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『ドライブ』感想:第23話「悪戯な笑みを止めるのはだれか」

仮面ライダードライブ』の感想です。以下、ネタバレ注意。

第23話「悪戯な笑みを止めるのはだれか」
脚本:香村純子 
監督:鈴村展弘
*↓東映公式サイト
http://www.toei.co.jp/tv/drive/story/1205322_2271.html

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■まさかの「香村純子×鈴村展弘」!

 こここ…!香村純子×鈴村展弘ォォォ!?意外ッ!意外な組み合わせッ!香村純子は、大森敬仁とは一応『海賊戦隊ゴーカイジャー』で面識がある…のか…?それにつけても鈴村展弘ですよ!平成仮面ライダー撮るのは『カブト』以来じゃない?

 俺は『ウィザード』の香村純子脚本が好きやった…!個人的なお気に入りは第06話「キレイな花には」&第07話「思い出を買うために」と、第12話「希望の和菓子」&第13話「夢を継ぐ者」。ゲートは、前者が「結婚詐欺師」で後者が「和菓子店主」なんだけど、ラスト、赤サギの女性は逮捕されるし、和菓子のお店は潰れてしまうのね。これ、例えば『フォーゼ』とかだと、「結婚詐欺師はお咎めなしになったよ!」「和菓子屋も廃業を免れたよ!」みたいな、なぁなぁな薄ら寒いハッピーエンドになっちゃったと思うのよ。けど、『ウィザード』ではそれをしない。犯行動機がどうであれ犯罪者は裁きを受けるし、どんな名店も老舗も信用を失えば店を畳むことになる。それでも、「後悔するより前に進もうぜ!」という一本筋が、年間通して作品に貫かれてるから、『ウィザード』はいいんよなぁ…!自分、『烈車戦隊トッキュウジャー』で香村純子が起用されてなくてちょっとショックだったんですよ。宇都宮孝明もドライな人だ…!「きだつよしや香村純子といった、(特撮界では)経験の浅いライターを使ったのは失敗だった!」という結論に至ってしまったのだろうか…?何にせよ、『ドライブ』で香村純子脚本を拝めたのは素直に嬉しかったです。

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 チンプイが活躍するのも、香村純子脚本の特徴。奈良瞬平は、香村純子に愛されていた…!

 鈴村展弘に関してだけど…。ごめんなさい、実は、あまりピンと来た話が無いというのが本音…!(汗)というのも、鈴村監督はメガホンとった回数がけっこう少ないのね。『電王』~『鎧武』は本数0だし。けど、今までの『ドライブ』と比べて全く遜色なかったし、違和感なく視れたから凄いな。久々の平成仮面ライダーの現場であるにもかかわらず、もう平成二期のカラーを掴んだというのか…!鈴村監督の特徴としては、「石田秀範の撮り方に似ている」ということ。冒頭の、ハート・ブレン・メディックの集まりとか、霧子とチェイスの絡みとか、ああいうダークな感じは巨匠っぽいでしょ?wやー、でも今回良かったなー。警察が活躍してたから、画がしまってたよね、緊張感あった。なんか、クウガ』のEPISODE7「傷心」&EPISODE8「射手」みたいなテイストだった(ペガサスフォームの話)それにしても、『鎧武』の第09話「怪物インベス捕獲大作戦!」を視てても思ったけど、時代は変わったな~!特に、コンピュータ・IT絡み!『小説 仮面ライダークウガ』でも荒川稔久がネタにしてたけどw平成仮面ライダー誕生から、もう15年以上経つのか…!『ドライブ』23話を視て、なんか突然時の流れを実感しました。俺も年を取るはずだよ…!

 というわけで、第23話は1話完結(なのかな?)モノで久々に楽しめたんで、感想もボリューミーです。良いところも悪いところも順番に書いていくぞ!

■評価点1:「刑事ドラマ」が解り易く書かれている!

泊進ノ介「本当に爆弾は仕掛けられていたのかな?」
ベルトさん「どういうことだ?」
泊進ノ介「元々爆弾が仕掛けられていたなら、剛と観覧車の間で爆発するはずだ。でも実際は剛の背中で爆発した。」
ベルトさん「なるほど。以前写真を使ってビルを壊すロイミュードがいたように、今回もロイミュードの特殊な能力で爆破させた。そう考えているんだね?」

 やー、今回「推理」の内容が解り易かったね!これは、
(1)「劇中の登場人物」と「視聴者」が与えられた情報に差異が少ない。
(2)「劇中の登場人物」も「視聴者」も現在進行形で犯行を目撃できた。
のが大きかったんだと思う。

 俺がね、『ドライブ』第02話で「おいおいそりゃないぜ!」って思ったのは「解決」パートだったのよ。だって、
【序】殺人未遂事件現場で、進ノ介が被害者2人のそばに落ちてたゴミを拾った。←わかる。
【破】1つ目は風邪薬の包み紙、もう1つはアレルギーの薬の台紙の裏地だった。←え、そうなん!?
【急】犯人は優れた健康な肉体を求めており、現場に残されたのは失格者だった。←!!??
なんて、【破】の部分で既に「進ノ介と視聴者」の間で持っている情報に乖離があるし、【急】なんて飛躍しすぎだもんね結末が!パイロット版以降の話も、解説の件(くだり)がお粗末なことが多くて、この辺が今一自分が『ドライブ』に乗りきれない理由の一つだったんよな…!魔人探偵脳噛ネウロ』じゃあないんだからさ…!

 けど、第23話は違った。この章の冒頭で泊進ノ介とベルトさんのやり取りを挙げたけど、「元々爆弾が仕掛けられていたなら、剛と観覧車の間で爆発するはずだ。」→「でも実際は剛の背中で爆発した。」というのは、視聴者も目の当たりにしたし、多くの視聴者も疑問に思うことだからだ。

 そして犯人、「シュートロイミュード」の能力が「肉眼で捉えられないほどの速さで物体を撃ち込む能力」だということが導出されるわけだけど、第23話の凄みは「これだけで終わらない!」ことで、敵が超高層ビルを破壊すべく放った超高速のダーツ型武器「ブラストダート」を、ドライブタイプフォーミュラが全てトレーラー砲で狙撃し、食い止めるというところ。つまり、事件内容と推理内容が、全て「販促」に繋がっているのだ。

■評価点2:「車(F1)」がフィーチャーされている!

 『ドライブ』放送前、自分は「車にしか乗らないライダー?どうせバイクに乗ってんのと大差なくなっちゃうんじゃあないの?」な~んて思ってたんだけど、ここまで車を推されたら、もう脱帽だぜ…!「F1カー」モチーフの強化フォームを出すだけでなく、まさか「ピットクルー」の概念まで採り入れるとは…!ピットクルーは文字通り「タイヤ交換」する存在…!「タイヤコウカン」がまさかここに帰結するとは…!

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 タイプフォーミュラを簡易メンテナンスするシフトカーは、「マンターンF01」と「ジャッキーF02」と「スパーナF03」の三種類。けど、給油はもう認められてないはず…!

■批判点1:「職業怪人」というコンセプトがガタガタ…!

追田現八郎「ごまかすな。正体を現せコイニョウボウ!」
茂木拓郎「は?女房?」
追田現八郎「お前が超能力だか使って爆破してるんじゃないのか?」
茂木拓郎「超能力…。日本の警察大丈夫っすか?ハハハハハ…。」

泊進ノ介「いいのか?爆発が見られなくても。」
茂木拓郎「ここにいれば俺の無実が証明されるんでしょ?あっ!いややっぱ見にいこっかな~。瞬間移動でもしちゃってさ。ほら!超能力。」

 わっはっは!小憎(こにく)らしいゲストやね~!「怪人の仕業なのに警察に信じてもらえない」というのはよくあるけど、「警察が怪人の仕業だと立証できない」というのがたまにあるのが『ドライブ』ならではの要素だね。

 ただ、今回の「シュートロイミュード」は、「職業怪人」というコンセプトとは反するよね…!ダーツって、「職業」よりは「遊び」に近いし(プロのダーツ選手もいるにはいるが…!)「以前写真を使ってビルを壊すロイミュードがいた」とベルトさんが言ってたけど、その「連続ビル崩壊事件」(第07話「決定的瞬間はいかに撮影されたのか」&第08話「その胸に宿る秘密とはなにか」)の肝は、「カメラマンが写真で世間に真実を伝えるのは善だけど、事実を捏造するのは悪だよ」という、「物事の善悪は使う人間によって決まる」ということが描かれていることで、ちゃんとこれは「職業怪人」の話になっているのよ。だけど、第23話の「連続予告爆破事件」は完全に愉快犯なので…!ちょっとその辺が薄れちゃってるなと思った。『ウィザード』とかなら怪人の能力は何でもいいんだけどさ。

 でも、これは香村純子は悪くないよ。チーフプロデューサーたる大森敬仁が、きっちり指摘すべきなんだよ(笑)

■批判点2:「世界静止」というコンセプトがガタガタ…!

 『ドライブ』のパイロット監督田崎竜太は、インタビューでこんな発言をしていた。

――画作りでも新しい試みがあるのでしょうか。
第1~2話のキモとなったのは三条さんが考え出した「どんより」……つまり「重加速」の表現です。ロイミュードたちが能力を発揮すると周囲で空気が重くなるといいますか、雨粒などの全ての動きが物理的に遅くなる現象が起こるんです。そしてキャッチコピーの「世界は静止した!走れるのは君一人!」にもあるとおり、その「重加速」世界の中でドライブだけが普通に動けることになります。『仮面ライダーカブト』のクロックアップに似たイメージですが、三条さんも「クロックアップと同じでは面白くない」と仰っているので、その違いを見せるためにかなり苦労して仕上げました。ここは各話監督にとって腕の見せどころになると思います。
田崎竜太『宇宙船 vol.146』より)

 ふむふむ。ではそれを踏まえて、『ドライブ』第23話の戦闘シーンを視てみよう。

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 劣化クロックアップじゃねーか!

 や、別に鈴村展弘を批判しているわけではない。「タイプフォーミュラの加速能力をクローズアップしてくれ!」というオーダーを出したのは大森敬仁だろうしね。でも、これ本来なら
(1)ブラストダートが人間(じんかん)を駆け抜ける。
(2)「どんより」が発生。人間が徐々に静止していく。
(3)その中を駆け抜けるドライブタイプフォーミュラ。
が正しいシーケンスだと思うのよ。けど、結果的にファイズアクセルにすら見劣りする描写になってしまったね。でも、「どんより」って演出するの大変よなぁ…!まぁ、そんな難儀な設定にしてしまった時点で、「企画の敗北」なんだけどね。

■評価・批判点3:『ドライブ』にマッハは必要か?

詩島剛「またドライブか…。もう進兄さん一人でいいんじゃない?」
詩島剛「ハハ…。なんてウソウソ!なんかあったらまた呼んでよ。」

 ぶっちゃけると、自分は「『ドライブ』にマッハは要らなかったんじゃないの?」って思ってる口。このブログで「仮面ライダーマッハ」にまつわる話が妙に少ないのはそのため、というのもある。別に稲葉友渡辺淳をディスってるわけではない。俺は渡辺淳好きだし、最近の詩島剛の「裏の(黒い)部分」や「『時間が足りない』という必死さ」は視ていて興味を引かれる。シグナルバイクも、技のタイプに「標識」のそれを取り入れたのも面白いなと思ったしね。じゃあなんで「要らなくね?」と思うかというと『ドライブ』には既に「魔進チェイサー」という存在がいるから。「敵怪人かつ2号ライダー」であるチェイスを、もっと描くべきなのよ。まだ足りない。全然足りない。自分が『ドライブ』の企画発表時に感心したのは、「こんな仮面ライダーっぽいヤツを敵怪人に据えるんだ!」という所で、だから今回の『ドライブ』に関しては「例年の2号ライダー(アクセル/バース/メテオ/ビースト)は出ないのかな?」と思っていたら…出ちゃったんだよね(苦笑)これはね、バンダイが悪いよ。バンダイがヒヨっちゃったんだよ。「敵怪人の玩具を売るということに挑戦するぜ!(でも、売れなかったら困るな~!やっぱ2号ライダーの玩具も売ろっと!)」って思ったんだよきっと!

 極端な話、「詩島剛/仮面ライダーマッハ」の要素を、「チェイス/魔進チェイサー/プロトドライブ」に寄せれば、もっとスッキリするし、ドラマチックになる。……や、そんなことないかな?もっとゴチャゴチャしちゃうかな…?ダメだ、頭がどんよりしてる…!マッハについては改めて別記事書きます。

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 そんなことを考えていたら「マッハドライバー炎」が…!

■また戦隊コラボやんのかよ!

 またスーパー戦隊仮面ライダーのコラボやんの!?『鎧武』の時は、「視聴率悪いし、テコ入れかな~?」なんて思ってたんだけど、またやんの!?恒例行事にしちゃうの!?これ、興醒めだからやめてほしいんだよな~!……チビッ子達の受けはいいのか?(教えて、全国のお父さんお母さん!)

 『鎧武』はその辺アレだったからな…!↓なんかのギャグかと思うくらい酷いよコレ。

●第23話「いざ出陣!カチドキアームズ!」にて、中盤一段落!続きが気になる!
⇒『烈車戦隊トッキュウジャーVS仮面ライダー鎧武 春休み合体スペシャル』…!
●第29話「オーバーロードの王」にて、デェムシュが沢芽市に向かう!どうなる!
⇒第30話「赤と青のキカイダー」(白倉『キカイダーREBOOT』コラボ)…!
●第36話「兄弟の決着!斬月VS斬月・真!」にて、呉島兄弟対決決着!走れ紘汰!
⇒第37話「バロン・サッカー対決夏の陣!」(『サッカー大決戦!』コラボ)…!

 まぁ武部直美&虚淵玄が視聴率落とすから、いけないんだけどさ…!そういう点では自業自得だと思う。うん。

 来週の話は「三条陸×中澤祥次郎」なのね。急遽企画が決まったとかで、ピンチヒッターとして「香村純子×鈴村展弘」が呼ばれたのかな?どうなることやら…!嗚呼、『スーパーヒーロー大戦GP 仮面ライダー3号』も観にいかんと…!近々鑑賞予定なので、そのうち感想記事上げますね。

[了]

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