千倍王鷹虎蝗合成獣

平成仮面ライダーの感想・考察サイト。衒学的で悪し様で居丈高な語り口のブログにようこそ。

対決!『鎧武』VS『仮面ライダー』

 はい突如始まりました「対決!」シリーズ。これは、『仮面ライダー鎧武/ガイム』(以下、『鎧武』)と旧作を比較して徹底的に叩きのめすというコーナーです。これ含めて全五回予定。ネタバレありまくりなのでご注意を。「お前、つい最近『作品を批判するのが忍びなくなってきた』とか言ってたじゃねぇかよ!」と突っ込む方もいらっしゃると思われますが、なんか吹っ切れた。

※うだうだ言っていたのはこの感想記事です。
【参考】『ドライブ』感想:第30話「真犯人を語るのはだれか」 - 千倍王鷹虎蝗合成獣

 何故これを書くのかというと、自分は『鎧武』はそこそこ好きだけど、どちらかと言うと「否」の立ち位置だから。例えば、冬映画『MOVIE大戦フルスロットル』とVシネマ『鎧武外伝』の感想記事はけっこう好意的に書いてるんだけど、あれは「批判ばかりでなく、称賛もせんとな」という自分のスタンスからそういう風にしただけであって、テレビ本編の内容に関しては「・・・・」状態なんですよ。このブログにコメントをくださる方は『鎧武』ファンも多いので若干気が引けるんですけど、それでも敢えて言わせてもらおう。『鎧武』はしょーもないよホント!

 俺が知る中で「最も『鎧武』を嫌悪している」ブログの総括から、『鎧武』の問題点を挙げると以下のようになる。
(一)不快な主人公(葛葉紘汰は特撮史上最低最悪の主人公!)
(二)不快な登場人物(ザックと戦極凌馬以外のキャラは糞!)
(三)不快な脚本家(虚淵玄はヒーローを小馬鹿にしている!)
(四)不快な台詞回し(「希望病原菌」「大人が云々~」等!)
(五)工夫無き食事シーン(『555』『カブト』を見習え!)
(六)マナーの悪いファンとアンチ(ほんわかレス推奨です!)
(七)怪人の扱いが悪い(インベス・オバロの存在意義無し!)
(八)恐怖の演出が足りない(怪人・植物化の描写が少ない!)
(九)最大の問題が置き去り(諸悪の根源、サガラを倒せや!)
(十)初期平成仮面ライダーが何たるかが全く解っていない!
実によくまとまってる。至極御尤もな批判ばかりだ。自分は、これら一つ一つに対して反論する気は毛頭ないです。俺もそう思ってるしね半分くらいは。特に共感するのは十番目の問題。前述したブログは「無断転載&引用、いずれもOK!!」を謳っているので、ここに引用させていただく(※適宜、改行を外しています。)

【引用元】仮面ライダー鎧武総括 | 無手札な徒然ダイアリー☆

 それにしてもクウガ~555の、平成ライダー初期を勘違いした人間の多いことには呆れましたよ。「欝展開」「ライダーバトル」「シリアスな人間ドラマ」こればかりがこれらの作品の味だと思ってらっしゃる方の多いことやら…。違うでしょ。それだけだったら、そのへんの昼ドラでもできます。仮面ライダーでやる必要なんてない。クウガ・アギト・龍騎・555の、この四作の本当の魅力はこれじゃない。それは、理不尽な世界や状況に陥っても、人として大事なもの、心の強さや優しさを捨てなかった者達の、美しさや哀しさ、儚さや切なさでしょう。

理不尽な殺人によって涙を流す人を見たくないから戦うと決意した五代雄介、
悩みつつも人のためアギトのため戦い続けた主夫の翔一くん、
苦悩し続けるも死ぬまで人を守るため戦い続けた真司、
誰かを死なせないために、迷いを振り切り同族殺しの罪を背負い続けることを誓った巧。

誰も彼もが美しかったです。この点を理解してない馬鹿が増えたから、鎧武みたいな駄作以下の作品ができたわけですよ。

 そう、何かね、みんな勘違いしてるのよ。視聴者だけでなく、制作陣ですら。「初期平成仮面ライダーがヒットした要因」を!だから、上記の見解には完全同意。俺も『鎧武』放送当時、「これぞ平成一期のノリ!さすうろ!」と一部のファンから評されていたことに違和感を覚えたし、疑問を抱いていたからね。あと、「平成一期『っぽい』ことをやってはいるけど、どうも面白くないなぁ」というファンも、少なからずいたと思うのよ。「じゃあ何が違うのか?」浮き彫りにしたいのは、そこよね。それを紐解いていこうというのが、この「対決!」シリーズの趣旨です。はい、それではガンガン行きますよ。

■先人!セオリーとの戦い

 まずは、先人の「泣き虫プロデューサー」こと、平山亨(ひらやまとおる)氏の言葉を引用させていただく。

 何年も『仮面ライダー』シリーズを続ける中で、ひとつの型というかセオリーができ上がってしまう。番組は営業的に成功しているわけで、発注側の毎日放送はそれを変えたくない。マンネリといわれても同じことを続けていきたいんだ。ところが、私はセオリーをぶっ壊して従来の路線からいかに脱却するかということばかり考えていた。当然ながら会議とか打ち合わせで何度も衝突した。毎日放送は頭が切れて弁の立つ人が多く、ちょっとでも理に合わないところがあるとそこを突いてくる。(中略)彼らにすればセオリーは唯一の成功方式なんだ。(中略)番組のセオリーを壊して再構築するのは、自分のやってきたことを自分で否定することに等しい。もともと『仮面ライダー』は苦戦続きの枠で奇跡を起こすため、当時人気のスポ根の要素を取り込んで製作した。(中略)スポ根の全盛期が去った今、新たなセオリー作りに取りかかるのは決して恥ずかしいことじゃない。ただ、以前の自分を否定するのは必要以上にエネルギーが必要だね。
(平山亨『泣き虫プロデューサーの遺言状~TVヒーローと歩んだ50年~』より)

 『鎧武』の「対決!」シリーズは、これを意識して読んでみてね。

■戦犯!平成仮面ライダーの母(失笑)

 『鎧武』のチーフプロデューサー、武部直美は昭和42年(1967年)生まれで子持ち(長女)の母。『キカイダー01』『アクマイザー3』『特捜最前線』などでメインライターを務めた脚本家、長坂秀佳(ながさかしゅうけい)に弟子入り志願するも、「女は弟子に取らん!」と一括され、「ならば書き物以外で番組作りに携わりたい!」東映に入社したという経緯を持つ。

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「闇鍋の魔女」こと武部直美(イメージ)実際はこんなに可愛くない(失礼)

 その後、着実にキャリアを積み、『アギト』『龍騎』『555』では白倉伸一郎の下でサブプロデューサーを務めた。『剣』では日笠淳の下、宇都宮孝明と共に実質のチーフPポジションを任されるも、「本当は脚本家になりたかった~!」と血が滾ったのか、今井詔二に数々の進言をした結果、作品はとんでもないことになってしまう。

※「とんでもないこと」についてはこちらをどうぞ。
【関連】『剣』前半の軌跡と手役の錬金術師と後半の奇跡 - 千倍王鷹虎蝗合成獣

 これに懲りたのか、以降、武部直美は「脚本家の意向を尊重する」ようになる。例えば『キバ』(メインライター:井上敏樹

「(中略)シナリオ打ち合わせの際には、我々も井上さんの方向性を大事にしつつ、今度は誰の話にしたい、こういう方向性でもっていきたいと提案はします。でも今回の『キバ』は大河ドラマのようなものですので、全体的な話を井上さんに作ってもらいながら、話を進めています。井上さんとは何度も組んで作品を作っていますが、物語の発想という点で我々凡人はあの人には敵いませんので(笑)、お任せしている部分は大きいです。私は、打ち合わせの席でみんながあれもこれも、と言い出すのはよくないと思っているんです。そうなるともう『角の取れた丸いもの』のような作品しかできないんですね。(中略)」
(武部直美『ファンタスティックコレクション 仮面ライダーキバ Fang01』より)

 例えば『OOO』 (メインライター:小林靖子

武部 (中略)ナンでもカンでも自分の意見を押しつけるということはしません。特に『オーズ/OOO』の場合、小林靖子さんという優れたクリエイターさんが組んでくれていましたからね。彼女のセンスなりアイデアの方が間違いなく自分より面白いときは、敢えて私の主張を押し通す必要もなかったんです。(中略)小林さんの場合、それこそ『電磁戦隊メガレンジャー』の頃から10年以上もやってきてるし、キャリアも十分ありますからね。
(武部直美『仮面ライダーオーズ/OOO特写写真集OOO』より)

 確かに、プロデューサーが要望を強要しすぎると、脚本家がブー垂れるんだけどね。高寺成紀に対するきだつよしとか、塚田英明に対する三条陸中島かずきとかさ(笑)ただ、武部直美の場合、脚本家の悪癖が色濃く出てしまったり、展開を軌道修正しないがためにシナリオが破綻したり収容が付かなくなるのが問題なんだよなぁ…!その癖、我を通す時は滅茶苦茶ゴリ押すというね。『キバ』も、メール50通のやり取りの末に、あのハッピーエンドになったという逸話があるからなぁ…!

 『鎧武』(メインライター:虚淵玄)の場合は…言わずもがなよね。

■呪縛!武部直美の「自信作」

 巷では、「武部直美は『電王』に固執し過ぎ」と言われているけれど、実は『キバ』の頃は、武部直美は『電王』に対しては「否」の立ち位置であった。

「(中略)『電王』の場合、戦っているのは良太郎ではなく憑依しているモモタロスたちですから、観ている子供たちが『僕もライダーになりたい』と思ってくれているのかな、という疑問がありました。(中略)それで、渡の成長物語という骨子を作っていったんです。誰かが自分を助けてくれる、というよりは、自分自身で戦うぞ、と思ってほしいんですよ。子を持つ親としては。(中略)昔の仮面ライダーシリーズって、悪が怖かったよなあ、みたいな気持ちがどこかにあるんですよ。『電王』の敵イマジンはけっこう饒舌で、電王との戦いもどこかスポーティで殺伐さが薄くなっていた部分があったんです。それを、ちょっとライダーらしい怪奇的な方向に戻したいと思い、ファンガイアをあのような属性にしたんです」
(武部直美『ファンタスティックコレクション 仮面ライダーキバ Fang01』より)

 ところが、『キバ』は大失敗に終わる。どのくらいかと言うと、次番組は『W』のはずだったのに、『ディケイド』という名の劇薬・カンフル剤を投入したくらい。その後、『OOO』の成功(『W』の猿真似で勝ち取ったものだけど)で気を良くした武部直美は、「敏鬼は才能が枯渇した!時代は靖子にゃんよ!」と思ったのかどうかは知らんが、「わたしのかんがえたさいきょうのかめんらいだーでんおう」を目指し、『特命戦隊ゴーバスターズ』を世に送り出した。結果は惨敗だったけどな!

 「イマジンと同じ、仮面俳優×人気声優の組み合わせ、バディロイドを出したのに、何故…!」ここでキーワードとなるのは、特撮監督たる佛田洋(ぶつだひろし)の言葉である。

「(中略)当時、『電王』はなぜあんなに成功したのかをムックのインタビューで尋ねられたけど、その答えがわかれば毎回大ヒットなわけですよ。だから"まぐれ"って答えたんだけど(笑)、武部さんがその言葉をすごく喜んじゃった。でも、ホントそれしか言いようがないです。電車がこんなに化けちゃうのかって、それは今でも不思議だから。(中略)」
佛田洋『特撮仕事人』より)

 「そうか、『電王』は"まぐれ"当たりだったのよ!だったら…!」こうなると、武部直美が縋(すが)れる過去の栄光は、最早『アギト』『龍騎』『555』、初期平成仮面ライダーしか無かったのだ。

■呪縛!虚淵玄の「お気に入り」

 武部直美は虚淵玄『鎧武』のメインライターに起用した理由をこう述べている。

「初期の平成仮面ライダー作品が持っていた"熱"みたいなものを取り戻したかったんですね。ライダーってこんなこともやるんだって。『555(ファイズ)』の頃までは、翌年もライダーシリーズがあるか分からない、そういう状況の中で作っていたんですね。次は別の特撮番組になるかもしれませんし、最悪は全く別のジャンルの番組になる可能性だってあるわけです。なので、作る側も必至で。ところが現状を見ると、平成ライダーシリーズも10年以上続く定番のコンテンツに成長し、来年どうする?次どうする?という感じになっていて、緊張感のなさを感じたんですね。シリーズ自体がビッグコンテンツになり、関係者も売り上げも当初の規模を遥かに超えた。それはそれで喜ぶべきことなんですけど、シリーズ初期にあった"熱"をなんとか吹き込めないかと。そんな中、話題になっていた『魔法少女まどか☆マギカ』という作品を見て圧倒されて。かつて平成ライダーが持っていたような"熱"を感じたんですね。そこで、虚淵玄さんにコンタクトをとったわけです」(武部)
(武部直美『HYPER HOBBY (ハイパーホビー) 2014年 11月号』より)

 これは、わからんでもない。一見すると、「平成二期」という名のセオリーと戦っているように思える。ところが…!

――敵が企業という『555』との共通点があったり、『鎧武/ガイム』はかなり意識的にこれまでの平成ライダーを踏襲してる部分があったと思うんですよ。1話の冒頭なんて、紘汰が子供に話しかけるところから始まるじゃないですか。あのシーンはもう明確に『クウガ』の1話のオマージュですよね。
虚淵 まさに『クウガ』のマインドをやり直すところから始めようと思ってましたからね。初期平成仮面ライダーに立ち戻りたいという武部さんの思いもありましたし、じゃあそれが筋道じゃないのかな……と思っただけなんですけど、「あれはやりすぎ」って結構言われちゃいましたね(笑)。
――でもまさしくそういう宣言だと思ったので、僕はうれしかったですよ(笑)。ヘルヘイムの森にいた謎の種族「オーバーロード」もグロンギ語みたいな人間とは異なる言語で喋りますよね。あれも?
虚淵 まさしく『クウガ』ですね。やらなきゃ、やらざるを得ないところだと思ってやりました。
虚淵玄『語ろう!555・剣・響鬼【永遠の平成仮面ライダーシリーズ】』より)

 お気付きだろうか?そう、
▲初期平成仮面ライダーの"精神"に立ち戻る(武部直美)
から、
▼初期平成仮面ライダーの"作風"に立ち戻る(虚淵玄
に、すり替わってしまっているのだ。挙句の果てにこの発言である。

――ただ、そういうオマージュだったり、いわゆる本歌取りという手法は、ともするとパクリだの何だのと言われてしまうリスクもあると思うんですけど、あえてそうされたのは?
虚淵 パクリも何も「仮面ライダー」というシリーズの派生物をつくってるんだから、ちゃんと踏襲しないでどうするよってだけですよね。それは儀式であり、やらなきゃいけないことですよと。
 歌舞伎で見栄を切って「パクリだ!」と言われたら「バカじゃないの?」「何を寝言を言ってるんだ?」って話になるじゃないですか(笑)
虚淵玄『語ろう!555・剣・響鬼【永遠の平成仮面ライダーシリーズ】』より)

 ね、寝言を言ってるのはアナタの方では…?だいたい、伝統云々言ってるくせに、『剣』以降は飛び飛びだったり、平成二期作品は全く視てないというのだから、片腹痛いわ。

虚淵玄虚淵) 僕、平成仮面ライダーは井上さんが全話書かれた4作目の『仮面ライダー555(ファイズ)』(03~04年放映)あたりまでは通しでずっと見てました。それを平成仮面ライダーの基本ラインとしていたので、「平成ライダーと言えばこうでしょ」っていうのが頭にあったんですよ。それ以降は見なくなったので、『仮面ライダー鎧武/ガイム』(13~14年放映)も、自分が知ってる平成ライダーをやったつもりだったんですが、なんでこんなに大騒ぎするんだろうなと不思議で(笑)
虚淵玄『ヒーロー、ヒロインはこうして生まれる アニメ・特撮脚本術』より)

■崩壊!終わりの始まり

 『鎧武』終盤の、武部直美のインタビューを見てみよう。

武部●ダンスバトルの表現などは実写では難しいんですよ。『MOVIE大合戦』の冒頭くらい大掛かりにやれば伝わり易かったと思いますが、あの規模のダンスは予算的にもエキストラの人数的にも難しいんです。またヘルヘイムの森のシーンも準備が結構大変なんですよ。過去に仮面ライダースーパー戦隊を手がけてきた脚本家さんは「実写では不得意な画(え)」を知っていますが、今回初参加となる虚淵さんは実写では難しいシーンをけっこう脚本に入れてきましたね。「沢芽市から脱出しようとする人が殺到して道が渋滞する」という描写とか。(中略)アニメにできて実写にできないことはたくさんあります。でも簡単に「できない」とは言わず、色々と工夫して頑張ったことは勉強になりましたし、スタッフも一歩上のレベルに行けたと思います。もし虚淵さんに「これとこれはできません」と表現の幅を狭めるオーダーをしていたら、『鎧武/ガイム』は新しい仮面ライダーにはならなかったでしょうね。
(武部直美『宇宙船 vol.146』より)

 嗚呼~、うん、新しい仮面ライダーねぇ…!(遠い目)それでは、『鎧武』と『ドライブ』のパイロット監督、田崎竜太の『ドライブ』放送直前のインタビューを見てみよう。

――『鎧武/ガイム』からの続投となりましたが、今回の『ドライブ』で意識されたことは何でしょう?
 自分たちが作った作品のコピーにはしないことです。初期の平成ライダーは昭和から続く『仮面ライダー』の持つ根強いイメージ=既成概念を壊しながらも、その時々の視聴者が求めるヒーロー作品として成立させてきたんですよ。ですが、今度は視聴者の中にも作り手の中にも「平成ライダーはこういうものだ」という「平成ライダーの伝統」のようなイメージが出来上がってしまう。特に作り手側は自分のお気に入りや自信作の焼き直しのような作品を作ってしまうという罠が口を開けます。それでは過去の作品の「縮小再生産」に過ぎません。仮面ライダードライブ』は『ディケイド』までを1期として平成ライダー2期の6作目です。先ほどお話しした「縮小再生産」にならないよう「平成ライダーの伝統」という既成概念の壁を壊すことを目指しました。
田崎竜太『宇宙船 vol.146』より)

 『鎧武』は一番最初の時点で敗北してるのよね。セオリーとの戦いに!「初期平成仮面ライダーの"精神"に立ち戻る」というのは、田崎竜太の言葉を借りるならば、
(壱)既成概念を壊し、その時々の視聴者が求めるヒーロー作品として成立させる。
(弐)縮小再生産、自分のお気に入りや自信作の焼き直しのような作品にはしない。
ということでしょ?それが出来ていたのが、『クウガ』や『電王』、『W』よね。これらは、今もなお根強い人気を誇っている。

 もう、「主人公・登場人物・脚本・台詞回しが不快!」とか、「食事シーン・怪人の扱い・恐怖の演出・サガラ置き去り問題がなってない!」とか、そういう次元の問題じゃあない。『鎧武』は、番組放送前から既に崩壊が始まっていたのだ。

■と、こんな感じでやっていこうと思います。

 さっき「反論する気は毛頭ない」と書いたけど、『無手札な徒然ダイアリー☆』さんの『鎧武』批判はね、ファンや信者には通用しないのよ。こんな感じでね。

(一)葛葉紘汰が好き!運命に立ち向かう姿に好感が持てる!
(二)駆紋戒斗も呉島貴虎・光実も、脇役含めてみんな好き!
(三)虚淵玄の脚本が好き!『まど☆マギ』の頃からファン!
(四)台詞回しが好き!戦極の「大人が云々~」には痺れた!
(五)食事シーンが好き!終盤の「姉ちゃんの料理~」で涙!
(六)信者とアンチの争いは『響鬼』の時の方が酷かったよ?
(七)裕也さんや初瀬ちゃん、レデュエはインパクトあった!
(八)ヘルヘイムの森、世界の終わり始まる侵略は恐かった!
(九)サガラは完全なる悪とは言い切れないんじゃないかな?

 「俺は○○が嫌い!」という意見は、「私は○○が好き!」という人には通じないのだ。だって、好きなものは好きなんだからしょうがないじゃない?

 ただ、『鎧武』を「初期平成仮面ライダー」と一緒くたにされたくないよね。月と鼈、雲泥の差だから。俺がこれを書くモーティヴ(原動力)は、それかな。残りの「対決!」シリーズですが、書き上がり次第逐次ここにリンクを乗せていこうと思います(※2015/08/29に執筆完了しました。)

sebaooo-tatoba-combo.hatenablog.jp

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■求募!反対意見

 「対決!」シリーズでは、賛同より反対意見が欲しいと思っています。何故かと言うと、『鎧武』はアンチも多いけど、信者やファンも沢山いるから。じゃあないと、『鎧武外伝』なんて出ないよ。自分は、「何故『鎧武』に心を掴まれる人がいるのか?」も、ゆくゆくは記事にしたいと思っているのです。『クウガ』『アギト』『龍騎』『555』との比較は別記事でやるので、本記事に思う所のある方は、「平成二期作品(『W』『OOO』『フォーゼ』『ウィザード』)より『鎧武』の方が優れているぜ!」という想いがあれば、その丈(たけ)をコメント欄に書きこんでください。『剣』~『ディケイド』との比較でもいいです。現行作品(『ドライブ』)もOK。だけど、悪口・罵詈雑言は駄目よ。他人を不当に貶める発言はNG。あまりに暴言が過ぎる場合は、非承認とさせて頂きますのでご了承ください。

■追記(2015/08/29)

 『鎧武』のビートライダーズが、元々の構想ではダンサーではなくカラーギャングだった、というのは有名な話である。街に愛される、歓迎される趣味人ではなく、チーム・レッドホットの曽野村のように「大人の支配に抗う、反体制的な若者」にしておきたかったと、虚淵玄は愚痴を溢していた。

虚淵 (中略)『鎧武』の場合、時代性を表す要素はダンスですね。チーム同士のダンスバトルって、要は子供同士のいらん喧嘩、縄張り争いです。物語上、縄張り争いさえできれば何でもよかったから、別にストリートのペインティングでもいいんですけど、それだと法律的にダメで。でも、その縄張り争い要素すら結局は禁じられちゃったので、なぜか町の公認のステージで市民に愛されながら踊っている若者たちっていう、よくわからない位置づけになりました。数年後に『鎧武』を誰かが見直したとき、『ダンスバトルか。ふーん……』って言われちゃうかもしれないですけど、それはそれでよかろうと思っています。それが描きたいことの本質ではないですから。
虚淵玄『ヒーロー、ヒロインはこうして生まれる アニメ・特撮脚本術』より)

 ところが、かつてダンスをヒーロー物に取り込もうとした男がいた。『バトルフィーバーJ』を企画した、平山亨である。

 映画の『サタデーナイトフィーバー』にヒントを得て、『バトルフィーバー』を、亮徳さんに提案すると「おう、サタデーナイトフィーバーだな」と喜んでくれた。
 「バトルフィーバー」では、それぞれの国のダンスを踊って出てくる。ダンスの動きが闘い、アクションの源。吉川英治の『宮本武蔵』の中に、踊りの名手である吉野大夫が舞を舞うのを見て、武蔵が「打ち込む隙がない」と愕然とし、吉野大夫に教えを乞うというのがある。踊りは剣の名人につながる。この線を狙っていた。
 私の失敗であったが、前振り、根回しを忘れていた。初号試写の時、亮徳さんが「踊りってのは何ごとだ。そんな軟弱なもの」と怒り出した。「ダンスの名手ってのは強いんだ」と説明したが、「俺は気にいらねえ」。
 一戦交える気迫でやれば良かったのだが、忙しい最中、一戦交えるのが嫌で、しかも亮徳さんはいったん言い出すと聞かない。仕方なく踊りの部分をカット。その結果、ポーズの意味が判らなくなってしまい残念。頑張っていれば踊りからくる新しいアクションの可能性が開けたかもしれない。
(平山亨『泣き虫プロデューサーの遺言状~TVヒーローと歩んだ50年~』より)

 ダンスとて、描こうと思えばこれだけ描ける。描けるのだ。

■追記(2015/09/06)

 『鎧武』「対決!」シリーズの、補足とまとめ記事です。

【補足】 対決!『鎧武』VS『仮面ライダー』(補足) - 千倍王鷹虎蝗合成獣
【まとめ】対決!『鎧武』VS「平成初期四作」(まとめ) - 千倍王鷹虎蝗合成獣

■追記(2015/09/13)

 『鎧武』の総括記事です。「対決!」シリーズは、盛大な前振りだったのです。

【総括】総括!『仮面ライダー鎧武/ガイム』 - 千倍王鷹虎蝗合成獣

[了]