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千倍王鷹虎蝗合成獣

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『ゴースト』感想:第01話「開眼!俺!」

17_ゴースト

仮面ライダーゴースト』の感想です。以下、ネタバレ注意。

第01話「開眼!俺!」(脚本:福田卓郎、監督:諸田敏)
東映仮面ライダーゴースト 第1話 開眼!俺! | 東映[テレビ]
テレビ朝日ストーリー|仮面ライダーゴースト|テレビ朝日

【次回】『ゴースト』感想:第02話「電撃!発明王!」 - 千倍王鷹虎蝗合成獣

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■ヒーローは、一度死んで蘇る!

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 亡き父(西村和彦)のようなゴーストハンターになるため、修業するタケル(西銘駿)だが、肝心のゴーストが見えないことにはやる気すら起きない。
 そんな折、街では奇妙な事件が続発。タケルのもとには父から眼魂(アイコン)が届けられる。その眼魂を手にしたタケルは、2体のゴースト、眼魔(ガンマ)に襲われ命を落としてしまう。
 死の世界へと旅立ったタケルは、その途上、仙人(竹中直人)と出会い、仮面ライダーゴーストに変身する力を授かった。ユルセン(声・悠木碧)とともに現世へと舞い戻ったタケルはゴーストに変身。槍眼魔を倒すと、武蔵の力を得てゴーストムサシ魂に変身。刀眼魔を打ち倒す。
 蘇ったタケルだが、仙人によると99日の間に15個の眼魂を手に入れなければ生き返ることは出来ないという。あと98日で14個…。いったいどうすれば!?タケルの戦いの日々が幕を開けた。
テレビ朝日公式サイトより)

 いきなり引用でスミマセン…!初回から主人公に最終目標(99日の間に15個の眼魂(アイコン)を入手する)があるのは珍しいね。なんか「自分探し」してることの方が多いからさ…!…しまった、『ドライブ』には「108体のロイミュードを撲滅する」という明確な目的があったわ。

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 「子供に偉人って解かるのかな?」と疑問だったけど、高橋一浩(チーフP)の「子供は数百匹のポケモンだって覚えられるから大丈夫!」という発言には納得してしまった。…けど、偉人豆知識も漢字だらけだと読めないと思うの…!全国のお父さんお母さんフォローしてあげてくださいね。

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 や、でも映像ホント綺麗だわ…!(流石は諸田さんだ…!)ゴーストのビジュアル自体はアメリカン幽霊で、固有名詞も横文字が多いのに、拠点はお寺だし、自然(森林・海岸)での殺陣が多くて、意外と「和風」推しなので虚をつかれました。和洋折衷なテイストがディ・モールト・ベネ!ゴーストハンターというよりは「退魔士」に近いね。

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 <(1)透過><(2)発光><(3)浮遊>と、戦闘シーンも中々チャレンジング。特に、「普通の人間には仮面ライダーと怪人が見えない」というのは、「人知れず巨悪と戦う」を体現できててグッド!…ただ、こういった新要素は話が進むにつれて消えていくのが常…!そこがちょっと心配かしらね。

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 「決闘!ズバット!超剣豪!」宮本武蔵のムサシ魂も大活躍。ガンガンセイバーは『電王』のデンガッシャーを彷彿とさせるな…!血飛沫を墨で表現したのは上手いね。これ、継続してほしい。

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 月村アカリ役の、大沢ひかるちゃんはけっこう好みなタイプ。御成さんのハイテンションぶりにも笑わせてもらいましたwこの二人の掛け合いをもっと見たいなァ。

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 竹中直人のゆっくりめな語り口調は、チビッ子への配慮かな?あとユルセン可愛いよユルセン!1分の1スケールの縫い包みが出たら買ってしまうかもしれん。というか買う!

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 天空寺タケルという名前には驚いたけど、苗字(てんくうじ)が長いだけで「タケル!」「タケル殿!」と呼ばれると案外普通に聞こえるね。『ゴースト』はタケルと西銘駿くんの成長物語。一年間見守っていきましょうか。

島本和彦 ~キャラ重視で怪人を描く漫画家~

 眼魔(ガンマ)をデザインした漫画家、島本和彦の『新・吼えろペン』第8巻、第31話「最後のふろしき」が中々考えさせられるエピソードなので一部(p144~153)を活字に起こしてみる。登場人物は、炎尾燃(※島本和彦の化身)・富士鷹ジュビロ・流れ星超一郎の漫画家3人と、彼らが連載している漫画雑誌『月刊シャイニング』編集長(元)のボタQ、計4名である。

[(主人公が敵に)あんたはなぜおれに………そんなに関わってくるんだ!?]
富士鷹「―――というふろしきを広げたら………」
[(主人公が敵に)おれの父さんだったんだね!!]
富士鷹「―――と、ちゃんと決着をつけることだ。読者に『これはどうなるのか』と期待させた気持ちを裏切らないで……ちゃんとそのキャラクターや事件やテーマに決着をつけてやる。
炎尾燃すばらしい着地を見せてやる!――と、いうことだ!」

 という2人の持論に対し、流れ星は異論を唱える。

流れ星「え――?なんで着地させないといけないの―?
富士鷹「いや…それは………だってモノカキの責任として………」
流れ星「責任って―――何?何よ?毎回毎回面白がってもらうことのほうが大切でしょ?

 そんな3人の議論に対し、ボタQが口を挟む。

ボタQ「話は聞かせてもらいましたよ!流れ星先生のおっしゃるとおりですよ!!私の……経験上言わせていただきますと……いろいろな天才作家がいましたが、たとえ天才でも―――100回連載が続くとしたら、1回はつまんない話があります!!ただ、天才は………その1回を、最終回にもってくるんです!それまで99回読者を楽しませるんですよ!読者はワクワクします!本は売れます!評判になって賞をもらえるかもしれない!最高です!!――そして、幕引きだけちょっとショボイ…と!まあ最終回の1回ぐらいいいじゃないですか!!私に言わせれば、そこまで楽しませてもらったのに文句を言うヤツのほうが、どうかしてますよ!」
流れ星「あ!そうですよボタQさん!まったく同意見ですっ!!」

 で、「考えさせられる」のはここからである。

富士鷹「そうか―――そうか―――流れ星……」
炎尾燃「それでお前のマンガ…」
流れ星「なんだよ!?」
炎尾燃&富士鷹いつもいつもストーリーは進んでないくせに………つぎつぎと新しい謎ばかり!期待感たっぷりに出てくるよな!!
流れ星「あ―――まあね――出てくるよ――人間の闇!世界の破滅!すべての崩壊の時は近いよ!!でも、すべての崩壊なんておれ描けねーし!よくわかんないし!だけど煽るよ―――!煽ると読者が喜ぶから!勝手にね!読者の豊かなイマジネーションを刺激してんだよ!作者のおれよりもっと優れているところにいってるよ、ヤツらは!」

 流れ星とボタQの言い分をまとめると以下のようになる。
(1)ストーリーは進めずに、新しい謎を次々と期待感たっぷりに出し、読者を煽る。
(2)素晴らしい着地を見せることより毎回毎回面白がってもらうことのほうが大切。
(3)50話のうち49話はファンを楽しませ、つまらない1話は最終回にもってくる。
 …嗚呼、白倉伸一郎(チーフP)&井上敏樹(脚本家)」作品のことね…!

 (まぁ、流れ星は「最終回でコケるのが!!名作の条件なんだよ!!!」がモットーで、こんな発言もしてるんだけどね…!)

流れ星「納得のいく最終回ができる奴なんてなぁ………普段セーブして描いてる奴だよ!着地点目指してうまーくうまーく力をセーブしてやがんだよ!トリプルアクセルはやめて、2回転で安全策さ!セーブした回の載ってる週刊誌買ったら、つまんなくなってバカ見るよ!だからみんなコミックス派になるんだよ!!」

■「麻宮騎亜のようにはできん!」(by 島本和彦

 『フォーゼ』の怪人《ゾディアーツ》をデザインしたのは麻宮騎亜(漫画家)で、星座(ギリシャ神話)モチーフの「甲冑!甲冑!」なゴテゴテ感好きだったんだけど、あまりにも凝り過ぎていて、造形作業専門会社ブレンドマスターは大変だったらしい。

――(中略)オリオンは1話から随分ゴージャスというか、これって幹部怪人じゃねえの?って思いましたけど。
麻宮 (中略)現場の評判も結構よかったんですけど、1話からこれ?みたいな。敵幹部みてえだよって(笑)。確かにそれは言われました。あと5月か6月に『フォーゼ』の中入りと劇場版の打ち上げが一緒にあったんですけど、そのとき田嶋さんに麻宮さん、ブレマスさんが悲鳴を上げているので、もうちょっと線を減らしてくださいって言われて「えっ!?」って(一同笑)。で、塚田さんにもスケジュールや予算的にねって言われて「もう!?」みたいな(一同爆笑)。だから、現場では麻宮さんの怪人、毎回幹部が来るようだという話になってたみたいです(笑)。
麻宮騎亜仮面ライダーフォーゼ公式読本 FOURZE GRADUATION』より)

 高橋一浩は『フォーゼ』でサブPを務めており、その実情を知っていたので「眼魔(ガンマ)はシンプルにしよう!」と決めていたという。ところが、島本和彦が参考資料として購入したのがまさかの『仮面ライダーフォーゼ デザインワークス』!ペラペラめくって一言。「こりゃできん!」しかし、「これはもう自分の持ち味で勝負するしかない!」と覚悟を決め、高橋一浩と共に「シンプルイズベスト」の道を突き進むことにしたという。

高橋 怪人も予算の都合があって、スーパー戦隊はともかくライダーでは各話1体登場させるのが基本的に無理なんですよ。だけど、とりあえず今回は新しい怪人どんなのかな?いうワクワク感と、それをライダーが毎回倒すという意図が最初にあったので、できるだけ1体の予算を押さえて、少なくとも最初のうちは毎回新しい怪人を出せないか。そんなこともあって、島本先生にむちゃぶりしたのは、怪人もライダーと同じ構成にしたいということでした。要は、素体があって、物を取り込んで怪人になるという、ライダーのゴーストチェンジに近いアプローチです。
(高橋一浩『東映ヒーローMAX Vol.52』より)

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 そんなわけで、『ゴースト』では初回から怪人2体と大盤振る舞い!次回の巨大怪人戦も楽しみです。

[了]

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