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千倍王鷹虎蝗合成獣

平成仮面ライダーの感想・考察サイト。衒学的で悪し様で居丈高な語り口のブログにようこそ。

対決!『鎧武』VS「平成初期四作」(まとめ)

対決シリーズ 15_鎧武 01_クウガ 02_アギト 03_龍騎 04_555

 『鎧武』「対決!」シリーズ、ようやく執筆完了しました。当初は一箇月くらいで書き上げる予定だったのですが、結果的に二箇月以上かかってしまいました…!本記事、珍しく全文丁寧口調です。

【大元】対決!『鎧武』VS『仮面ライダー』 - 千倍王鷹虎蝗合成獣
【其一】対決!『鎧武』VS『クウガ』 - 千倍王鷹虎蝗合成獣
【其二】対決!『鎧武』VS『アギト』 - 千倍王鷹虎蝗合成獣
【其三】対決!『鎧武』VS『龍騎』 - 千倍王鷹虎蝗合成獣
【其四】対決!『鎧武』VS『555』 - 千倍王鷹虎蝗合成獣

 コメント欄も賛否両論で、どの書き込みも大変興味深く読ませて頂きました。

 ある『鎧武』肯定派の方は、平成初期四作の魅力は一般的なヒーロー像へのアンチテーゼが描かれていることであり、それが「有り過ぎた」のが『鎧武』が客を逃した理由と仰ってました。

(一)クウガ仮面ライダーになると暴力を振るい続けねばならない。
(二)アギト:仮面ライダーになると人間から差別され迫害を受ける。
(三)龍騎 :仮面ライダーになると戦わなければ生き残れなくなる。
(四)555:仮面ライダーになると人間と怪人の境界に悩まされる。

 ある『鎧武』否定派の方は、平成初期四作の魅力は怪人か人間かを隔てるのは心の有り様と描かれていることであり、それが「無さ過ぎた」のが『鎧武』が客を逃した理由と仰ってました。

(一)五代雄介:みんなの涙は見たくない。みんなの笑顔を守りたい。
(二)津上翔一:みんな(人間・アギト・自分)の居場所を守りたい。
(三)城戸真司:ライダーバトルを止めたい。死んでも人を守りたい。
(四)乾巧:同族殺しの罪を背負い続けても、みんなの夢を守りたい。

 両者は、サガラについても意見が割れていました。先ずは、『鎧武』肯定派の方の意見。

 「サガラを悪として倒す」というのは、イコール「サガラを犠牲にして問題を解決する」ということですから、紘汰がそれを自ら選ぶはずはないでしょう。サガラ/ヘルヘイムという一つの生物種を根絶して解決することが是か非か、という問題と捉えれば、例えばウルトラシリーズでは、ウルトラマンティガで怪獣ガゾートの被害を食い止めるために、その元になる生命体クリッターたちを種ごと根絶することが是か非かを問題とする一編があったりして、そんなことまで考えてみると、「サガラを倒さないことが問題である」というのは、そう思う気持ちはわかりますけど、それはそれでアレかな、とも思いますよ^^;( 中 略 )しかし、紘汰が「サガラ絶対に許さねえ!!」で終わったらバッドエンド感を覚えてしまうのは私だけ…?^^; 紘汰は、「ユグドラシル絶対に許さねえ」から「ミッチを許す」に至るという側面でも成長していたようにも思います(劇場版で鎧武・闇となって黒化した時は、戒斗やミッチの態度を許さず見放す態度を取っていて、紘汰自身に殴られてましたね)。

 次に、『鎧武』否定派の方の意見。

 仮面ライダーは人の自由を守るものです。ほぼ無理やり木の実を食わせて生物をインベスに変貌させるのは、ショッカーとやってることは変わりありません。それを放置というのはいかがなものなんだろうと。何より最大の問題点は、ヘルヘイムが倒せない存在だと明言されていないことなんですよね。下手したらキマイラが食い尽くしそうという問題も解決されてない(笑)ただし、きゅうべぇやモノリスみたいに倒しても倒しても再生する描写があれば、私もこの点は黙認したでしょう。ついでに言えばモノリスと異なり、サガラというかヘルヘイムは宇宙からの侵略者にすぎず、どう見ても地球の生態系に不必要というのも痛い。

 どちらも正しいし、どれも間違ってないと思います。ちなみに、自分は「倒さ(せ)なくてもいいけど、一発ぶん殴っておけば視聴者の溜飲は下がったんじゃあないの?」派です(オイ)

*****

 個人的には、『鎧武』は「初期平成仮面ライダーの"精神/作風"に立ち戻る」ことを謳っていた割に、下記事項が実現できていなかったことが問題だと思っています。『鎧武』「対決!」シリーズで批判していたのは、そこです。

(一)『クウガ』の様な「ご都合主義の排除・リアリティの追求」
(二)『アギト』の様な「日常描写・役者監督の演技演出の反映」
(三)『龍騎』 の様な「動機描写・キャラを曲げずに初志貫徹」
(四)『555』の様な「問題提起・テーマを描かずに人を描く」

 ただ、平成初期四作の、以下の点は真似れているんですよね。

(一)『クウガ』の如き「現代の恐怖の反映」
(二)『アギト』の如き「謎伏線鏤めし神話」
(三)『龍騎』 の如き「願いをかけた決闘」
(四)『555』の如き「正義と変身の懐疑」

 かつて、平成一期の『剣』で誰も真似し切れなかったことを、虚淵玄はたった一人で実現したわけです。

【関連】『剣』前半の軌跡と手役の錬金術師と後半の奇跡 - 千倍王鷹虎蝗合成獣

これを踏まえて、『鎧武』の総評を書こうと思います。暫くお待ちください。

■追記(2015/09/13)

 『鎧武』の総括記事です。「対決!」シリーズは、盛大な前振りだったのです。

【総括】総括!『仮面ライダー鎧武/ガイム』 - 千倍王鷹虎蝗合成獣

[了]