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千倍王鷹虎蝗合成獣

平成仮面ライダーの感想・考察サイト。衒学的で悪し様で居丈高な語り口のブログにようこそ。

対決!『ドライブ』VS「平成仮面ライダー」(後編)

 「対決!」シリーズは、『仮面ライダードライブ』(以下、『ドライブ』)と旧作を比較して徹底的に叩きのめすというコーナーです。以前『仮面ライダー鎧武/ガイム』でやったのと同じ感じ。今回はナント、平成仮面ライダーシリーズ全作品と「対決!」させます(※ただし、『仮面ライダーディケイド』は除外。あれは、平成一期の集合体なので…!)

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※旧作の、物語の根幹に係わるネタバレは皆無です。基本的な情報(世界観と設定)は出さざるを得ないのでご容赦頂きたいのですが、ほとんどがパイロット版(第01・02話)で提示・説明されるものであり、各作品の中盤以降の展開には一切触れていません。未視聴の方もご安心ください。これを機に、旧作にも興味を抱いて頂けたら幸いです。

※大前提と、『仮面ライダークウガ』~『〃カブト』との対決は前編をご覧ください。

【前編】対決!『ドライブ』VS「平成仮面ライダー」(前編) - 千倍王鷹虎蝗合成獣

■VS『仮面ライダー電王』(以下、『電王』)

 今度の仮面ライダーは桃太郎が電車に乗って鬼退治!

 誰もが目を疑う一文だろうが、これこそが『電王』の本質である。『電王』の怪人《イマジン》は、人間の《契約者》の望みを(勝手に解釈して)叶える。契約完了すると《過去の扉》が開き、契約者が最も「後悔」している時空へ飛ぶ。過去でイマジンが暴走すると、未来の世界も崩壊してしまう。主人公、野上良太郎は《仮面ライダー電王》に変身し、時の列車《デンライナー》に乗ってタイムトラベルし、過去に遡ったイマジンと戦うのだ。この設定は、番組の一番の売りである「電車」が置き去りにならないよう白倉伸一郎(チーフP)が苦心惨憺して練り上げたものである。CGが必須な出物は、出番が減少していくのが常だが、デンライナーはそれを回避するための創意工夫が凝らされている。更に、デンライナーはそこにプラスアルファすら存在するのだ。

(1)一度CGモデルを作れば実写部分への合成が容易に。
(2)異空間走行シーンはバンク(使い回し)で流用可能。
(3)自動レール敷設撤去の設定により実在の線路は不要。
(4)陸地・海上・空中、ありとあらゆる場所で走行可能。
(5)時の運行を守るタイムマシンのため時間旅行も可能。
(6)過去未来、行先自由なためクロスオーバーが容易に。
(7)バイク要素もある(マシンデンバードは操縦席に)。
(8)「電車」は子供達にとって一番身近な乗り物である。

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 ところが、《トライドロン》は『ホンダNSX』がベースの実在する車両だが、公道を走れない。本来、CGの方が足枷となるはずが、実車(実写)であることが足を引っ張っているのだ。

 昭和の時代ではナンバープレートの付いていない車を公道で走らせることができましたが、最近ではコンプライアンス的にそういったシーンは一切撮れなくなったんです。それでもオートバイはヒーローバイクでもナンバーを取得できたので問題は小さかった。今回のトライドロンはナンバーが取得できず、公道での撮影が一切できないんです。そのため公道に見える私有地で撮影しなければならず、ロケ地探しが大変でした。また撮影現場まで運ぶにもトラックで輸送しなければならない。そのような苦労はありますね。
田崎竜太『宇宙船 vol.146』より)

 また、『電王』の野上良太郎はイマジンが憑依して戦う。例えば、『桃太郎』の赤鬼からイメージされた《モモタロス》が憑依すると《電王・ソードフォーム》に、『浦島太郎』の海亀からイメージされた《ウラタロス》が憑依すると《電王・ロッドフォーム》に変身する、といった形だ。他にも、『金太郎』の熊&鉞(まさかり)イメージの《キンタロス》や、『龍の子太郎』の竜&子供イメージの《リュウタロス》といった、個性豊かなイマジン達(通称、タロスズ)と野上良太郎の交流が描かれた。交流の場は当然、デンライナーの客車(食堂車)である。つまり、主人公とタロスズの掛け合いを見(魅)せることで、我々視聴者に「彼らは今、デンライナーにいる!」と錯覚させることに成功しているのだ。しかも、食堂車はセットで造られ、CG要らずである。

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 …整備場《ドライブピット》にて置き物状態にされる哀れなトライドロンよ…!

■VS『仮面ライダーキバ』(以下、『キバ』)

 「それはバイオリンをめぐる、父と子の物語…」というキャッチコピーが示す通り、『キバ』では親子二世代のドラマが交錯する。現代(2008年)の主人公は紅渡で、過去(1986年)の主人公たる紅音也の息子だ。紅渡はバイオリン職人で、紅音也はバイオリン奏者である。

 『キバ』の怪人は《ファンガイア》という魔族で、人間の《ライフエナジー》を糧とする吸魂鬼である(他にも、狼男《ウルフェン族》、半魚人《マーマン族》、フランケンシュタインの怪物《フランケン族》等がいる。)『キバ』の世界では人間もまた魔族という位置付けであり、他種族は最も繁栄(繁殖)している人間の姿を借り、社会に紛れている。すなわち、ライフエナジー吸収は必須ではなく、人間の食料を摂取することでも生活は可能だ。そのため、人間を襲わないファンガイアも存在する。

 それを代表するのが、第09話「交響・イクサ・フィストオン」&第10話「剣の舞・硝子のメロディ」に登場した大村武男/フロッグファンガイアである。大村はバイオリン技師として人間同様の暮らしを営んでおり、紅渡とはバイオリンの修復を通じて知り合った仲だ。紅渡は大村がファンガイアだと知るが、大村は二十年以上人間を食料にしていないという。大村は、紅音也のバイオリン演奏に感銘を受け、「人間を襲わない」と誓ったというのだ。このように、紅音也を知る者と出会うことで、紅渡が父親の為人(ひととなり)を知り、成長していくというのが『キバ』の主旋律なのだ。

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 ところが、泊英介&進ノ介親子の関係性は、前半(第01~24話)は全く掘り下げられなかった。泊進ノ介が父親について語ったのは、たったこれっぽっちである。

泊進ノ介「俺の親父もデカだった。いつも言ってた。『警察官の肩には、大いなる責任が乗せられてる』って。」
(『ドライブ』第02話「仮面ライダーとはなにか」より)

 そんな状態で、第25話(シリーズ新展開)以降にいきなり「トウサンガー!」とかやられてもポカーンですよ。しかも、第37話(最終章)以降は蛮野天十郎&詩島剛(+ロイミュード)親子の確執が主旋律になっちゃって、泊一族と001&仁良光秀の因縁は副旋律に過ぎないというね…!

 また、『キバ』には元祖「しゃべる変身ベルト」こと《キバットバットIII世》が登場するのだが、キバットには以下のような長所がある。

(1)キバット族という魔族で、世界への取っ掛かり口である。
(2)お茶目で可愛らしく、マスコット然とした存在感がある。
(3)食事・散歩・入浴などで、主人公との日常を描写できる。
(4)主人公の保護者も兼ね、恋愛・人生相談に乗ってくれる。

【関連】『キバ』喋る愛玩動物と持つ者持たざる者と可愛いは作れる - 千倍王鷹虎蝗合成獣

 ところが、クリム・スタインベルトが《ドライブドライバー》であるメリットってあんまし無いのよね…!三条陸的には、こんな思惑があったようだけど、

 『仮面ライダードライブ』を立ち上げるにあたって大森(敬仁)プロデューサーから最初に要望されたのは、「車でやりたい」ということでした。「『ナイトライダー』のような感じ」と言われたんですが、車がコンピューター制御で、しかもしゃべることが想像を超えていた、あの時代だからうけた部分もあったと思うんです。だから『ナイトライダー』的な魅力をそのまま出すのは難しい、では車であることをどう活かすのか、ということがひとつの課題になりました。(中略)しゃべる変身ベルトを車につけておけば、車がしゃべるのと同じことになって『ナイトライダー』的なものを表現できるのではないか、というアイデアでした。
三条陸仮面ライダードライブ』キャラクターブック VOL.ZERO ~AcceleratioN~』より)

変身ベルトを喋らせたことで、トライドロンの存在感がますます薄れてしまったというね…!クリムのデータは、ドライバーではなく車に移送した方が絶対良かったって!要するに、ベルトさんではなく「クルマさん」よ。そうすれば、監督も否応なしにトライドロンを撮るでしょ?

■VS『仮面ライダーW』(以下、『W』)

 「俺たちは/僕たちは、二人で一人の仮面ライダーさ」というキャッチコピーが示す通り、『W』では二人の主人公が一人の仮面ライダーに変身する。一人目の主人公、左翔太郎は《鳴海探偵事務所》の私立探偵でハードボイルドに憧れているが、まだまだ未熟で半人前のため周囲からは「ハーフボイルド」とからかわれている。二人目の主人公、フィリップはある特殊能力を持つ。その内容を如何に列挙する。

(1)主人公フィリップは《地球の本棚》にアクセスできる。
(2)《地球の本棚》には地球の記憶の全てが存在している。
(3)本棚の一冊一冊が、地球の記憶のデータベースである。
(4)キーワードで検索すると、本を絞り込むことができる。
(5)キーワードを探すのは、主人公左翔太郎の役目である。
(6)地球の記憶が記録されているのがガイアメモリである。
(7)ガイアメモリを挿入した人間はドーパントに変身する。
(8)怪人犯罪事件を解決する探偵が仮面ライダーWである。
(9)ガイアメモリはミュージアムによって開発流通される。
(10)ミュージアムは《地球の本棚》の解明・掌握を目論む。
(11)《地球の本棚》はインターネットのメタファーである。

 『W』は探偵モノだが、驚くことに「謎解き」の部分には重きを置かなかった。左翔太郎が収集するのは検索キーワードのみで、犯人の正体・居場所・動機などは全て《地球の本棚》が解明してくれるのだ。こうなったらもう視聴者は納得せざるをえない。「地球の記憶のデータベース」への検索は人知を超えており、突っ込むのを諦めざるをえないからだ。更に、一連のシーケンスは我々が「書店や図書館の検索機に、書名や著者名を入力し、目当ての本を探す」というプロセスと一致しているため、意外とすんなり受け入れられるのだ(しかも、ご丁寧にイメージ映像付きである。)

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 ところが、泊進ノ介の「繋がった!脳細胞がトップギアだぜ!」からの解説は説得力に欠ける(時に強引)し長台詞である。試しに、パイロット版の「連続赤色化殺人未遂事件」の推理を見てみよう。

泊進ノ介 「殺人未遂事件っていうのがそもそもの間違いだったんですよ。この人たちは全部外れだ。益田信夫、この人は当たりだった。だからさらわれて顔をコピーされたんだ。」
沢神りんな「人体が目当てだったってこと?」
泊進ノ介 「そのとおり。犯人は優れた健康な肉体を求めてる。現場に残されていったのは外れと見なされた人たちばかり。あの赤い肌は、失格の烙印なんだ。」
西城究  「ど…どうしてそんなことわかったんだい?」
泊進ノ介 「おとといの被害者。あの2人のそばに落ちていたゴミだ。どっちも薬を入れるものだった。1つ目は風邪薬の包み紙。もう一つはアレルギーの薬の台紙の裏地。」
詩島霧子 「体調が万全でないと判断した者はその場に放り捨てられた。それが被害者たち?」
泊進ノ介 「俺たちが連続殺人だと思っていたのは誘拐事件の食べ残しだったんだ。放っとくと人間がさらわれ続ける!」
(『ドライブ』第02話「仮面ライダーとはなにか」より)

 初回Cパートの紙屑だけでよくそこまで繋がるな…!

■VS『仮面ライダーオーズ/OOO』(以下、『OOO』)

 『OOO(オーズ)』とは<王s(複数の王)>であり、八百年前に錬金術で誕生し、現代に復活した怪人《グリード》達による《オーメダル》の争奪戦が繰り広げられた。オーメダルは《コアメダル》と《セルメダル》の二種類で、グリードは「コアメダルを核、セルメダルを細胞」として構成される。セルメダルを人間の顔に近づけると額に自動販売機のコイン投入口のような穴が開き、そこにセルメダルを入れると《ヤミー》という怪人が生成される。ヤミーは人間の欲望を満たすことでセルメダルを増殖可能で、グリード達は完全体(※コアメダルが全て揃った状態)になるべく暗躍する。

 グリードは、昆虫の王《ウヴァ》、猫科動物の王《カザリ》、重量級の王《ガメル》、水棲生物の王《メズール》、そして鳥類の王《アンク》の全部で五体。その中でも、アンクは現世に蘇った時点で右腕しか実体化せず、ヒロイン泉比奈の兄、泉信吾の肉体を乗っ取って行動している。そして、アンクは《オーズドライバー》という変身ベルトも持ち出していた。それは、コアメダルの力で変身する、八百年前の錬金術師の王の持ち物だった。主人公、火野映司は「変身できる素質がある」とアンクに利用価値を認められ、《仮面ライダーオーズ》として戦うことになる。

 『オーズ』の臍は、力の源コアメダルはアンクが管理しているという点で、アンクと火野映司の利害が一致しないと変身できない所である。

▼アンク :セルメダルを増やすため、ヤミーは遅めに倒したい。
▲火野映司:市民や市街地を守るため、ヤミーは早めに倒したい。

▼アンク :強奪のリスクが高いため、コアメダルは温存したい。
▲火野映司:市民や市街地を守るため、コアメダルを使用したい。

 また、『剣』の剣崎一真&相川始(ジョーカー)&栗原天音の関係性のように、『オーズ』でも火野映司&アンク(泉信吾)&泉比奈の人間ドラマ(摩擦と共闘)が、メインライター小林靖子によって丁寧に描かれ、最終話は『剣』と同じく高評価であった。

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 ところが、ベルトさんと泊進ノ介はギブアンドテイク(持ちつ持たれつ)と言うよりはビジネスライクな主従関係なのである。『キバ』との対決での引用部から、以下のように続くんだけど、

 そして、『ナイトライダー』ではちょっと執事っぽいタイプだったのですが、おそらく主人公よりも上の立場だろう、と。そこで「ライダーに指令をする人」ではどうでしょうか、と大森さんに話したら、「今までにない感じで、おもしろいかもしれないですね」ということになった。『獣電戦隊キョウリュウジャー』で言えば、賢神トリンがベルトになったようなものです(笑)
三条陸仮面ライダードライブ』キャラクターブック VOL.ZERO ~AcceleratioN~』より)

泊進ノ介はベルトさんの指令を淡々と遂行するばかりで、摩擦も人間ドラマも少ないのよね…!というか、今までになくないし、面白くないよねそんなの…!

■VS『仮面ライダーフォーゼ』(以下、『フォーゼ』)

 宇宙。無限のコズミック・エナジーを秘めた、神秘の世界。若者達は、アストロスイッチでその扉を開き、未来を創る!Space on your hand!その手で宇宙を掴め!

 上記は、檜山修之によるナレーションだが、<宇宙>×<学園モノ>という前代未聞な掛け算によって開闢したのが『フォーゼ』である。主人公、如月弦太朗は《仮面ライダー部》のサポートを受け、《仮面ライダーフォーゼ》に変身して《天ノ川学園高等学校》に蔓延る怪人《ゾディアーツ》と戦う。驚嘆すべきは、仮面ライダー部結成の過程を追うだけで、世界観と設定が頭に入ってくることだ。

▲第01話「青・春・変・身」第02話「宇・宙・上・等」
・如月弦太朗(主人公)と、城島ユウキ(ヒロイン)の掘り下げ回。
・天ノ川学園がアメリカンハイスクール風な高校であることを描写。
・主人公&ヒロイン=トラッシュ&ギーク(不良&オタク)と描写。
・番組コンセプトが「宇宙×学園モノ」の掛け算であることを描写。
▲第03話「女・王・選・挙」第04話「変・幻・暗・躍」
・風城美羽(クイーン)掘り下げ回。この回でライダー部の部長へ。
・クイーンフェスで彼女が学園のカリスマ的存在であることを描写。
▲第05話「友・情・表・裏」第05話「電・撃・一・途」
・神宮海蔵(情報通)の掘り下げ回。友情に懐疑的である事を示唆。
・スラッカー(遊び人)パーティ開催で交友関係が広いことを描写。
▲第07話「王・様・野・郎」第08話「鉄・騎・連・携」
・大文字隼(キング)の掘り下げ回。以降パワーダイザー操縦者に。
アメリカンフットボール部の主将かつQB。父親との確執を描写。
▲第09話「魔・女・覚・醒」第10話「月・下・激・突」
・野座間友子(ゴス子)掘り下げ回。オカルティックな才能を発揮。
スクールカーストの負の一面とそれに打ち勝ち克服する姿を描写。
▲第11話「消・失・月・戸」第12話「使・命・賢・命」
・歌星賢吾(副主人公)掘り下げ回。何気に城島ユウキ回でもある。
・ライダー部メンバー全員大活躍!これをもって、ライダー部完成。

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 ところが、特状課のメンバーは1クール目はほとんど活躍しなかった。沢神りんなはハンドル剣やドア銃を提供はすれど開発してる素振りは見せないし、西城究はネットサーフィンしてるようにしか見えないし(たとえハッキングしていたとしても)、追田現八郎に至っては「俺はどんよりなんて信じないぞ!」と言い出す始末。本願寺純も占い頼みだし、中の人の都合で非番になったりするからな…!

 一応、2クール目に個別エピソードが挟まったけど、

▼沢神りんな回
第16話「沢神りんなはなぜソワソワしていたのか」
第17話「デッドヒートを制するのはだれか」
▼追田現八郎回
第18話「なぜ追田警部補はそいつを追ったのか」
第19話「なにが刑事を裁くのか」
▼西城究回
第20話「西城究はいつからロイミュードだったのか」

 ほとんど自力で推理して、片を付けちゃうんだもんな進兄さんが…!

 また、『フォーゼ』では《アストロスイッチ》の力で《モジュールチェンジ》して戦うのだが、スイッチ自体が「子供が触りたくなる」ものの筆頭で、モジュールも消火器・巻揚機・懐中電灯・救急道具・冷凍庫など、子供心を擽るものばかりだ(しかも、40周年記念にちなんで、40個もある!)

【関連】『フォーゼ』スイッチとモジュールと子供の欲望 - 千倍王鷹虎蝗合成獣
【関連】『ドライブ』VS恐怖のズンボガンボロイミュード - 千倍王鷹虎蝗合成獣

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 タイヤって触りたくないし、襷掛けしたくなるもんでもないしな…!

■VS『仮面ライダーウィザード』(以下、『ウィザード』)

 五歳児なら問答無用で『恰好良い!』と思える仮面ライダーがコンセプトの『ウィザード』では、人々を絶望の淵に追い込む怪人《ファントム》と、希望の戦士《魔法使い》の激闘が繰り広げられた。主人公、操真晴人は体内に《ウィザードラゴン》というファントムが内在し、火・水・風・土の属性(スタイル)に多段変身する。初期エピソードの締めの回では各エレメントの必殺技(ストライク)でフィナーレを飾っており(第01話は《フレイムスタイル》、第03話は《ウォータースタイル》、第05話は《ハリケーンスタイル》、第07話は《ランドスタイル》)、序盤の操真晴人はほぼ無敵であった。

 そんな操真晴人の前に立ち塞がるのが《フェニックス・ファントム》だ。フェニックスにはフレイムの斬撃も、ウォーターの銃撃も、ランドの防御も効かず、ハリケーンの奇策で逃げることしかできない。そこで、操真晴人はウィザードラゴンの力を借り、《フレイムドラゴンスタイル》に強化変身する力を得る(それは、自身が絶望に近付き、ファントム化するリスクを負うことを意味するのだが)かくして、操真晴人はフェニックスを倒すことに成功した。

 だが、「不死鳥」の名を冠するフェニックスは、死と再生を繰り返し、復活する度に強化されるという能力を持っていた。中盤、操真晴人はフェニックスと再戦するのだが、以前は効いたはずのフレイムドラゴンの攻撃が通用しない。辛くも、既に獲得していた《ウォータードラゴンスタイル》の力で撃破したのだが、このように、『ウィザード』の戦闘シーンには善戦・苦戦の緩急が存在するのだ。

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 ところが、《ハート・ロイミュード》が初戦闘時にお披露目したのは「捨て身技」で、いきなり《タイプテクニック》とチキンレースするもんだから、強さが今一感じられないのだ。そもそも、進兄さんは敵幹部以外のロイミュードにもしばしば苦戦してるし、ともするとハート様、普段の怪人と強さ変わんなくね…?」という悪印象を抱かれかねない。一応、「戦う度に相手の強さを上回る!」らしいけど口で言うだけだし、《超重加速》の力も一回こっきりだったしね。戦闘シーンに、メリハリが無いのだ。

■決着!『ドライブ』VS「平成仮面ライダー

 まとめると以下のようになる。

特殊状況下事件捜査課 < 未確認生命体合同捜査本部(クウガ
特殊状況下事件捜査課 < SAUL・G3ユニット(アギト(1))
特殊状況下事件捜査課 < 鳴海探偵事務所(W)
特殊状況下事件捜査課 < 仮面ライダー部(フォーゼ(1))
グローバル・フリーズ < あかつき号事件(アギト(2))
グローバル・フリーズ < 渋谷隕石(カブト(1))
三段変形トライドロン < 無双龍ドラグレッダー(龍騎(1))
三段変形トライドロン < 音撃戦士と魔化魍響鬼
三段変形トライドロン < 時の列車デンライナー(電王(1))
どんより、重加速現象 < ミラーワールド(龍騎(2))
どんより、重加速現象 < クロックアップ(カブト(2))
進ノ介とロイミュード < 巧とオルフェノク(555)
死神、魔進チェイサー < ジョーカー(剣(1))
機械人形ラブロマンス < 相川始と栗原天音(剣(2))
整備場ドライブピット < 時の列車デンライナー(電王(2))
ベルトさんことクリム < キバットバットIII世(キバ(1))
ベルトさんことクリム < アンク(OOO)
泊進ノ介と泊英介親子 < 紅渡と紅音也親子(キバ(2))
タイヤ交換シフトカー < MCアストロスイッチ(フォーゼ(2))
ハート・ロイミュード < フェニックス・ファントム(ウィザード)

 それでは、前編で提示したチェックポイントを再確認してみよう。

(1)前作のような過去作品の「縮小再生産」になっていないか?
(2)平成ライダーの伝統という、既成概念の壁を壊せているか?
(3)「三世代(祖父親父息子)をアツくする仮面ライダー」か?
(4)「車にしか乗らない仮面ライダー」は歴史を変えられたか?
(5)「マシンと主人公が共闘する」場面は従来より多かったか?
(6)刑事ドラマならではの謎解きや、事件ドラマは楽しめるか?
(7)1話完結で見やすく、爽快感ある仕上がりになっているか?
(8)男の子心を掻き立てるスーパーマシンが大活躍しているか?
(9)喋る変身ベルトと主人公の掛け合いは注目する程面白いか?
(10)パイロット版の世界観・設定が年間通して活かされてるか?

 全然できてねーじゃん!自分が、『ドライブ』に憤りを感じているのはそこである。

 というわけで、『ドライブ』という作品は、過去作品に縮小に縮小に縮小に縮小に縮小に縮小に縮小に縮小に縮小に縮小に縮小に縮小に縮小に縮小を重ねた、紛うことなき「縮小再生産」でしたとさ。

■VS『仮面ライダー鎧武/ガイム』(以下、『鎧武』)

 『鎧武』に関しては以前こんな記事を書いてるんだけど、

【批判】対決!『鎧武』VS『仮面ライダー』 - 千倍王鷹虎蝗合成獣
【称賛】総括!『仮面ライダー鎧武/ガイム』 - 千倍王鷹虎蝗合成獣

 『クウガ』『アギト』『龍騎』『555』の四作品の縮小再生産な分、『ドライブ』よりマシなんじゃないの?というのが自分の判定です。

[了]