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千倍王鷹虎蝗合成獣

平成仮面ライダーの感想・考察サイト。衒学的で悪し様で居丈高な語り口のブログにようこそ。

『ドライブ』感想:第12話「白い仮面ライダーはどこから来たのか」

16_ドライブ

仮面ライダードライブ』の感想です。以下、ネタバレ注意。

第12話「白い仮面ライダーはどこから来たのか」
脚本:三条陸 
監督:石田秀範
*↓東映公式サイト
http://www.toei.co.jp/tv/drive/story/1204824_2271.html

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■巨匠と渡辺淳と2号ライダー

 今話は"巨匠"こと石田秀範監督回。役者への演技指導がヒジョ~に厳しいことで有名で、それは変身前の新人俳優に限らず、変身後を演じる仮面俳優達も例外ではないようだ。以下、最近(2014/12/19)発売された、『東映ヒーロー仮面俳優列伝』からの引用(宣伝宣伝!)

――『仮面ライダー剣』(04年)では、メイン監督がそれまでの田崎監督から石田秀範監督に変わりましたが、やはり要求の内容は違ってくるもんですか?
高岩 違いますねぇ。石田監督は、ウチらにも本当に細かくお芝居を要求します。普段の撮影では、変身後のお芝居ってわりとパッと見に面(マスク)の表情さえ伝わればOKなところがあるんですけど、石田さんはそこを絶対に妥協しないですね。「伝わらない」「わからない」って(笑)。で、ちょっと過剰表現すると、今度は「嘘くさい」(一同笑)。……これは生半可じゃないです。1カット長回しのお芝居も多くて、とても緊張します。でも、すごくやってて楽しいんですよ。僕らのことも普通に役者扱いしてくれるんで。ただ、口は悪いですけどね。一言一言が本当に心に刺さります(笑)。まぁ、最近はその辺も柔らかくなられましたけど。とにかく、遊ぶときはとことん遊ぶ監督なので、石田さんとご一緒するのは楽しいです。
高岩成二東映ヒーロー仮面俳優列伝』より)

――なるほど。で、翌年の『仮面ライダー剣』(04年)では2番手のギャレンを担当されて。この作品はメイン監督が石田(秀範)さんですね。
押川 厳しかったですねえ、ホントに(しみじみ)。『剣』のときは、石田監督に「ヘタクソなのは怪人だけにしてくれ」って言われて(笑)。
――やっぱ、厳しいなぁ(笑)。
押川 石田監督は具体的なことを要求しないで、何回もテストをやるんです。1回やって「なんだ、それでいいのか」、もう1回やって「それ本気か?」で、ワーッ!ってやったら「フンッ(鼻で笑う)」みたいな(一同笑い)。うわー、これどうしよう!って感じになってくるんですよね。
――それは追い込まれますよね。
押川 追い込まれます。でも、石田監督はいいものを撮れたときにめちゃくちゃ笑顔になるんですよ。その笑顔を見ると、それがヤミツキになるというか、またあの笑顔を出してやろうって思ったりするんです。
押川善文東映ヒーロー仮面俳優列伝』より)

 あの高岩成二押川善文もタジタジ!というか押川さん、なかなかマゾヒストだなwと、こういう話題に関しては枚挙に暇(いとま)がない巨匠だけど、自分が一番感銘を受けたというか印象に残っているのが渡辺淳のエピソードだ。

――当時の心情的に、特に強烈に印象に残ってる監督というと?
これはもうハッキリ言いますけど、石田(秀範)さんです(一同笑)。最初の頃、僕は「顔を出して芝居をしたい」「キャラクターにまったく興味ないんですよ」って、ずっと宮崎さん(注:当時アクション監督だった、宮崎剛氏)に言って、だけど宮崎さんは「芝居をやりたいんだったら経験しといたほうがいいよ。面(マスク)の芝居ってすごく難しいから。1回やって嫌だったらやめてもいいから、とりあえずやってみないか」ってずっと言われてたんですよ。で、「じゃあ、やらせてもらいます」ということで『555』から怪人を演じたら、それがすごく面白くて、『剣』で「1年やるか?」「やらせてください!」ってなったんです。それで、宮崎さんが石田さんに「今年はこいつに1年、怪人をやらせるから」って話したら、そのとき石田さんが「お前、ホントは芝居やりたいんだって?」と(一同笑)。でも「そうか、まあ頑張れよ」って言ってくださって。
 その後、ゼブラアンデッド(第9・10話登場)をやったときに、これがとにかくやりづらい怪人で「もう無理だ。これ、できないですよ」みたいに思っちゃって。そしたら石田さんに「そうやって"できない"と思って諦めてやったら、お前は宮崎の顔に泥を塗ることになるんだぞ」って言われたんですよ。それを聞いてすごくショックでした。「あ、僕自身の問題じゃないんだ、もう」って。自分一人が勝手にやって済むことじゃないんだというのを痛感して、そこから何を言われても、とにかく「いやもう、やりますよ!」みたいな感じで、どんな要求にも食らいついていこうという姿勢になりましたよね。それがあって、『響鬼』で轟鬼をやることになったとき、石田さんから「キャラクターをやるんだから、わかってんだろうな!」みたいな(一同笑)
 宮崎さんも石田さんも「こいつダメだ」って僕を切ることもできたし、僕以上にやれる人はいたのに、それでもこいつを育ててやろうということで使い続けてくれたのはありがたかったし、嬉しかったです。それがなかったら、もしかしたら僕は諦めて辞めちゃってたかもしれないですから。
渡辺淳東映ヒーロー仮面俳優列伝』より)

 こうして渡辺淳は順当にキャリアを積んでいき、『響鬼』では轟鬼、『カブト』ではサソード、『W』劇場版ではエターナル、『ウィザード』ではビーストと白い魔法使い、『鎧武』では斬月と斬月・真そして今回の『ドライブ』では仮面ライダーマッハを演じるに至ったというわけ。だから、我々が渡辺淳のカッチョいいアクションを拝めるのは、巨匠のおかげなんですよ皆さん(笑)

■けど正直巨匠の演出って苦手なんだよな…!

 自分は巨匠の過剰演出があまり好きでなくて、『ドライブ』第12話なんか特にそれが顕著なんだけど、
・一つのシーンでカットがパッパッパッパッと何度も切り替わる。
・と思いきや、ロングショット長回し長台詞シーンを捻じ込んだりする。
・間の抜けた効果音の連発。
・役者を弄って弄って弄って弄り倒す。
・コッテコテの、寒いギャグ。
・『ディケイド』もびっくりなメタネタ。
・画面の色をチカチカカラフルに変えまくる。
などのオンパレードで、「画面が五月蠅い」んだよね変な言い方だけどさ。それでいて、仮面ライダー対怪人の殺陣を撮ることにはあまり興味がないというね。

 だから『ドライブ』第12話は折角の2号ライダーお披露目回なのに石田演出が気になって気になって気になって気になって集中できんくて楽しめなかった!うん!上半身裸体のハートとか、どういうことなんだよwおかしいな、アクセルの初登場回である『W』の第19話「Iが止まらない/奴の名はアクセル」第20話「Iが止まらない/仮面ライダーの流儀」だとそこまで見てて不快にならんかったんだけどな。こりゃ『鎧武』で相当鬱憤が溜まってたんだろうな…!せやけど暴走しすぎやで巨匠…!けど、どんよりの演出は、今までの話の中で一番良かったかな。流石、腐っても『カブト』のパイロット監督を務めただけのことはある。

 仮面ライダーマッハの、「道路標識のチカラ」というアイデアは素直に感心しました。戦う交通安全だね。

[了]

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