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千倍王鷹虎蝗合成獣

平成仮面ライダーの感想・考察サイト。衒学的で悪し様で居丈高な語り口のブログにようこそ。

『キバ』喋る愛玩動物と持つ者持たざる者と可愛いは作れる

 キバットバットIII世(以下キバット)って可愛いよね。俺はリュウタロスを可愛いと思ったことは一度もないけれど、キバットは素直に可愛いと思うんだ。というわけで、キバットについての話です。

 ※今回の記事は『仮面ライダーキバ』(以下『キバ』)のネタバレがあるので未視聴の方はご注意ください。

■喋る変身ベルト

 「\カメンライド/\ディディディディケイド!/」「\サイクロン!/\ジョーカー!/」「\タカ!トラ!バッタ!/\タ・ト・バ!タトバ、タ・ト・バ!/」「\シャバドゥビタッチヘーンシーン!シャバドゥビタッチヘーンシーン!シャバドゥビタッチヘーンシーン!/\フレイム/\プリ~ズ/\ヒー!ヒー!ヒーヒーヒー!/」「\ロックオン!/\オ~オ~♪オ~オ~♪オ~オ~♪/\ソイヤ!/\オレンジアームズ!花道オンステージ!/」……うん、最近の変身ベルトはうっおとしいですね。話すし歌うし法螺貝の喇叭の音は鳴るし。最早毎年の新作発表会の風物詩になっていると思います。「今年のベルトはどれだけ五月蠅い奴なんだ!?」というのはw『ドライブ』のドライブドライバー(クリム・スタインベルト)も喋る喋る!劇中の台詞めちゃんこ多いもんねw

 しかしですよ皆さん!なんか忘れ去られてる気がするけど、「喋る変身ベルト」の先駆けは『キバ』のキバットですよ!キバットがいなかったら、「スーパーマダオタイム」も「歌は気にするな!」も「黙ると死ぬベルト」も「私の趣味だ、いいだろう?」も生まれなかったわけよ!ただ、キバットが誕生するまでには、色々紆余曲折があったようだ。以下、『キバ』関連書籍からの引用。

早瀬「『電王』を意識することで実現した初めての試みに"喋る変身ベルト"があります。これは『電王』でも突出した人気を得たイマジンたちに対抗するキャラとは何か?ということから生まれた考えです。実は、変身ベルトを喋らせるという発想は今回が初めてではありません。『カブト』のカブトゼクターがそうです。ただ、『平成仮面ライダー』の世界観にはふさわしくないのではとの理由でボツになったんです。いわばNGワードになっていた。ですが、イマジンは喋ったことで人気を得たわけですから、それを意識して、じゃあベルトが喋ってもいいんじゃないかと、今回の採用になりました
(早瀬マサト『ファンタスティックコレクション 仮面ライダーキバ Fang01』より)

阿部 相棒キャラが変身ベルトになるというアイデアは、ライダーの企画会議では毎年出てくることなんです。だけど、主人公とマスコットキャラがお喋りする画というのは、平成仮面ライダーの雰囲気の中ではなかなかやりづらいということで、毎年お蔵入りになるんです。ただ、昨年の『電王』で相棒キャラみたいな存在が認知されたなぁという背景もあり、今年ならそういう相棒とヒーローの掛け合いみたいなところをやれるんじゃないかと。
(阿部統『仮面ライダーキバ 公式読本 KIVA LUNATIC ARCHIVES』より)

 …なんか「『電王』なくして "喋る変身ベルト" は生まれなかった!」みたいに読めるけど気にしない!

 ■その血の運命~BLOODY STREAM~

  白倉伸一郎井上敏樹の作品は、「人間ドラマと戦闘シーンがスパッと切り分けされている」ことが多い。例えばこんな風にね。
『アギト』:超能力者のテレパシーを津上翔一が受信。⇒ 戦闘シーンへ。
龍騎』 :鏡の前で変身ポーズ。ミラーワールドへ。⇒ 戦闘シーンへ。
『555』:「たたたっくんおおるオルフェノクが!」⇒ 戦闘シーンへ。

 『キバ』もその例に漏れず、紅音也が作ったヴァイオリンの音色が流れたら、それは戦闘シーン突入の合図だ。そして、紅渡はキバット「ガブッ!」と噛み付かれることによって魔皇力を注入され、キバに変身する。名器ブラッディ・ローズと同様に、キバットは「普段は気弱な主人公」を戦闘に駆り立てるための舞台装置でもあるのだ。この点は、『キバ』でパイロット監督を務めた田崎竜太も利点として挙げているね。

――(中略)紅渡のキャラクター設定というのは、どういうふうに作っていったんですか?
井上 主役をどんなヤツにするかっていうのは、いつも一番悩む。今回は、だんだん世界に触れて成長していくというところから逆算して、世の中に対してすごく閉鎖的な主人公にしてみたんだ。「この世アレルギー」って、もう究極じゃない?(笑)石田(秀範)監督からは「ちょっと『電王』(の主人公)に似てるんじゃないか」と言われたんだけど、まったく意識してなかったんだよね。俺、『電王』は観てなかったから。だからよく知らないんだけど、「この世アレルギー」っていうほど極端なのは、まだ誰もやってなかったんじゃないの?
田崎 最初は「お化け太郎」ですからね(笑)。でも1話から戦いを見せていくわけですから、ずっと引きこもらせることはできない。そこでハーフという設定が活きてくるんです。変身してしまえば「吸血鬼」の部分が前面に出てくる。日常の渡とは違うという解釈でした。
井上敏樹田崎竜太仮面ライダーキバ 公式読本 KIVA LUNATIC ARCHIVES』より)

 …けど敏鬼よ、「ゴミを漁って魚の骨を拾って回る」主人公はやりすぎだろ(笑)『キバ』はね、アレで大半の客を逃しちゃったと思うのよ。あれは引かない方がおかしいw響鬼』のパイロット版の冒頭の「おはよう♪」を視た時くらい、継続視聴するか否かを迷う演出だよ…!余談だけど、あれは佐橋俊彦&石田秀範による悪ふざけなので、きだつよしは悪くないのです…。

仮面ライダー響鬼の脚本を担当した時、
ミュージカル調のシーンが知らないあいだに加筆されていて、
「演劇畑の人間が書くとこうなるのか。ふざけてる」
みたいな感想を見た時は本当にイヤだった(笑)。

劇作家と脚本家は似て異なるもの | きだつよしBlog 不屈夢走

■1986年は「誰もが変身できない」時代

 白倉伸一郎井上敏樹の作品は、「誰でも(条件を満たせば)変身できる」ことが多い。『アギト』では氷川誠だけじゃあなく、北條透や尾室隆弘、果てには津上翔一もG3に変身するし、『龍騎』は神崎士郎と契約すれば仮面ライダーの資格を得られる。『555』なんかは正に「人間も怪人も仮面ライダーに変身して戦う」というのが一つのテーマになってるわけだしね。

 ところが、『キバ』という作品では、キバに変身できるのは紅渡ただ一人だけだ。これは、井上敏樹作品では珍しい。しかも、その理由が「融合係数が高いから」でも「鍛えているから」でも「完璧超人だから」でも「特異点だから」でもなく「血統」だからね。なんか、らしくないよね(笑)その反面、「誰でも変身できる」という要素は、イクサに委ねられている。2008年(現代)には、名護啓介だけでなく、麻生恵や襟立健吾、ファンガイアたる糸矢僚までもが変身している。

 しかし、1986年(過去)にロールアウトされたばかりのイクサシステムは、「誰でも変身できる」ものではなかった。過去編で次狼やルークがイクサに変身して戦えるのは、彼らがウルフェン族やファンガイアで強靭な肉体を持っているからであり、普通の人間たる麻生ゆりは、その負荷に耐えられないのだ(まぁ、第31話「喝采・母に捧げる変身」では麻生ゆりもイクサに変身してるけど。あれは敏鬼のサービスだね。)ましてや、キバットバットII世の魔皇力注入によって過去キングが変身するダークキバなどは言わずもがなである。1986年は「誰もが変身できない」時代なのだ。

 だが、紅音也だけは例外だ。彼はイクサの過負荷にも耐え抜くことが出来、終盤にはダークキバにまで変身してしまう。普通ならばありえないことだ。凡庸で雑な言い方をすれば、「天才」故にそれらが可能だったんだろうけど、メタ的に考えると、紅音也は人間とかファンガイアとか、誰にも「境界線を引かない」からこそ、何にでも変身できたんだろうね。キバット族の力によってキバに変身できるのはファンガイア、しかもその「王」だけというのが『キバ』世界の大前提だけど、それを覆してしまえるからこそ紅音也という存在が光り輝く。キバットは、そんな効果をも『キバ』に与えてくれたのかもしれない(まぁ今回の件はキバットの父ちゃんの話だけどさ)

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 「怪人の王妃を寝取る仮面ライダー」が視れるのは『キバ』だけ!

■「可愛いは作れる!」

 以下、『キバ』公式読本のPLEXのライダーデザインチームの総括的発言を引用。

――(中略)今年のアイテムは基本的にチャーミングですよね(笑)。
阿部 それは、やっぱりベルトから武器に至るまで、基本的にキャラクターだというのが大きいと思います。
菊地 今年は武部プロデューサーが初チーフを務められたので、女性ならではの感性というか、こちらの提案に今までにはない意外な答えをいただいたりして、非常に楽しく勉強させていただきました。
阿部 判断基準としてカワイイかカワイくないか……この「カワイイ」というのは、丸っこいとかそういうのとはちょっと違って、キャラとして愛せそうかどうかという意味です。で、キャラ愛的なところで判断をなさってるところが多いのかなというふうに思いました。「商品としての遊び方」「作品中での使いやすさ」とか、もちろんそういうことも全部含めて考えてくださるんですけど、番組中でどういうふうにこのキャラをカワイく愛されるキャラにしていけるのか、みたいなところに、たぶん重きを置いていらっしゃったんじゃないかと。そこが、例年とはまた違った『キバ』の特徴だったように思います。
(阿部統、菊池和浩『仮面ライダーキバ 公式読本 KIVA LUNATIC ARCHIVES』より)

 …うん、みんな大変だったろうな…!(同情の眼差し)この、「カワイイか(キャラとして愛せそうかどうか)」というのは、感情・感覚・感性的なものであり、そこに理論・理屈・理性的なものは一切皆無なので、男性陣が女性たる武部直美の意向(趣味嗜好)を汲み取るのに悪戦苦闘しただろうことは想像に難くない。だって、「もっとカワイく!」「もっとキャラとして愛せるように!」とか、超・曖昧なオーダーだもんね!こんなん人それぞれだし、しんどかったろうなぁ…!かぐや姫だってもう少し具体的な注文するよ(笑)「金銀宝石でできた木の枝を~」とか「燃えない布を~」とか「龍の首の珠を~」とかさw

 俺が武部直美アンチなのは、こういった所に起因している、というのもある。まぁでも、『電王』のタロスズには全く心が動かされなかった俺が、『キバ』のキバットには確かに心惹かれるものがあったんで、「カワイくて愛されるキャラを~」というのは一応成功している、のかもしれない。「可愛いは作れる!」というヤツですな(違う?)

■まぁ問題もあるんだけどな!

 『キバ』の公式読本の特徴は、役者さんや制作陣の不平不満、愚痴や文句が多いことwまぁ、俺が穿った見方をしてるだけかもしれんが…!まずは、野村静香を演じた小池里奈のインタビューを見てみよう。

――あと、心残りがあるとすれば、静香的に結局解明されなかった謎が、静香とキバットの関係……。
小池 それは最後までに絶対明かされるだろうと思ってたんです。でも、結局明かされなくて……。普通の人だったら、もしキバットが当たり前にそこにいたらビックリしますよね。だから、もしかしたら静香は小さいときから渡の家にいて、ずっとキバットを見てるから平気なのかな?と思ったり……。途中で急にタツロットが現れても全然平気なんですよね。だから、ある意味静香はすごく鈍感な子なんだなって(一同大爆笑)
――そういう解釈なんだ(笑)。
小池 ホントはどうなんだろ?すごく知りたかったですねー(しみじみ)。渡がキバだってことも絶対いつかはわかるんだろうなって思ってたんですけど、近くにいる人って意外に気づかないかなって思ったりもして。そう言えば静香って一回ファンガイア見てるじゃないですか、8話でレストランに行ったときに。で、渡が助けてくれるんだけど、すぐにいなくなって、あのあとのことに気になるし、わからないこと結構いろいろありますね(笑)。
小池里奈仮面ライダーキバ 公式読本 KIVA LUNATIC ARCHIVES』より)

 お次は、真夜(過去クイーン)を演じた加賀美早紀のインタビュー。

――あと、ちょっと細かい話ですけど、45話でキングに「音也に会ったら太牙を殺す」と言われますよね。で、そのキングが真夜からファンガイアの力を奪ったら、そんな真夜への仕打ちが気に入らなかったキバットバットII世がキングを裏切るという事態に発生して(笑)。
加賀美 そう、キング裏切りましたよね!(笑)
――こっちはキングに仕えるキバットバットII世というイメージだったから、あれ?キングより真夜との絆!?みたいな驚きがすごくあって(笑)。
加賀美 ちょっとそこ面白かったです。だから、キングが一番可哀想だなって思いましたけど。そこは新納さんとも「おいおい!」って(笑)。新納さんは「キバットバットにも裏切られて、なんなんだよ!哀しい!」って。
――キバットバットII世的にボスはキングじゃなかったという。
加賀美 面白かったです。だって台本見たとき笑いましたもん(笑)。そっちなんだ!と思って。
加賀美早紀仮面ライダーキバ 公式読本 KIVA LUNATIC ARCHIVES』より)

 要するにね、キバット族と劇中の登場人物との「関係性」が今一よくわからんのよね。ここ、もう少し掘り下げてほしかったかな。

 あと、高岩成二はやり辛かったみたいよ、『キバ』。

――今回のキバ役は高岩さん的にいかがでしたか?
高岩 個人的に思うのは、キバをちょっと紅渡に近づけきれなかったんじゃないかと。キバでお芝居部分が基本的になかったんですよね。変身したら戦いに入って、お芝居は変身解除して(瀬戸)康史がやる。戦ってるのが普段の大人しい渡なのか、体の中でファンガイアの血が動き出した渡なのか。どうしようと思ってそこをプロデューサーに聞いたら「ハーフ&ハーフで」って言われて「えー!」って(一同笑)。康史とも「変身したら渡ってどうなると思う?」って話をしたんですけど、考えたら最初の頃はまだファンガイアかどうかも明かされてないし、その状態のまま夏の劇場版辺りまでいっちゃったんですよ。さらに映画で飛翔態……鳥になっちゃいましたからね。「えらいことになってるな」と思って(一同笑)。それで後半になって、渡がファンガイアだとわかってからも、とりあえず渡でいこう、と。これは今までにないパターンだった。そういう意味では、ちょっと戸惑うことが多かったですね、今年1年は。
高岩成二仮面ライダーキバ 公式読本 KIVA LUNATIC ARCHIVES』より)

 「ハーフ&ハーフ」とか…!そこはきちんと指針を示せよ武部直美…!演者を困らせるんじゃねぇよマジで。

■オマケ:アームズモンスターについて

 この記事を書くまで全く気付かなかったんだけど、『キバ』って「武器から建物まで一事が万事全部キャラクター」という特徴があるのね。

菊地 今回はベルトもキャラクター……というか、武器から建物まで一事が万事全部キャラクターなので、かなり石森プロさんと密に作業を進めていきました。たとえば『電王』の電車の場合は細かいところは基本的にこちらに任せてくださった感じなんですが、今回はそれぞれのキャラクターに対して「ここはこうで」というアイデアやご指摘を多々いただきましたね。
阿部 たとえば、キバットの目の縁に黒い溝をつけて「ちょっとライダー度を上げましょう」みたいな。細かいところで言うとそういう話もしましたし、ガルルセイバーやバッシャーマグナムについてる顔一つとってもやっぱりキャラクターになるので石森涙ラインを入れましょうとか。
(阿部統、菊池和浩『仮面ライダーキバ 公式読本 KIVA LUNATIC ARCHIVES』より)

 イクサは違うけど。でもパワードイクサーは首長竜モチーフだな。ほとんど出てこなかったけど。

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 バイクも違うかな。ただ、マシンキバーは「内部に馬型モンスターの脳が収納されている」という設定があるし、ブロンブースターは一応キャラクターか。まったく出てこなかったけど。

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 まぁこれはね、どう考えても井上敏樹が悪いよ(笑)あの人は販促に興味無さすぎだwただ、「アームズモンスター」については企画段階で問題があったんじゃあないの?と自分は思っているので補足としてここに書きます。まず、大人気を博した『電王』のタロスズを詳細に見てみよう。

▲『電王』のタロスズ
【怪人態】 :モモタロス/ウラタロス/キンタロスリュウタロス
【大分類】 :イマジン(共通)
【モチーフ】:桃太郎(鬼)/浦島太郎(亀)/金太郎(鉞)/竜の子太郎(龍)
【固有武器】:モモタロスォード/ウラタロッド/キンタロスアックス/リュウボルバー

 うぅ~む。非常にシンプル!統一感があるし、研ぎ澄まされてるね。惜しむらくは、キンタロスの武器名が「キンタラックス」じゃあないこと(笑)はい、それじゃあ『キバ』ね。

▼『キバ』のアームズモンスター
【怪人態】 :ガルル/バッシャー/ドッガ
【大分類】 :ウルフェン族/マーマン族/フランケン族
【モチーフ】:狼男/半魚人/フランケンシュタイン
【人間態】 :次狼(松田賢二)/ラモン(小越勇輝)/力(滝川英治
【彫像態】 :彫像態(バロック調)/彫像態(ロココ調)/彫像態(ゴシック彫)
【武器形態】:魔獣剣ガルルセイバー/魔海銃バッシャーマグナム/魔鉄鎚ドッガハンマー

 散漫すぎだろ…!タロスズは、基本的に「韮沢靖がデザインしたビジュアル」のみが我々視聴者の目に映るのに対し、アームズモンスターは様々な姿形に変身・変化・変形するため、一つ一つの印象が薄れてしまうし、何より…覚えづらい!ただ、前作との差異化を図ろうとすると、「数を増やす」という方向に進むしか、なくなってしまうんだろうねどうしても。スタッフも、そこが反省点だったと自認している。

――続く『キバ』については?
野中 ほとんどを若いスタッフに任せていた番組ですね。ガルル、バッシャー、ドッガはモモタロス達の延長線上にいるキャラですが、差別化のため、人間態と怪人態、彫像態、武器形態と四つの姿を持っていて、やや影が薄くなってしまったかなと。少し焦点が合わせづらかったかもしれないですね。
(野中剛『仮面ライダーディケイド&平成仮面ライダーシリーズ10周年記念公式読本』より)

 あと…。『キバ』最大の不幸は、折角武部直美がバンダイや石森プロと二人三脚で「カワイくて愛されるキャラ」を作り上げたにもかかわらず、メインライター井上敏樹が、それを動かすことに興味を抱かなかったことよね。敏鬼が書きたいのはあくまで「人間ドラマ」で、「カワイくて愛されるキャラ」なんてのは糞食らえだったのだ。シュードランとか一回しか登場してないんじゃない!?「武器から建物まで一事が万事全部キャラクター」というコンセプト自体は悪くないんだけど、それが全然見(魅)せられなかったのが『キバ』の問題よね。

■でも俺は結構『キバ』好きよ?

 なんか、このブログでは武部直美批判ばかりやってるもんで、誤解されてるかもしれないので一応弁解しておくと、自分は「武部直美アンチ」ではあるけれど、「武部直美チーフP作品アンチ」ではないんですよ。『キバ』も『鎧武』も割かし好きな方で、『OOO』は歴代で二番目に好きな平成仮面ライダーだしね。ただ、武部Pの悪い所は「志も低ければコンセプトもガタガタ」なところで(その、低い志をカバーしているのが脚本家なんだけど)、自分が苦言を呈しているのはその部分なのです。要するに「勿体無い」のよ『キバ』も『OOO』も『鎧武』も!だから「もうちょっと頭で考えて企画を練ってくれよ!」と、思ってしまうんよなぁ…。

 「『電王』と『キバ』、どっちが優れてる?」と聞かれたら、俺は『電王』と答えます。でも、「『電王』と『キバ』、どっちが好き?」と尋ねられたら、俺は『キバ』と答えます。そんな感じです(どんな感じだ)

 まさか『キバ』をこんなに語る日が来るとは思わなんだ…!『キバ』はね、良いとこもいっぱいあるんでね、今後もちょくちょく語っていければと思います。「俺は(私は)『キバ』が好き!」って人、あんましおらんからな~…。理由は、痛いほどわかるんだけどさ(笑)

[了]

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