球やゴルフを実際に(体を動かして)プレーするのは大変だ。ボールだけでなく、バット&グローブ、クラブ(一本だけでなく、何本も!)が要るし、野球場やゴルフ場に足を運ばねばならない。特に、野球はチームスポーツ。ゴルフは一人でも(「みんなで」でなくとも)できるけど、自軍だけでなく、相手も集めねばならない。9回裏までやり切るのも、18ホール回るのも時間がかかるし、何より、全身が疲れる!流石に、野球やゴルフで死ぬことは滅多に無いけど、怪我するリスクは常にある。それらを全て「無くしている」のがコンピュータゲームなのだ。負けそうになったらリセットできるし、負けてもコンティニューできるしね(笑)この、良く言えば「手軽に」、悪く言えば「痛みを感じずに」プレーできる(できてしまう)のが『エグゼイド』の題材、ゲームの特徴であり、それ故に、「コンティニュー不可能」「プレー時間は膨大」「体を動かす(疲れる)」「ゲーム病にもかかるし、最悪死ぬ」ような『クロニクル』が流行るはずがないのである。

 まぁ、そんなことを言い出すと文字通り話が始まらないので、「そういう世界観なんだ」ということにしておこう…!それにしても、「消滅した身内を復活させるためには『クロニクル』をクリアするしかない!」とせっせとプレーする人間の多いこと多いこと…!そこは警察や役所に駆け込むものなんじゃあないの?普通は。アメリカでこんな事態になったら、訴訟の嵐になると思うんだけど(笑)幻夢の社員もフツーに正宗に賛同してるし…。反対していた(第27話の)社員はクビになってしまったんだねきっと…!

幻夢社員人の命がかかったゲームとかどうかしてます!社長、うちの会社を潰す気ですか?
天ヶ崎恋「心配せずとも、誰もこの会社は潰せませんよ。消滅した人間の、命がかかっている限りはね。」
(第27話「勝者に捧ぐlove&peace!」より)

■選別!トリアージ(triage)

黎斗「患者を救いたい…。ドクターとして当然だ。しかし、私も飛彩くんと同意見だ。犯罪者を救う前に、私たちには、果たすべき使命がある。」
永夢助けなくていい患者なんて、いるんでしょうか?どんなに悪い人でも、命は命です!苦しんでる患者がいるのに、放っておくなんて、僕には…。
黎斗「君は水晶のようだな。患者の心を、自分自身の中に映し出し、優しく輝きを放つ。しかし、そんな君が心配でならない。すべての患者が善人とは限らない。もし、悪意を持つ患者によって、君の思いが踏みにじられてしまったら…。水晶の輝きが失われ、跡形もなく、砕け散る危険がある。」
永夢「たとえそうだとしても、患者を救えずに、後悔するよりはマシです!」
(第05話「全員集結、激突Crash!」より)

 永夢の医者としてのスタンスは「命は平等」である。実際は、ありとあらゆるジャッジがくだされて、患者の治療には優先順が付けられるんだけど、まぁ、第05話の飛彩&黎斗の意見(ゲーム病だろうと盗っ人なんだからガシャットの回収が優先だ!)は自分も暴論だと思うんで、このケースに関しては永夢に同意である(結局、犯人はグラファイトで、このテーマは有耶無耶になっちゃんだけど…!)。ところが、この信条は「(人間の)命は平等」であり、バグスターとなると話は変わってくるのである。

パラド「永夢、俺と一緒に戦え。レーザーにウイルス抑制の力がある限り、俺たちはクロノスを攻略できない。だからお前が、レーザーを消すんだよ。そしたら俺たちがクロノスを消してやる。あいつは俺たちバグスターの命を踏みにじる、むかつく野郎だからな。」
永夢 「お前が言うな。お前だって、人の命を踏みにじってきただろ!
PP 「仲間のラヴリカが殺されて、パラドも思い知ったでしょ?命を失うことの意味を。あなたがプレーヤーの人たちを消滅させてきたことの重大さを。」
パラド「黙れ。お前だって、人の命を奪って生まれた存在だろ。
PP 「だからこそ、私は決めたの。人の命を、人の笑顔を取り戻すために永夢と一緒に戦うって。」
永夢 「お前と一緒に戦う気はない。貴利矢さんのことは…あの人の笑顔は、僕が取り戻す。」
(第35話「Partnerを救出せよ!」より)

永夢「バグスターは根絶する。ただし、仲間(ポッピーピポパポ)や元人間(黎斗や貴利矢)は例外である。」

 これは、ある意味解かり易い。怪人を倒す/倒さないの線引きは「仲間か否か」だったのね~!はっはっは…。…『ドライブ』の「(色々あったけど)ロイミュードは全て撲滅する!」とどっちがマシなんだろうなコレ…?というか、永夢が天才ゲーマーとしてゲーム医療で戦ってこれたのはパラドの御蔭でもあるのに、それに対する感謝の気持ち(畏敬の念)みたいなものは全然無いのね…!あと、パラド曰く「俺とお前の心は一つ」なのであれば、永夢が「今までも戦ってきたし、これからも一緒に戦ってくれ!」と願えば(望めば)、パラドも同化(感化)されるだろうに、そういうことも一切しないのね…!そこが今一なんだよな、「永夢&M」関連は。

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■「プログラムの仕業だ!」

ニコ「仮面ライダーレーザーターボ?レーザーって、リプログラミングのデータを残してた監察医のことだよね?」
大我「ああ。ゲンムに消された男だ。」
PP「でも、爆走バイクは永夢が持っているのに。なんで…。」
正宗「檀正宗は、消滅者のデータを保存したプロトガシャットを管理している。つまり、レーザーターボの正体は、九条貴利矢の…。」
永夢ありえません!貴利矢さんは、バグスターウイルスの根絶を目指していたドクターです。人の命を操ろうとする、檀正宗に味方するはずがありません!
(中略)
PP 「なんで檀正宗に味方するの?」
貴利矢「自分がよみがえれたのはあの人のおかげだからな。」
永夢 「なんで患者のオペを邪魔したんですか?貴利矢さんもドクターのはずです!」
貴利矢「ドクターなんてもう必要ないんだよ。」(中略)
永夢 「そんな…。ゲームで人の命を操るなんて異常です。貴利矢さんならわかるでしょ!」
貴利矢「じゃあ自分が消滅したまま死んでたほうがよかったって言うのか?自分を消滅させたそいつ(新黎斗)とは手を組んでるくせに。」
永夢 「それは…。」
貴利矢「『仮面ライダークロニクル』が、この世界の命のルールを変えたんだよ。(中略)これだけは忘れんな。天才ゲーマーだろうと天才ゲームクリエイターだろうと、『仮面ライダークロニクル』は止められない。」
(中略)
PP 「別人みたいだった。昔の貴利矢はあんな人じゃなかったのに。」
 
貴利矢「永夢…。世界の人類の運命は任せたぜ。」
 
永夢 あれは貴利矢さんじゃない。(中略)きっと檀正宗が駒として操るために、貴利矢さんを別人みたいに、プログラムしたんです。
(第35話「Partnerを救出せよ!」より)

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永夢「そんな時にはリプログラミングだ!」

 えぇ~!?貴利矢って元々、嘘吐き(本音を隠す)タイプだったやん…!だから、永夢が言うべき台詞は「あれは貴利矢さんじゃない!」ではなく、「貴利矢さんは嘘を吐いてるに違いない!」なんじゃあないの…?おかしいなぁ、前半(第23話)の時点では、リプログラミングは患者の治療(ウイルスの初期化)に使われるもんだと予想してたのに、後半は専ら記憶の消去(セーブデータの初期化)に用いられてる節があるぞ…?

 ところで、消滅者のデータはプロトガシャットに保存される、という話だけど(例えば、小姫のデータはプロト『ドラゴナイトハンターZ』に保存されている)、貴利矢を倒したのは『デンジャラスゾンビ』(黎斗)だよね…?プロトタイプがあるのは『MAX』(一本目)~『DKHZ』(十本目)の計十本だったと認識しているんだけど(後に、プロト『MAX』オリジンが出て計十一本になったが)、プロト『デンジャラスゾンビ』なんて無いよね?じゃあ何処に保存されたんだ?プロト『爆走バイク』?でも、レーザーターボに変身する時に使用しているのは『爆走バイク』なんだよなぁ、カラーリング的に。…もうやめよう、多分スタッフもそこまで考えてないだろうし(笑)

■貴利矢が永夢に囁いた言葉とは?

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 まぁ十中八九「芝居だったんだよ」展開になるよね…!飛彩&貴利矢の裏切り(寝返り)展開はそんなに引っ張らなそう。で、檀正宗/クロノスはテレビ本編のラスボスにはならなそうだなぁ…!日向恭太郎がなったりしてね。『剣』の天王路博史/ケルベロスのように。これらは、『トゥルーエンディング』の予告編から導出した予想、です。それにしても、また<空白>を用意してきたな…!この、ブランク(blank)こそが『エグゼイド』の脚本の最大の特徴なんですが、それについては三四半評に書き連ねようと思います。

■追記(2017/07/02)

CM「消滅者の命を取り戻す。それは、全人類の希望。激レアキャラ、クロノス攻略クエスト、開幕!明日の正午より、(聖空市)聖都第9地区に出現する、伝説の戦士クロノスを攻略すれば、その伝説の力が手に入る。人類を救うヒーローになるのは、君だ!」(中略)
正宗仮面ライダークロニクル』が一大ブームを巻き起こす。記念すべき日だ。
永夢「檀正宗!自分自身を攻略させるなんて、どういうつもりだ!?」
正宗「消滅者の命を取り戻すため人々は追い求める。決して攻略できない我がクロノスの力をね。」
(第36話「完全無敵のGAMER!」より)

 いやいやいやいや、どんな理屈なんだよ…!

[了]

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