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千倍王鷹虎蝗合成獣

平成仮面ライダーの感想・考察サイト。衒学的で悪し様で居丈高な語り口のブログにようこそ。

『ドライブ』第16・17話の簡易感想

16_ドライブ

もう既に『ドライブ』は第19話まで進んでいますが、
第16話「沢神りんなはなぜソワソワしていたのか」

第17話「デッドヒートを制するのはだれか」
の簡易感想です。最近更新が滞ってるなぁ…!

●山口恭平はあれだな、「人間ドラマ < 戦闘シーン」な監督だな。これはなかなか珍しい。石田秀範や諸田敏なんかは、「戦闘シーンなんかどうでもいいよ~!撮りたいのは人間ドラマ!」な方々だしね。だから、例えば諸田監督だったら沢神りんなの悲劇をしんみり撮ったろうし、石田監督だったらボイスロイミュードに洗脳された女性たちをコミカルに撮ったりしたんだろうけど、山口監督はそういった(小難しい)部分は「冒頭の進ノ介の解説」や「劇中の進ノ介の台詞」で済ませてしまって、「シフトカー!」「シグナルバイク!」「霧子ちゃんのキック力増強シューズ!」「タイプデッドヒート!」といった、仮面ライダー(ドライブ&マッハ)の殺陣を重点的に撮っていたね。これ、別にけなしてるわけじゃあなくて、寧ろ大歓迎なんですよ自分。やっぱし『仮面ライダー』は仮面ライダーが活躍してナンボだもんね。ドライブタイプデッドヒート変身時の、爆発!爆発!!爆発!!!の画はスゲェよがった。

●ただ、今回の話に関していえば、山口恭平はミスマッチだったのかも…!折角の沢神りんなメイン回だったのに、デッドヒートに割を食わせられた感があるね。あと、デッドヒートの戦闘シーン自体は恰好良かったのに、「そこに至るまで」と「オチ」が酷過ぎるというか…!「ハートが現れたのでデッドヒートに変身したのはいいものの、暴走してしまったためマッハに止めてもらうドライブ(第16話)」とか、「ボイスロイミュードを倒すべくデッドヒートに変身したものの、暴走してしまったため詩島霧子に止めてもらうマッハ(第17話)」とか…。なんでこんなにギャグっぽく演出しちゃったんだろう…?特に、第17話でのそれなんて、「ドライブタイプテクニックが被害者の時限爆弾を解除しようとしている」時、一歩間違えれば大惨事な場面でそれをやられると興醒めしちゃうんよな…!三条陸大月ウルフ(ハーレー・ヘンドリクソン)出して喜んでる場合じゃねぇよまったく。

●そもそも、ドライブ&マッハがタイプデッドヒートに変身しても、パワーアップした感じがしないし、ハートも、ツワモノ感が無いんよなぁ…!例えば、『ウィザード』のフェニックスなんかは、ウィザードが第01話~第07話までほぼ苦戦することなく他のファントムを倒していた矢先に登場し、「フレイムスラッシュストライクが効かねぇ!?」「ウォーターシューティングストライクも効かねぇ!!」「ランドのディフェンドも大剣カタストロフにぶった切られる…!!」「ハリケーンスタイルになっても逃げることしかできねぇ…!!」と、基本四属性スタイルでは太刀打ちできないという状況で、「フレイムドラゴンスタイル」に変身してフェニックスを撃退するからカタルシスがあるわけで。『ドライブ』の場合は、他のロイミュード戦もそこそこ苦戦しているので、ハートと戦った時も「普段と同じ」ように見えてしまう。要するに「落差」が無いのよね『ウィザード』の時のような。しかも、フェニックスは「再生」能力によって、倒されるたびにパワーアップしてウィザードを苦しめるのに対し、ハートは「捨て身の攻撃(暴走)」だからね奥義が…!その辺が『ウィザード』より見劣りするなぁ『ドライブ』は。ハートも、人間体はいいキャラしてるんだけどね。

●ただ、『ウィザード』より『ドライブ』が勝っているのは、「マッハドライバー炎は全シフトカーと連動可能!」な所よね。これは、ビーストドライバーの反省であることは確定的に明らか。タイプデッドヒートがサイドカー(バイク+車)がモチーフで、ドライブ&マッハ共通の強化アイテムというのもポイント高いね。『鎧武』のジンバーアームズも追い風になったんだろうなこの玩具展開は。

山口監督、ブレンで遊ぶのもほどほどにしてくださいwハンカチ噛んで悔しがるとか…それは流石に昭和すぎるだろw

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 ここで、第16・17話の感想記事が遅れた言い訳を。『ドライブ』は、『W』や『フォーゼ』のような所謂「平成二期路線」「塚田英明フォーマット」に則っているにもかかわらず何故今一「乗り切れない」んだろう?というのをずっと考えていたんですね。構造的にはほぼ同じことをやってるし、脚本だって三条陸&長谷川圭一が書いてる。一応、自分も『ドライブ』の序盤評で「ここが駄目だよ!」というのを延々と書き連ねてはいるんだけど、どれも決め手に欠けているような気がして…。で、昨日自分と同じくいい歳こいてニチアサの特撮を視ている友人と酒を飲みに行ったんですけど(こんなことばっかやってるから更新が遅れるんだよな…!)、その友人の見解が面白かったのでそれを以下に記します。そうだな、仮にその友人を「キタオカ君」としましょう(そいつは平成仮面ライダーの中で『龍騎』が一番好きで、その中でもお気に入りが北岡弁護士なので)

■「俺TUEEEE系」なのか「やれやれ系」なのかがわからない

キタオカ君「俺さ、作品っていうのは『(A)主人公が周囲の人間に影響を与えていく』のと『(B)周囲の人間が主人公に影響を与えていく』ものの二種類に分かれると思ってんのね。」
セバオーズ「ほぉ。」
キタオカ君「ラノベや深夜アニメにおける『俺TUEEEE系』か『やれやれ系』みたいな感じかな。まぁ、主人公⇔周囲の人間と、相互に影響を与え合う場合もあるけど、大筋で見てみると(A)か(B)のどちらかなわけよ。平成仮面ライダーでいうと、『カブト』や『ウィザード』が(A)で、『555』や『キバ』は(B)だね。」
セバオーズ「ふむふむ。」
キタオカ君「だから作品を見る際に、(A)を期待している人にとっては『555』や『キバ』はつまらないだろうし、(B)を望んでいる人は『カブト』や『ウィザード』に嫌悪感を示すと思うのよ。」
セバオーズ「なるほど。」
キタオカ君「だけど『ドライブ』はどっちなのかがはっきりしない。(A)で見れるほど泊進ノ介はメチャクチャ強いわけでも恰好良いわけでもないし、(B)で見ようにも特状課のメンバーはあまり活躍していない。主人公が周囲の人間に、周囲の人間が主人公に影響を与えていないのが、『ドライブ』がつまらない理由の一つなんだと思う。」

■ベルトさんは所詮「物」

キタオカ君「ベルトさんは所詮『物』でしかないと思うのよ。」
セバオーズ「ほぉ!」
キタオカ君「例えばベルトさんが、グローバルフリーズの引き金になってしまったことを悔やんでも、ハートロイミュードに恐れを抱いていても、俺たち視聴者は感情移入することができない。」
セバオーズ「確かに。」
キタオカ君「これが『W』だと、翔太朗の相棒フィリップが行動すれば、『嗚呼、フィリップが探偵事務所を飛び出した!』と、"フィリップのエピソード"になるわけだけど、『ドライブ』の場合はベルトさんがどんなに悩み苦しんでも、最終的に"進ノ介のエピソード"になってしまう。結局いつもと同じような話になっちゃうのよね。」

■全てが"進ノ介のエピソード"になってしまう

キタオカ君「これはベルトさんだけでなく、特状課も同じことが言えるな。例えば『フォーゼ』なら、大文字先輩の話は大文字先輩でオトさないといけないわけよ。現に『フォーゼ』の第08話では、大文字先輩がパワーダイザーに乗って助太刀に来たり、最後父親の送った彫像を壊したりしてる。『ドライブ』の第17話は、りんなさんで上手くオチてなかったと思うのよ。結局進ノ介ベースで話が終わってしまった。だから、『ドライブ』の次の回は追田現八郎ののエピソードだけど、第19話が現さんでオチなかったら、俺の説は当たらずも遠からずだと思う。」

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 キタオカ君が言っていた、「(A)主人公が周囲の人間に影響を与えていく」のと「(B)周囲の人間が主人公に影響を与えていく」という観点で平成仮面ライダーを分けると以下のようになるね。

(A):『クウガ』『アギト』『響鬼』『カブト』『ディケイド』『W』『フォーゼ』『ウィザード』
(B):『龍騎』『555』『剣』『電王』『キバ』『OOO』『鎧武』

まぁ、(A)と(B)の併用もあるので、本当は上記のように綺麗には分かれないんだけどね。こうして見ると、高寺成紀と塚田英明(怪獣同盟コンビ)チーフP作品は(A)が、武部直美チーフP作品は(B)が多いね。宇都宮孝明チーフP作品は、典型的な「俺TUEEEE系」よねwスーパー戦隊の、『シンケン』『ゴーカイ』『トッキュウ』なんかは正にそれ。『ウィザード』もそうかな。白倉伸一郎は、作品ごとに(A)と(B)を使い分けてる感じ。

 大分言語化できてきたけど、まだまだフワフワしてるな…!そのうち中盤評も書くので、その時までの課題としよう。

[了]

※関連記事です。

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