千倍王鷹虎蝗合成獣

平成仮面ライダーの感想・考察サイト。衒学的で悪し様で居丈高な語り口のブログにようこそ。

『ドライブ』預言者と主題歌と本気の走り

仮面ライダー最新シリーズ「仮面ライダードライブ」。
読んで字のごとく、「車」をモチーフとした掟破りの仮面ライダー
の主題歌を、自らも「車」好きを公言する松岡充が、
仮面ライダードライブの為だけに作り上げたユニットで担当!!
「EARNEST=本気」ミュージシャン達の仮面ライダーに対する
本気の想いをぶつけたまさにドライブ感溢れる最高の楽曲で
番組を盛り上げます!!

Mitsuru Matsuoka EARNEST DRIVE -仮面ライダードライブ-

 2015年12月03日は、『ドライブ』の主題歌『SURPRISE-DRIVE』の発売日やで~!毎年毎年、仮面ライダーの新作が始まるたびに、「『W-B-X』最高!歴代No.1主題歌だな…!」「『Anything Goes!』心が熱くなる!歴代No.1主題歌だな…!」「『Life is SHOW TIME』チョーイイネ!歴代No.1主題歌だな…!」という感想を抱いて、その例に漏れず『鎧武』放送時は『JUST LIVE MORE』が「天下無双の勝者!歴代No.1主題歌だな…!」と思ってたんだけど、ぶち抜かれたね松岡充に!今は、『SURPRISE-DRIVE』が自分の中での歴代No.1主題歌です。…少しだけ嘘ついた。『フォーゼ』の『Switch On!』は個人的にはちと今一だった(笑)

■16の道はいつか重なって

 『ディケイド』の主題歌、『Journey through the Decade』には“9つの道はいつか重なって”というフレーズがあるけれど、結局昭和の仮面ライダー達の世界も繋がっちゃったよねwどうやら、東映的にもテレ朝サイドも、昭和ライダーも本編に出す!」というのは既定路線だったみたいなんだけど、初期のメインライター會川昇「『クウガ』から『キバ』までにするべきだ!」と頑なに拒んだようなのよね。それによって白倉伸一郎に降板させられてしまったと。「とても悲しいことがあって、ディケイドを1クールで離れてしまったので、今完全に失業中です(笑)」とは当時の會川昇の談。まさか『ウィザード』の最終回で戻ってくるとは思わなかったけど。真の『ディケイド』の最終回は『ウィザード』の第52・53話だよ。

 閑話休題

 何故そんなことをふと思い返したかというと、『SURPRISE-DRIVE』の歌詞の中には、『クウガ』から『鎧武』までの各作品を象徴するキーワードが鏤められているからなのよね。

●“青空”“始まり”
⇒『クウガ
・エンディングテーマは『青空になる』。
・オープニングテーマの『仮面ライダークウガ!』に、“時代をゼロから始めよう”とある。

●“目醒める”
⇒『アギト』
・キャッチコピーは「目覚めろ、その魂」。

●“直感”
⇒『555』
・キャッチコピーは「疾走する本能」。

●“運命”
⇒『剣』
・キャッチコピーは「運命の切札をつかみ取れ!」。
⇒『キバ』
・キャッチコピーは「運命(さだめ)の鎖を解き放て!!」。
⇒『鎧武』
・第46話のサブタイトルが「運命の勝者」。

●“Fire Up,Ignition”
⇒『龍騎
・ドラグクローファイヤー、メテオバレット、ドラゴンファイヤーストームなど、火属性の技が多数。
⇒『響鬼
・火炎連打、一気火勢、猛火怒濤、豪火連舞、爆裂強打など、火属性の技が多数。

●“It’s faster than ever”
⇒『カブト』
・史上最強のライダーは、史上最速のライダー。

●“High Time”
⇒『電王』
・キャッチコピーは「時を超えて 俺、参上!」「時の列車デンライナー、次の駅は過去か?未来か?」。
・第02話のサブタイトルが、「ライド・オン・タイム」。

●“Breake”
⇒『キバ』
・オープニングテーマは『Break the Chain』。

●“道”
⇒『ディケイド』
・オープニングテーマの『Journey through the Decade』に“9つの道はいつか重なって”とある。

●“アクセル”“forever”
⇒『W』
・2号ライダーは「仮面ライダーアクセル」。
・劇場版のタイトルが『W FOREVER AtoZ/運命のガイアメモリ』。

●“手”
⇒『オーズ/OOO』
・劇場版の主題歌が『手をつなごう~マツケン×仮面ライダーサンバ~』。
・劇中でも、「手」がフィーチャーされている。

●“ぶっ壊して”
⇒『フォーゼ』
・オープニングテーマの『Switch On!』に“限界なんてぶっ壊してやれ自分の手で”とある。

●“Show”“後悔”
⇒『ウィザード』
・キャッチコピーは「さぁ、ショータイムだ!」。
・「後悔するより前に進もうぜ。」とは第03話での操真晴人の台詞。

 ……えぇい!読んでるみんなの言いたいことはわかるよ!半分くらいこじつけだよ!でも、「そういえば、『クウガ』のEPISODE48“空我”では、“この雨だって絶対止むよ。そしたら青空になる。今だってこの雨を降らせている雲の向こうには、どこまでも青空が広がってるんだ。”という台詞を五代雄介が言っていたなぁ…。」と想いを馳せたりしたでしょ?少なくとも俺はしたよ!

 あながち間違ってないと思うんだけどナ。根拠はいくつかあって、一つは今年の春映画『平成ライダー対昭和ライダー 仮面ライダー大戦』の存在(これも柴崎貴行監督作品やで!)。平成ライダー15作目の『鎧武』によって、平成と昭和のメインライダーはそれぞれ15人ずつとなり、今後は平成ライダーの方が主流となっていく。均衡を崩す一番手が、平成ライダー16作目の『ドライブ』である。『SURPRISE-DRIVE』に『クウガ』から『鎧武』までの各作品を連想させる単語が入り混じっているのは、作詞担当の藤林聖子なりのサプライズだ。

■預言者藤林聖子

 平成仮面ライダーシリーズで、『龍騎』の『Alive A life』以外の全主題歌の作詞を手掛けたのが藤林聖子。ファンからはしばしば「予言者」と崇められているけど、それはスタッフも例外ではないようで、『W』のチーフP塚田英明は「最強フォームのヒントは主題歌にあった!」と言ってサイクロンジョーカーエクストリームに辿り着いたし(『W-B-X』→“Double”が“Bird”で“Extreme”)、『ウィザード』のチーフP宇都宮孝明も、「世界観、キャラクター、『なんでここまで分かっちゃうの?』と毎年毎年制作陣が舌を巻いていますが、今年も敬服いたしました。」と大絶賛(“すべての涙を宝石に変えてやるぜ♪”→主人公の涙からインフィニティの指輪が!)。『剣』の後期オープニングとかマジでヤバい。最終回を見た後に『ELEMENST』の“未来、悲しみが終わる場所♪”“軌跡、切り札は自分だけ♪”のフレーズを聞くと「嗚呼ッ!」ってなるもんね。

 何故、藤林聖子は予言が可能なんだろうか?とずっと考えていたら、面白いサイトを見つけた。本地大輔(ほんじだいすけ)氏の、『音人の話(おとなのはなし)人と音楽』というレギュラーアーカイブだ。以下、引用。

 藤林さんは人の心を読むことの出来る人です。面と向かって話をするだけで、相手が何を考えているかをわかってしまう人です。出会った当初はそんな特質を持っているなどとは思いもしなかったのですが、打ち合わせを重ねていくに従い、「もしかしたら」と感じることが様々起こりました。初めての打ち合わせの時です。“今度こういうキャラクターの歌を作りたいんだけど”とお願いをするにあたり、自分の物差しでキャラクターの内容やその喜怒哀楽を説明するのではなく、藤林さんに理解しやすい言葉を選んで話をしようとすると、「本地さん。本地さんの物差しで話してくださって大丈夫です。そのほうが意図がダイレクトに伝わって、私にはわかりやすいから。本地さんは無理して私に合わせて話そうと思っているでしょ。私、人の心、読めますから…。」と、ニコッとサラッと言われたときは本当にびっくりしました。どうしてこっちの考えていることがわかってしまったのか。“単なる偶然なのだろう”とそのときは思いましたが、また何度か言葉のキャッチボールをしているなかで、旨く伝わらなくて“どういういうふうに言えばわかってもらえるかな”と思った瞬間に「ごめんなさいね。私の理解力不足で…。もっともっと本地さんの言葉で話しをしてください。」と言われたりすると、再度ドキッとしてしまうわけで、今ではとにかく何も飾らないで、「心の言葉のまま」を彼女にに伝えることを心がけるようになりました。それでも彼女に驚かされる場面は多々あります。作曲家や監督やプロデューサー達が彼女に意思を伝えやすいのは彼女の人知を超えた洞察力にあるのではないか、と思っています。
(本地大輔『第3回「人の心を読む作詩家 藤林聖子さんについて」』より)
http://www.toeihero.net/archive/nrgl/otona/hito/03.html

 藤林聖子「預言者」なのだ。作り手の「やりたいこと(言)」「伝えたいこと(言)」を預かれるからこそ、予言ができるのだ。だとすると、『ドライブ』のチーフP、大森敬仁のそれはいったい何なのだろうか?

■大森敬仁の本気の走り~EARNEST DRIVE~

 大森敬仁は2003年に東映に入社。サブプロデューサーやプロデューサー補として携わった特撮ドラマは、『仮面ライダー響鬼』、『仮面ライダーキバ』、『天装戦隊ゴセイジャー』など。うん、わざと曰く付きな作品ばかり挙げたんだけど(笑)、制作にあたって、「なんだか番組が子供に向いてないなぁ…!」と思うことが多々あったのではなかろうか。それが伺えたのは『獣電戦隊キョウリュウジャー』の作風から。『キョウリュウ』は面白かったね。ガブリボルバーで遊んでる近所のチビッ子達を何度も見かけたしねw

 藤林聖子は、大森敬仁の「俺は『クウガ』から『鎧武』までの、既存の平成仮面ライダーを超越するッ!」という「本気」を感じ取ったのではなかろうか。……まぁ、現時点では『ドライブ』視ててもあんまし大森Pの熱いほとばしりを感じないんだけどw『キョウリュウ』の時も感じたんだけど、なんか三条陸におんぶにだっこなところがあるんよな大森Pは。何にせよ、『SURPRISE-DRIVE』が今後の展開の「予言」になるかどうか、期待しましょう。

 「バックギアが無かったら車庫入れしたあとどうすんだよw」とかは突っ込まないのが優しさだ!(笑)

[了]