千倍王鷹虎蝗合成獣

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『エグゼイド』第27・28話感想

仮面ライダーエグゼイド』の感想です。以下、ネタバレ注意。

第27話「勝者に捧ぐlove & peace!」(脚本:高橋悠也、監督:諸田敏)
第28話「Identityを超えて」(脚本:高橋悠也、監督:諸田敏)

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【次回】『エグゼイド』第29・30話感想 - 千倍王鷹虎蝗合成獣

■諸田敏は「オールマイティ」

 監督、柴崎貴行の演出はスタッフから<スタイリッシュ>と形容されているらしい。他の監督だと、石田秀範はアメイジング田崎竜太<コンセプチュアル>といった感じ?(知らん)自分は、平成仮面ライダーの監督の中だと諸田敏が一番好きなのだけれども、氏を一言で表現すると<オールマイティ>だと思う。シリアス、コミカル、何でも撮れるし、何よりバランスが良い!(巨匠の演出は時々クドいからな…!)かつ、どの回でも自分の色をしっかり出している。巷だと「水落ちが好きな人」で片付けられてることが多いけど(悲C)、ちゃんとそれにも意味があるんですよ皆さん!

諸田 水はとにかく好きですね。オールマイティだと思っているんですよ。すごく演出を助けてくれるものだと思ってます。水に入ると単純に歩くだけでも負荷がかかりますよね。そうすると、歩くときに役者さんは一生懸命な表情になるんです。役者さんが水に入ればスタッフも緊張するし、カメラが水に入ればなおさら全員が緊張するので、そういうのが画に伝わるんですよ。(中略)あと、殴って転がるっていうのは実は地面じゃできないんですよね。殴るカットと転がるカットは別のカットになるんです。1つのカットじゃ転がれないから。でも、水の中なら殴ったらそのままバシャーッと入れる。しかも、水しぶきで派手さを演出できる。土に転がっても土煙はなかなか立ちませんが、水は簡単にやってくれるじゃないですか。そして、お芝居をすれば周りでキラキラ光ってくれて盛り上げてくれるんです。ギャグにも使えるし、非常にオールマイティっていう意味で水が好きです。
(諸田敏『HYPER HOBBY (ハイパーホビー) 2013年4月号』より)

 『ゴースト』(パイロット監督:諸田敏)の西銘(駿)君も氏について言及している。

西銘 (中略)完成した映像を観ると、水が関わってくることでいろんな表現になっていて。諸田監督が撮ると水に感情が出てるんですよ。1話は死んですぐ、ここはどこだ?という驚きの中での感情、12話は楽しく滝行、23話は喧嘩して負けてからバシャーンと被る水……やってるときは同じ水なんですけど、映像として観ると、そこに違う感情が見える。一度、諸田監督に「水、好きですよね?」って訊いたことがあるんです。そしたら水はツラいこと、悲しいこと、楽しいこと、何でも表現できるっておっしゃられたんです。さすが見てるところが違うなぁって感心しました……まあ、実際入るのは僕たちなんですけど(笑)。
西銘駿仮面ライダーゴースト公式完全読本』より)

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 『エグゼイド』第27話は実に諸田監督らしい回だったと思う。ラヴリカ戦、俺、目茶苦茶好きだなぁ…!恋愛ゲームをも戦闘シーンに組み込むとはね。物理攻撃(暴力)無効で、精神攻撃(好感度が下がる)でしかダメージを与えられないという設定が上手い。それにしても、ニコちゃんの「サムい!」の一言で大打撃を受けたラヴリカだけど、演者の皆さんはもっと寒そうね…!(物理的に…!)

■EGO~eyes glazing over

 大森敬仁が書いた小説版『ドライブ』(マッハサーガ)の「オチ」に自分はモヤモヤしてまして。

 「りんなさん、またお願いがあるんだけど」
 「え? また?」
 「うん。チェイスのコアの復活を手伝ってくれ
 りんなさんの驚きの言葉は、周囲の賑やかな声にかき消されたけど、その笑顔が物語っていた。
 「答えが出たのね、剛君?」
 「ああ、やっとわかった」
 倒されたはずの005のコアが甦った。
 それは同時に、チェイスのコアを復活できることも証明してくれた。
 そして、俺はチェイスと一緒に戦うという仮面ライダーとしての答えを見つけた。

 人は何度でもやり直せる。
 そう。全てはここへ "つながる" ために必要なことだったんだ。
(大森敬仁『小説 仮面ライダードライブ マッハサーガ』より)

 テレビ本編の『ドライブ』はロイミュードを撲滅する!」というストーリーだったけど、『マッハサーガ』だと「ただし、(人間にとって都合の)良いロイミュードは復活させる!」という帰結になっているのだ。機械生命体を撲滅する/しないの線引きが、人間に悪さをするか/しないか、ひいては人間に奉仕するか/しないか(≒シフトカーと同じか否か?)、という所に在るのが少々モヤるね。EGOだよそれは!まぁ、「怪人は人間が生み出した存在」という設定の『仮面ライダー』(OOO、ウィザード、ドライブ、等)だと、どうしてもそうなってしまいがちになるんだけど(アンクも『MEGAMAX』で復活が仄めかされているからな…!)。

※関連記事です。

sebaooo-tatoba-combo.hatenablog.jp

 それは『エグゼイド』のバグスターも例外ではない。

影山ヒロノブ「マキシマムマイティクリティカルフィニッシュ!」
永夢 「ポッピー…。ポッピー?」
PP 「ん?永夢?」
永夢 「思い出したのか!?やった…やった!やったよポッピー!」
PP 「うん…?」
飛彩 「リプログラミングの力か!」
永夢 「はい。ポッピーの悪い遺伝子を書き換えれば、元のポッピーに戻せるはずって思って。
PP 「元の…私…?」
パラド「しらけることすんなよM。『仮面ライダークロニクル』は、人間とバグスターが命を賭けて戦うゲームなんだよ。」
永夢 ポッピーはプレイヤーを傷つけるようなやつじゃない。プレイヤーと一緒に音楽を楽しんで、いつも笑顔でいる、優しいキャラクターだ!
PP 「永夢…。」
永夢 「CRに帰ろう。ポッピーは…僕たちの仲間だ。」
(第28話「Identityを超えて」より)

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永夢「みんなやめろ!ポッピーは敵じゃない!」
PP「永夢…。(中略)もう…いいから…。」
永夢「えっ?」
PP私は…人の命を犠牲にして生まれたから…!
永夢でも、人の命を救うために、ずっと協力してくれた!
PPバグスターは、人間に憎まれる存在なの!
永夢お前は違う!
PP「バグスターは人類の敵だから!」
M 「…ああ、そうかよ。わかったよ。」
影山ヒロノブ「ガッチャーン、ガシューン。」
M 「だったら、俺と戦え。人間を攻略したいんだろ?この世界を支配したいんだろ?」
(M、バグヴァイザーⅡの銃口を自分の胸に当てる。)
PP「あっ…。」
M 「攻撃しろ!!やれよ!!」
PP「やだ…。戦いたくない!誰も悲しませたくない。誰も傷つけたくない。みんなで仲良く、『ドレミファビート』がしたいよ…!」
M 「やろうぜ。みんなで一緒に。」
PP「うん…!」
影山ヒロノブ「ゲームクリア!」
(第28話「Identityを超えて」より)

 チェイスの時も思ったんだけど、その怪人が善い奴か悪い奴か?の決め手が「そう(善い奴と)設定(プログラミング)されているから」というのはどうなのよ?しかも、ポッピーピポパポが生まれたことで人一人死んでいることが確定したのに、そこはスルーなのね…!あと、『ジュージューバーガー』の件で「バグスターを倒す=ゲームクリアとは限らない」という事例があったのに、みんな暴力で解決しようとし過ぎだろ…!(音ゲーはそもそもそういうゲームじゃない)そして、久々に飛彩が『ドレミファビート』でレベル3に変身したけど、特に何も無かったね…!第28話、一見するとイイハナシなんだけど、俺の心は靄(モヤ)がかかったままよ…!

■ブルーアイズポッピーピポパポ

PP「2人とも無理しないで。ここは私が。」
ニコ「私たち…の間違いでしょ?」
松田るか 「ときめきクライシス!」
諏訪部順一仮面ライダークロニクル!」
PP「変身。」
ニコ「ゲームスタート!」
松田るか 「ガシャット!乙女はいつもときめきクライシス!」
諏訪部順一「バグルアップ!エンター・ザ・ゲーム!ライディング・ジ・エンド!」
ニコ「あれ?目が青い。
PP「フフッ。私が良性のバグスターになったから。よーし、いくよ!」
(第30話「最強VS最強!」より)

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 そこ、台詞で片付けちゃうの!?

 『エグゼイド』の仮面(顔面)の特徴を活かした設定なのは良いけれど、もう一捻りできただろコレェ…!

[了]

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sebaooo-tatoba-combo.hatenablog.jp