千倍王鷹虎蝗合成獣

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『エグゼイド』第29・30話感想

仮面ライダーエグゼイド』の感想です。以下、ネタバレ注意。

第29話「We're 俺!?」(脚本:高橋悠也、監督:山口恭平)
第30話「最強VS最強!」(脚本:高橋悠也、監督:山口恭平)

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■歪(いびつ)のアマルガム

パラド「子供の頃、お前はいつも1人で、ゲームのアイデアばかり考えてた。ホントは、ゲームで遊ぶ相手がほしかったのに…。それが、俺だ。ずっと見てたんだぜ、M。お前のそばで…。いつだって、俺とお前の心は、繋がってた。俺たちの心は…1つだった。俺なんだよ。お前に感染してるバグスターは。お前の願望が、俺を生んだんだ。だから俺達は戦う運命にあるって言ってんだよ。俺はお前、お前は俺だ。」
(第29話「We're 俺!?」より)

 「パラド」って<水銀><銀>の合金のことだったのね。パラドクスからXを抜いただけだと思ってた。

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 仮面ライダーパラドクス パーフェクトノックアウトゲーマー レベルナインティナインとかいう凄く強そうな名前!!ぷよぷよ(柔軟)と鉄拳(硬固)の組み合わせは、水銀(液体)と銀(固体)のそれにマッチしててええやね。さて、永夢の「もう一人の俺(M)」はパラドだったんだよ!というのが第29・30話なんだけど、正直、自分は全ッ然ノレてないです…!確かに、第27・28話辺りで飛彩が「何故、パラドは研修医に終着してるんだ?」と違和感を覚えるシーンはあったけど、前半(第01~24話)のMとパラドって、どう考えても性格違うよね…!「お前、誰だ!?」「そうなのか?」と、Mが永夢に尋ねることもあるし…!

 例えば、第01話(マイティアクションX回)。

永夢 「オペは、僕がやります。」
明日那「返して!それは素人が扱えるゲームじゃない!」
永夢 「ゲーム?」
影山ヒロノブ「マイティアクションX!」
明日那「ゲームエリアが広がった…?まさか、なんで!?」
M  「ゲームなら、この俺に任せとけ!」
明日那「え?」
M  颯太の運命は、俺が変える!
(第01話「I'm a 仮面ライダー!」より)

 例えば、第14話(マイティブラザーズXX回)。

M お前、誰だ!?
永夢「僕は宝生永夢です。」
M 「いや、Mは俺だって!」
永夢「いや、永夢は僕です。」
M 「いや、Mは俺!」
永夢「永夢は僕です。」
(第14話「We’re 仮面ライダー!」より)

 例えば、第16話(ガシャットギアデュアル回)。

パラド「ああ?誰だよ?今俺撃ったの。」
リボル「エグゼイドに勝利を与え、自分は完全な存在となるのだ!」
パラド「馬鹿の一つ覚えなのはゲームキャラの悪い癖だなあ。俺の心を滾らせやがって。」
黎斗 「よせ、パラド!相手が違う!」
パラド俺を邪魔するヤツは、誰だろうとぶっ潰す。
(第16話「打倒MのParadox」より)

 例えば、第17話(ジュージューバーガー回)。

永夢 「何をするんだ…!バガモンは、いいやつだったのに…!」
黎斗 「バグスターに肩入れするとは。君の体がそうさせたか?」
パラド「目的はガシャットの回収だったはずだ。バグスターを消す必要があったのか?
黎斗 「フッ…。ゲームマスターの私に許可なく、勝手にゲームを生み出すことは許されないんだよ。」
(第17話「規格外のBURGSTER?」より)

 例えば、第23話(マキシマムマイティX回)。

飛彩「研修医!お前がそれ(新しいガシャット)を使え!」
永夢「えっ…僕が!?」
飛彩「お前は、『MBXX』を生み出した!その理由は、お前自身にある!」
永夢「僕、自身…。」
飛彩「どこかで見覚えがあるはずだ!」
M そうなのか?
永夢「あっ、そういえば、子供の頃、新しいゲームを考えるのが好きで、その時のアイデアと似てる。オレンジとグリーンの、2人組のヒーローで。」
(第23話「極限のdead or alive!」より)

 例えば、第28話(ポッピーピポパポ回)。

PP「バグスターは、人間に憎まれる存在なの!」
永夢「お前は違う!」
PP「バグスターは人類の敵だから!」
M 「…ああ、そうかよ。わかったよ。(中略)だったら、俺と戦え。人間を攻略したいんだろ?この世界を支配したいんだろ?(中略)攻撃しろ!!やれよ!!」
PP「やだ…。戦いたくない!誰も悲しませたくない。誰も傷つけたくない。みんなで仲良く、『ドレミファビート』がしたいよ…!」
M やろうぜ。みんなで一緒に。
PP「うん…!」
(中略)
パラドそれでいいのか?ポッピー。
永夢 「ポッピーには二度と手は出させない!」
パラド「なんでだよ?M!ポッピーにはゲームしようって言うくせに、なんで俺とは戦わないんだよ?」
永夢 「ポッピーはお前とは違う。お前は自分の意志で、人の命を奪った。」
(第28話「Identityを超えて」より)

 パラドは「いつだって俺とお前の心は繋がってた」「俺たちの心は1つだった」と言うけれど、じゃあ何さ?永夢が「ゲーム病患者を救い(助け)たい!」と願ったら(望んだら)、それに同調して戦ってくれてたってことなの?「ポッピーはバグスター(人類の敵)だ!」と言いつつ、永夢が「ポッピーは仲間(人類の味方)だ!」と聞かなかったら、同情して説得してくれたってことなの?随分、気の良い奴というか、都合の良い奴なんだな…!あと、パラドがMだとすると、永夢の「天才ゲーマー」としての側面は全て「パラドの御蔭」ということになって、完全に分離した(?)今となっては、永夢は「ただの研修医」となってしまうけど、それで天才外科医たちと一緒に戦っていけるの…?でも、第31話以降も「ノーコンティニューでクリアしてやるぜ!」の決め台詞は変わらないし、第33話では「流石、天才ゲーマー!」扱いされてるし、今一よくわからん…。んん~!?

 これは完全に推測だけど、「M=パラド」というのは、最初から決まってたわけではなく、途中(放送中)に決まった設定なんじゃあないかな?もし、「M=パラド」とするならば、彼が変身する仮面ライダー<矛盾>というより、<類似>をキーワードにした名前を冠するべきだったと思う。それこそ、仮面ライダーデュアルでもいいし、仮面ライダージェミニ(←『ロックマン3』リスペクト)とか、仮面ライダーアマルガムとかね(※アマルガムとは<混ざり物>、水銀の合金のことです)。そもそも、エグゼイドと対になる存在は既にゲンムがいるんだよな…!(あれはおそらく1PC&NPCで、マリオ&ルイージとはコンセプトが違うんだろうけど)あと、「M=パラド」だとすると、彼は『マイティアクションC』における何のキャラクターなんだ…?永夢の「もう一人の俺」はズバリ、『MAX』の主人公である「マイティ」であるべきだったと思うんだがなぁ…!

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 何が言いたいかというと、<パラドクス(矛盾)というネーミングはズルい、ということです。

■追記(2017/06/11)

 パラドクスが矛盾なのかについて。仮面ライダーパラドクスは英語だとParadoxではなくPARA-DXと書くそうです。で、接頭語としてのpara-は医学だと「疑似」「副」という意味だったり、化学用語では「パラ」ギリシア語「反対側」という意味になります。なのでパラドクス=矛盾はミスリード気味で「もう一つの」DX(ダブルエックス?)みたいな意味合いなのかなという。実際本編でXXのガシャットは本来パラドが使うものでしたしわりとこの名前の付け方は悪くないかなと思いました(でもそれならそれでもっと上手い対比のさせ方があったんじゃないかなと思ってるのは内緒です)

 確かに、テレビ朝日の公式HPを見ると、「PARA-DX」になっている!そうか、「Paradox」がミスリードだったのか~!

■追記(2017/07/02)

PP&ニコ「ムテキガシャットを取られた!?」
新黎斗「あれを奪われてしまったら、クロノスに対抗する術がない…!」
大我 「てめえがご丁寧にゲーム解説したせいで、無敵時間が消えたんだろうが!」
新黎斗「黙れー!!そもそもあれは永夢のために開発したものだ!使えなかった君が悪い!」
PP 「なんで永夢、使えなかったの?」
新黎斗パラドをリプログラミングしたせいで、天才ゲーマーMの力を失ったからだ。
ニコ 「はっ…!そういえば最近、変身する時、永夢の性格変わらなかった!
永夢 「天才ゲーマーMの力…。」
( 中 略 )
永夢 「パラド。お前にクロノス攻略法を教える。お前がこの中(バグヴァイザーⅡ)に入るんだ。」
パラド「…どういう意味だ?」
永夢 「僕がこれを使って、クロノスのドライバーの中にお前を潜入させる。」
パラド「なるほど。あいつのドライバーの中に潜めば…。ポーズの影響は受けない。」
永夢 「あとは、お前がクロノスを攻略するんだ。」
( 中 略 )
パラド「何してんだ!早く俺をクロノスのドライバーの中に!」
永夢 「パラド、お前は僕に言った。」
 
パラド「俺とお前が組めば、無敵、だぜ?」
 
永夢 「今がその時だ!」

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(永夢、バグヴァイザーⅡの銃口を自分に突きつけ、パラドを自身に注入する。正宗から貴利矢が報酬として受け取った金のガシャットを受けとり、ハイパームテキゲーマーに変身する永夢は、クロノスを倒すことに成功。そして…)
パラド「俺をのせたってわけか…。」
永夢 「…ああ。天才ゲーマーMの力を取り戻すために。
パラド「フッ…。心が踊るな、永夢。お前との決着が楽しみだ。」
(第36話「完全無敵のGAMER!」より)

 「天才ゲーマーMの力」は譲渡可能な天賦の才(文字通り、ギフト)ということか…?これ、パラドの才能を永夢が掠め取ったのだとすると最低最悪だけど、元々は永夢の素質で、パラドがそれを使用してゲームセンターをあらしていた(大会でニコちゃんの怨みを買った)のだとすると話は変わってくるんだよな…!これもまた、<黒棺>に収納された謎の一つなのです…!

■追記(2017/08/11)

 俺Mとパラドの関係、ややこしいですよね。実はパラドが乗っ取ったMと俺口調の永夢はまた別の人格らしいんです。キャラクターブックで解説されているんですが、パラドが永夢を乗っ取ったのは
・10話、ハンターのガシャットを奪ってみせろと挑発する時
・16話、ゲンムに襲われガシャットを奪われかけた時
それと19話、28~30話だそうです。いずれも乗っ取られる瞬間永夢の目が赤く光っていますね…。乗っ取る以外にも心がリンクする時にもそうなるみたいです(例:バカモン回)(中略)あ、パラド=Mというのは途中から決まったそうですよ!パラドというキャラをどうするか最初は決めていなかったそうです。

 というコメントを以前いただいた。『キャラクターブック』は未読なんだけど…!(理由は、役者にあまり興味が無いから。)「僕」永夢ではない「俺」Mは、パラドが乗っ取ってる時と、そうではない時(主に、天才ゲーマーMとしてゲーム医療してる時)では、別人格なのだという。

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 じゃあ「パラドが乗っ取ってない」時の「俺」Mは一体何(誰)なんだ…?

 あと、「パラド=Mは後付け」というソースは、ついに見つけられなかった…!最新(2017/08/05(土))のインタビューによると、「パラドは永夢の裏側」という設定だけは決まっていて、詳細は放送中に決めていった、とのこと。おぼろげながらも、「パラドは永夢のバグスター」というイメージはあったようだけど。

大森 (中略)それにしてもパラドはちょっと難しい役ですよね。今でも難しいと思いますが、当初はパラドの設定が固まっていなくて、永夢の裏側っていう設定しかなかったので、甲斐君も苦労しただろうと思います。(中略)一番最初、パラド役に決めたときに甲斐君自身がどこまで聞いたかはわかりませんが、少なくともマネージャーさんには全貌を説明してあるんですよ、永夢の裏側まで全部。仮面ライダーパラドクスに変身することはもちろん、シリーズのほとんど半分くらいまで最初に全部を話したのは甲斐君の方でした。飯島君の方には何も説明はしてませんでしたが。
(大森敬仁『ハイパーホビーVOL.4』より)

[了]

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