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千倍王鷹虎蝗合成獣

平成仮面ライダーの感想・考察サイト。衒学的で悪し様で居丈高な語り口のブログにようこそ。

『ドライブ』感想:第36話「銃弾はどこに正義を導くのか」

仮面ライダードライブ』の感想です。以下、ネタバレ注意。

第36話「銃弾はどこに正義を導くのか」
脚本:長谷川圭一 
監督:山口恭平
*↓東映公式サイト
http://www.toei.co.jp/tv/drive/story/1205858_2271.html

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■お浚い!これまでの『ドライブ』

 『ドライブ』も来週から最終章に突入!というわけで、これまでの『ドライブ』を「お浚い」してみる。自分自身の脳内の整理整頓にもなるし。シリーズ構成的には、「起・承・転・結」四章構成になっていたことが次回予告の第37話で発覚したね。平成二期(主に塚田P作品)は三段構成が多かったけど、編成を変更したのは初回放送日が一箇月延びたからかな?こうして振り返ってみると、第25話以降の「シリーズ新展開」は、テコ入れではなく放送開始前からの予定通りだったのかもしれないね。仮面ライダーが世間に認知されていないと、今回の第36話は成立しないわけだし。

◆第一章
第01話「俺の時間はなぜ止まったのか」~
第11話「暗黒の聖夜を防ぐのはだれか」

◆第二章
第12話「白い仮面ライダーはどこから来たのか」~
第22話「F1ボディでどうやって戦えばいいのか」

◆断章
第23話「悪戯な笑みを止めるのはだれか」~
第24話「なにがマッハを走らせるのか」
『手裏剣戦隊ニンニンジャーVS仮面ライダードライブ 春休み合体1時間スペシャル』

◆第三章
第25話「新たなる闘いはなぜ始まったのか」~
第36話「銃弾はどこに正義を貫くのか」

◆第四章
第37話「究極の味覚を狙うのはだれか」~

 今までのエピソードも「お浚い」してみる。まずは、第一・二章と断章から。下級ロイミュード(スパイダー・バット・コブラ)が犯人だった回や、魔進チェイサーがメインの回は除いています(※第14・15話、第20話、第21・22話)

◆第01・02話
・事件:連続赤色化殺人未遂事件
・犯人:アイアンロイミュード (※モチーフ:格闘家)
・教訓:筋肉を鍛えぬくのはだけど、膂力で暴行するのはである。

◆第03・04話
・事件:幽霊アトリエ事件
・犯人:ペイントロイミュード (※モチーフ:芸術家)
・教訓:女性を絵に描くのはだけど、女性を監禁するのはである。

◆第05・06話
・事件:輸送車連続襲撃事件・爆弾密輸事件
・犯人:クラッシュロイミュード(※モチーフ:解体屋)
・教訓:爆薬で解体するのはだけど、爆薬で破壊するのはである。
・教訓:荷物を運搬するのはだけど、爆薬を密輸するのはである。

◆第07・08話
・事件:連続ビル崩壊事件
・犯人:スクーパーロイミュード(※モチーフ:写真家)
・教訓:真実を写し出すのはだけど、真実を捏造するのはである。

◆第09~11話
・事件:連続放火事件・暗黒の聖夜事件
・犯人:ボルトロイミュード  (※モチーフ:発明家)
・教訓:発電装置を造るのはだけど、停電装置を造るのはである。

◆第12・13話
・事件:地上げ屋襲撃事件
・犯人:ガンマンロイミュード (※モチーフ:保安官)
・教訓:銃で人民を守るのはだけど、銃で人民を殺すのはである。

◆第16・17話
・事件:大規模結婚詐欺事件
・犯人:ボイスロイミュード  (※モチーフ:話術士)
・教訓:美声で悦ばせるのはだけど、美声で勾引かすのはである。

◆第18・19話
・事件:復讐代理人事件
・犯人:ジャッジロイミュード (※モチーフ:警察官)
・教訓:犯人を逮捕するのはだけど、犯人を傷付けるのはである。

◆第23・24話
・事件:連続予告爆破事件
・犯人:シュートロイミュード (※モチーフ:投擲士)
・教訓:世間を賑わせるのはだけど、世間を騒がせるのはである。

 特撮情報誌にて三条陸が下記のように公言しているように、

――最初のゲスト怪人は「アイアンロイミュード」ですけど、今年の怪人は何がメインモチーフになってるんですか?
三条 ちょっと言い方を気をつけなきゃいけないけど、職業怪人というか……スキル怪人ですね。アイアンはボディビルダーやレスラーとか、ああいう鋼鉄の肉体が欲しいという願望を形にしてるんですけど、アイアンみたいに個別の姿を持ったとき、ロイミュードはちゃんとした数字じゃない名前を得られるんです。
三条陸東映ヒーローMAX Vol.50』より)

 ロイミュードには「職業怪人」というコンセプトがあり、前半はそれに則ってホンが書かれていた(という節がある)のだが、第三章(シリーズ新展開)以降はそれが放棄されてしまう。

◆第25・26話
・事件:運囚車襲撃事件
・犯人:ソードロイミュード (※モチーフ:剣)
・概要:市民の生活を脅かす犯罪者は逮捕だ!

◆第27・28話
・事件:住宅街昏睡事件
・犯人:シーカーロイミュード(※モチーフ:魔法・杖)
・概要:市民の生活を脅かす犯罪者は逮捕だ!

◆第29・30話
・事件:連続銀行強盗殺人事件
・犯人:オープンロイミュード(※モチーフ:鍵)
・概要:市民の生活を脅かす犯罪者は逮捕だ!

◆第31~33話
・事件:失踪事件
・犯人:フリーズロイミュード(※モチーフ:凍結)
・概要:親父を殺害した真影壮一は許さねぇ!

◆第34~36話
・事件: 科捜研証拠品盗難事件・特状課篭城事件
・犯人:シーフロイミュード (※モチーフ:盗賊)
・概要:親父を殺害した仁良光秀は許さねぇ!

 要するに、分かり易い方向性(超!勧善懲悪路線)にシフトしたと。ただ、「融合進化態」(犯罪者+ロイミュード)というのは、仮面ライダー(泊進ノ介+ベルトさん&トライドロン)(詩島剛+チェイス)の構図、「人間と機械(マシン)の共闘」という点で対になっているので、これはこれで悪くはないのかなと、最近は思えるようになってきた。「マシンと主人公が共闘する」というのは、番組放送前の記者会見にて大森敬仁が謳っていたことだしね。

大森敬仁プロデューサー(東映株式会社)
仮面ライダードライブ』は、一言で申し上げますと「三世代をアツくする仮面ライダー」です。おじいちゃん、お父さん、お子様と三世代揃ってお楽しみいただけます。また、史上初の“車にしか乗らない仮面ライダー”ということで、色々と葛藤もありましたが、シンプルに言えるのはここ数年の「仮面ライダーシリーズ」の中で最も“マシンと主人公が共闘する”場面が多くなるだろうということです。“ライダー”が“ドライバー”に変わる瞬間、「仮面ライダー」の歴史が変わる瞬間にご注目下さい。

仮面ライダー新シリーズ『仮面ライダードライブ』制作発表会見 レポート! | 東映[テレビ]

 仁良光秀を出した目的はいったい何だったんだろう?分かり易い悪役・憎まれ役を据えて、視聴者のヘイトをそこに集中させて、3人の仮面ライダー(ドライブ・マッハ・チェイス)と特状課「アゲ」をやりたかっただけなのかなぁ…?そこにテーマ・メッセージ性は特に無く?「あんなクズな警察官を登場させるなんて!」と、苦言を呈しているファンもけっこう見受けられたし、あれはホント…何だったんだろう?最初から「泊英介を殺したのはこんなヤツ!」というのは、決まってたのかしら?まぁいいや、こういうのは番組終了後に判ることだから、これ以上は口を噤むことにしよう。

 グローバルフリーズの謎、ハート達の最終目標、約束の数、クリム・スタインベルトの思惑、泊進ノ介は何故ドライブに変身できるのか、詩島剛の残された時間、蛮野天十郎の真意、機械人形とのラブロマンス(チェイス×詩島霧子)、特状課の面々の行末……。割と伏線が残っているけれど、残り十数話でキッチリ回収できそうね。「シリーズ最終章」、見届けていきましょうか。今後の内容の如何によって、『ドライブ』は名作になるかもしれないし、駄作に成り下がるかもしれない(笑)

■対決!「職業怪人」VS「人間に奉仕する存在」

 シフトカーも出揃ったので、タイヤカキマゼール全七種類紹介と共に「お浚い」してみる。

●アタック1・2・3
・マックスフレア   (燃える車)
・ファンキースパイク (棘々の車)
・ミッドナイトシャドー(手裏剣車)

●ピーポーセーバー
・ジャスティスハンター(警邏車)
・マッドドクター   (救急車)
・ファイヤーブレイバー(消防車)

●アメリカンドリーム
・ドリームベガス   (リムジン)
・ディメンションキャブ(タクシー)
アメイジングサーカス(サーカス車)

●コウジゲンバー
・ランブルダンプ   (ダンプカー)
・スピンミキサー   (ミキサー車)
・ローリングラビティ (ロードローラー

●ウェザーリポート
・バーニングソーラー (ソーラーカー)
・ロードウィンター  (雪上車)
・カラフルコマーシャル(広告宣伝車)

●タフガイ
・マッシブモンスター (モンスターマシン)
・フッキングレッカー (レッカー車)
デコトラベラー   (デコトラ

●グランプリ
・マンターンF01  (ピットクルー:給油)
・ジャッキーF02  (ピットクルー:ジャッキ)
・スパーナF03   (ピットクルー:スパナ)

 ロイミュード対シフトカーは、「職業怪人」VS「人間に奉仕する存在」という構図になっているのね。

 オマケでシグナルバイクも「お浚い」してみる。マッハとチェイサーが司るは「道路交通法」のチカラ。シンゴウアックス(信号機)もそうね。

・シグナルマガール  (指定方向外進行禁止(左折限定))
・シグナルキケーン  (警戒標識
・シグナルトマーレ  (一時停止)
・シグナルカクサーン (指定方向外進行禁止(多方面))

 も一つオマケ。タイヤカキマゼールに漢字を当ててみる。俺は中二病

アタック1・2・3
特攻四輪車一二三轟

ピーポーセーバー
人命救助緊急車両

アメリカンドリーム
亜米利加車一攫千金

コウジゲンバー
工事現場重建機

ウェザーリポート
秋霜烈日四季彩々

タフガイ
義勇任侠

グランプリ
世界選手権

■対決!「コスモス(秩序)」VS「カオス(混沌)」

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 人間というのは、“コスモス”より“カオス”を体感したい生き物なのかもしれないね。何故ならば、現実世界そのものは秩序立っているから。「リアル世紀末」な場所も、あるにはあるけれどw

 お手軽にお気軽に“カオス”を体験できるものを挙げてみる。“スリル”と言い換えてもいいかもしれない。

◆絶叫マシーン
⇒加速は恐ろしい!(けどバーあるし少しだけ怖くない!)
◆お化け屋敷
⇒幽霊は恐ろしい!(けど偽物だから少しだけ怖くない!)
バンジージャンプ
⇒落下は恐ろしい!(けど命綱あるし少しだけ怖くない!)
◆動物園
⇒猛獣は恐ろしい!(けど檻柵あるし少しだけ怖くない!)
◆格闘技観戦
⇒暴力は恐ろしい!(けど観客席なら少しだけ怖くない!)
◆ホラー映画
⇒色々と恐ろしい!(けど第四の壁で少しだけ怖くない!)

 この、「恐ろしい!(けど少しだけ怖くない!)」匙加減というか塩梅が、人間を虜にするのである。で、特撮番組って、正にその代表例よね。テレビの向こう側では怪獣や怪人が暴れているけれど、テレビの前では何事も無い。そして、テレビの中の脅威も、ヒーローが収めてくれて架空・現実世界共に「一安心!」と。

 『鎧武』がある一定層に人気があるのは、スリリングで“カオス”に満ちているからなのかもしれない。これと比べると、『ドライブ』は“コスモス”過ぎるのかもしれないなぁ。企画も内容も。

 あの、『W』や『フォーゼ』を手掛けた塚田英明さえも、こんなスタンスだしね。

塚田 (中略)「宇宙」かつ「学園」ドラマをやろうとしたら、最初に結構反対されたんですよね。宇宙にしても学園ドラマにしても予算や手間の問題でいろいろ大変じゃないか、と。でも、そういう反対される要素って多ければ多いほど実はそこが長所なんだと思うんです。厳密に言えば長所になり得る箇所というか、結局そこが全部個性なわけで。(中略)とにかく、そういったところからスタートして、いろんな見方があるとは思うけど『フォーゼ』は成功作として着地できたと僕は思ってますから、そういう意味では、むしろ不安視されたところにこそ勝機があるんだと、今では確信をもって言えます。(中略)今後またライダーなり戦隊なりを手掛けることがあれば、一番最初にみんなから反対されるようなコンセプトを並べて、その先に新しい何かが生まれるんだろうなと、そういう作品作りをやっていきたいなと思いますし、『フォーゼ』とはそういうことを自分に実感させてくれた作品でした。
(塚田英明『仮面ライダーフォーゼ公式読本 FOURZE GRADUATION』より)

■「血反吐をはきながらのマラソン」はこりごり!

 ただ、その“カオス”な状態を、白倉伸一郎は望んでないみたい。

――いやいや、でもやっぱりすごいと思いますよ。シリーズが長く続いてくると、前にヒットしたパターンを踏襲しようとするシリーズのほうが圧倒的に多いと思うんですよ。
白倉 いや、そのほうが正しいと思いますよ(笑)『サザエさん』が理想型なんであって、スーパー戦隊のやり方がいちばん理想というか。お色直しだけで成立するっていうと言葉は悪いんですけど、今度のスーパー戦隊は恐竜だとかサムライだとかって言うだけで、なんとなくイメージが湧くじゃないですか。(中略)だけど、ライダーはまだそこまで行ってない。探偵物とか学園物とか魔法物とか、いわゆる○○物っていうのを『W(ダブル)』以降はやってて、それはスーパー戦隊と同じつくり方なので、だいぶ理想の状態に近づいてはきてるなって思いつつも、いまだにイメージが湧かない。(中略)スーパー戦隊だったら「今度のスーパー戦隊は鎧武者です」で済まされたことが、それで済まされないんですよね。スーパー戦隊だったら1ネタで済むところが、2ネタになっちゃう。
 「鎧武者です、フルーツです」って。これがどっちか片方だけでもイケるようになってくれるといいんだろうけど、そこまで行くにはあと5年以上はかかるでしょうね。
――ただ、その何をやるのかまったく予想できないところが、僕らファンにとっては、平成仮面ライダーのいちばん刺激的で面白いところなんですけど(笑)
白倉 よくわかんないから「は?フルーツ?」「宇宙?」って一回、驚いてもらわなきゃいけないってことになっちゃうんですよね。鎧武者とか学園とかって題材だけではイメージが湧かないから、イメージが湧かないことを逆手に取って「イメージが湧かなすぎる!」まで振らないと振り向いてもらえない。っていうのは、いまだに抜けきらない、30年間に渡る日曜朝8時枠の呪いってことになろうかと。
(中略)
――今後の目標も、この日曜朝8字枠を守っていくこと?
白倉 それはそうです。そのためには、作品性としてはいかがなものかなって個人的にも思うんだけど、お色直しで済む「偉大なるマンネリ」になんとか持ち込めたほうがいいなって思ってるんですけどね。
 「今度のライダーはフルーツだ!」の一言で内容がわかって「えっとそこにですね、鎧武者とダンスを足して……」とかって説明がいらないような状態になんとか持っていけないのかなと。
 ただし、自分でやると、おそらくそういうものにはならんので、半年くらい離れたところから、そういう風にならないかなぁって見ていたいというか(笑)。
白倉伸一郎『語ろう!555・剣・響鬼【永遠の平成仮面ライダーシリーズ】』より)

 散々“カオス”な『仮面ライダー』を送り込んできたのに(笑)それ故に、後進には苦労させたくないんだろうけどね。『ドライブ』は、「コスモス(秩序)」VS「カオス(混沌)」の過渡期にあるのかもしれない。

 ……うん、久々にマトモな感想記事を書いたような気がする(笑)

[了]

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