千倍王鷹虎蝗合成獣

平成仮面ライダーの感想・考察サイト。衒学的で悪し様で居丈高な語り口のブログにようこそ。

『ドライブ』感想:第03話「だれが彼女の笑顔を奪ったのか」

仮面ライダードライブ』の感想です。以下、ネタバレ注意。

第03話「だれが彼女の笑顔を奪ったのか」
脚本:三条陸 
監督:柴崎貴行
*↓東映公式サイト
http://www.toei.co.jp/tv/drive/story/1204360_2223.html

┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨

■この男、柴崎貴行でセカンドパイロット

 柴崎貴行は個人的に好きな監督の一人。このブログで何かと話題に出る、『カブト』の「第43話 俺を狙う俺」と「第44話 生きるとは」が監督デビュー作なんですよフフフ…。何気に、『クウガ』から『ドライブ』まで平成仮面ライダー全作品に携わっている数少ないスタッフの一人(あとは巨匠こと石田秀範もそうだね。)

セカンドパイロット監督は、長石多可男(『555』『電王』)や諸田敏(『響鬼』『W』)というイメージがあったけど、最近は柴崎貴行が担当することが多いね(『OOO』『鎧武』『ドライブ』)田崎竜太曰く、「パイロット版より、セカンドパイロット版を撮る方が難しい」とのことで(そんな田崎竜太に対し、巨匠は「パイロットというのは1年分がそこにのしかかってきますからね。よく田崎は続けているなぁ。」と一言w)、何故かというとスケジュールの都合上第1・2話を観ずに第3・4話は撮影しなければならないから。

 柴崎貴行を意識し始めたのは『OOO』のセカンドパイロット回(「第03話  ネコと進化と食いしん坊 」「第04話  疑いと写メと救いの手 」)から。『OOO』のテーマの一つである、「手をのばす」という側面がクローズアップされてたし、何より「①アンクがメダルを投げる!→②映司がそれをキャッチする!→③オーズドライバーにセットしてスキャン!」というシーケンスをみっちり撮っていたのが好印象だった(他の監督はけっこう省略しちゃうといいか、おざなりだったからな…!)これに関しては『OOO』のチーフP&脚本家からも好評だったようで。以下公式読本からの引用。

武部「そう言えば、オーズの変身について、アンクがメダルを出して投げるところからすべて変身ポーズだって、おっしゃってましたよね。」
小林「そこはパッケージにしたいというか。要するに、アンクが半アンクになるところからが変身ポーズのつもりで。」
――なるほど。そう考えると、長い変身シーンですね。
小林「長い。すごく長いです。」
武部「そこを一番的確に映像で的確にやっていただけたのが柴崎組かな?」
小林「そうですね。メダルを投げるとこも律儀にちゃんと入れてくれてましたからね。」
(武部直美&小林靖子仮面ライダーオーズ / OOO 公式読本 ~OOO INFINITY~』より)

 あと、『OOO』では「第09話 ずぶぬれと過去と灼熱コンボ」と「第10話 拳と実験と超バイク」の回も良かったなぁ~。「カンドロイド工場」の描写が秀逸だった。あれが有るのと無いのでは世界観の説得力が段違いだから。思えば、『鎧武』の「ユグドラシル・コーポレーション」はその辺のハッタリが弱かった気がする。以下、特撮監督の佛田洋(ぶつだひろし)の発言より。

「あと、『オーズ/OOO』のCGの使い方で大変だったけど面白かったのは、柴崎(貴行)監督の回(第10話)のカンドロイド工場。あれは台本を何稿か重ねていくうちに急に"カンドロイド工場"というのが出てきて、『聞いてないぞ』と思ったんだけど(笑)、『鴻上ファウンデーションはこんなにデカい規模なんですというのを見せたい』ということで柴崎監督が実際の工場をいっぱい撮ってきたから、そこに製造中のカンドロイドやライドベンダーを合成して作って。(中略)ということで、とにかく楽しんでCGでやりました。」
佛田洋『特撮仕事人』より)

 『OOO』は『劇場版 仮面ライダーオーズ WONDERFUL 将軍と21のコアメダル』も最高!トップクラスに好きな映画だ(一番好きなのは『劇場版 仮面ライダーアギト PROJECT G4』なんだけど…。)主題歌にもあったけど「手をつなごう」という要素がフィーチャーされててグッド!これは、『OOO』の最終回にも採り入れられた。

武部「逆にテレビのラストを映画に合わせたというか、アンクが映司にメダルを渡しちゃうところと、3人で手を繋ぐところって、後から合わせたんですよね。」
小林「そうですね。」
武部「あの二つは映画の後に観ると、また別の感慨深いものがあるのでは。田崎(竜太)監督も最終回を撮る前に試写を観てくださって、『観てよかった』と言って、映画からフィードバックしたものを画にちゃんと入れてくれたんです。」
(武部直美&小林靖子仮面ライダーオーズ / OOO 公式読本 ~OOO INFINITY~』より)

 だから、『OOO』の最終回が「素晴らしいよ里中君!」な出来栄えになったのは、柴崎貴行のおかげなんだよ!(と言いつつも、一番好きな最終回は『剣』の「第49話 永遠の切札」なんだが…!)いつか田崎竜太からパイロット職人の座を引き継いで、顔晴ってほしいです。

……何の話だっけな。嗚呼、『ドライブ』の話だ。

■セカインドパイロット版の出来はいかに?

 あらためて世界観と「特殊状況下事件捜査課」の解説を行うのはナイス。

重加速…世間で言う「どんより」は、すべての時間が停止したようになる現象だ。それが起こる時、必ず怪物が人々をおびやかす。俺たち特状課は、その怪事件解決のために作られた警視庁の特殊セクションだ。…って、言葉だけで言うとかっこいいけど、実際の活動はこれだもんなあ…。

 追田現八郎と西城究のやり取りも、パイロット版ほどの不自然さは感じず。そうなんだよなぁ…冒頭で高校生が「怪物がさらったんだ!」と訴えてたけど、怪人ロイミュードは「憶測/絵空事」に過ぎないから、なかなか信じてもらえないのも道理。「誰かが言うLogic信じない♪直感は信じていたい♪」というのは、現さんのことを指しているのかもしれないな…!(違う)

 今回の話、これだけの要素が盛り込まれてるにも関わらず、ストレス無く見れたのは驚愕である。
(01)美人女性が行方不明になる事件発生。
(02)ヒロインと因縁のあるシフトカー登場。
(03)世界観と設定の再説明。
(04)主人公とヒロイン、脇役のキャラ再紹介。
(05)容疑者(絵描きとその弟子)の提示。
(06)1回目の戦闘(ドリームベガスの販促)
(07)先代仮面ライダーがいることを示唆。
(08)敵幹部、ハートとブレン再登場。
(09)チェイスによる怪人処刑。
(10)ロイミュードの詳細な解説。
(11)ヒロインのトラウマ掘り下げ。
(12)プロトドライブは、ヒロインの恩人。
(13)しかしその先輩ドライブは命を落としてしまう。
(14)事件解決(脳細胞がトップギアだぜ!)
(15)2回目の戦闘(スピンミキサー・マッシブモンスターの販促)
(16)魔進チェイサー登場。引きを作って後編へ。
 ふぅ、16作目にちなんで16個挙げたぞ…!『鎧武』だと虚淵玄はけっこう好き勝手書かせてもらってたみたいだけど、『ドライブ』では三条陸が各方面(東映…!バンダイ…!テレビ朝日…!)から色々注文付けられてるんだろうな~というのがひしひしと伝わってくる。けど、『鎧武』は「やりたいこと」「やらねばならないこと」が上手く噛みあってなかったのに対し、『ドライブ』はそれらが渾然一体となっているのでその辺は流石というべきか。

 登場人物も分かり易いよね。三条陸曰く()、氏名と性格が一致するようなネーミングにしたとのことで(「泊進ノ介(ストップ&ゴー)」「詩島霧子(静寂(しじま)でミステリアス(mist))」「沢神りんな(騒がしい。"りんな"は語呂の良さから。)」「西城究(最上級)」「本願寺純(他力本願)」「追田現八郎(現場主義で犯人を追う)」)三条陸脚本が叩かれる理由の一つに「キャラがアニメっぽい!」「キャラが記号化されすぎ!」というのがあるけど、自分は別に悪いことではないと思うけどな。それはつまり「この登場人物はこんなやつなんだ!」というのがスッと入ってくるという長所でもあると思うし。『鎧武』の敗因の一つが「登場人物の言動が視聴者に理解できない/理解しがたい」ものだったからだと思うし、『ドライブ』は『W』や『フォーゼ』ほどキャラ付けはクドくないし、個人的にはそこまで気にならないです。そういえば、今回りんなさん出なかったけど伏線なのかな…?
※『仮面ライダードライブ キャラクターブック VOL.ZERO~AcceleratioN~ 』より。金が無いから買ってないんだけどね…!

 まぁ、不満点もあるけどな!(今回も、事件解決部分が雑じゃなかった?)

■タイヤコウカン

 なんか、"タイヤ"の定義が「回転するもの」「円い(丸い)もの」なら何でも良し!になってないか…?「マックスフレア」「ファンキースパイク」「ミッドナイトシャドー」「ジャスティスハンター」あたりは素直にカッコいいし、「燃えるタイヤ、棘付きタイヤ、手裏剣タイヤもアリかな…?」と思えたけど、今回の「ルーレット・コンクリート・猛獣の牙」はねェだろ…!まぁネタを考えるもの大変なんだろうけどさ…!あと、今回シフトカーを幾つ売るのかわからないけど、第03話にして7体って多くない…?ちゃんと使い分けしてくれるといいんだけど…。

 あと、タイヤコウカンってけっこう地味よな…!『鎧武』は、アームズチェンジと玩具展開「だけは」良かっただけに、インパクトが薄いと思う(というか、平成二期の仮面ライダー達がハチャメチャすぎるんよな…!)第03話にしてトライドロンは置物と化してしまってるし…。視聴者は走ってるとこ運転してるとこをもっと見たいんじゃ~!

 「車」もそうなんだけど、「タイヤ」であることにも意義を持たせてほしい。つなげられるとしたらタロットカードの「運命の車輪("Wheel of Fortune")」とかかな。ドライブ("Drive")には「推進力」という意味もあるので、「どんよりした世相の中でも前へ進もうぜ!」というテーマが『ドライブ』の中にはあるのかもしれない。もしそうだとしたら、きだつよしが「今を受け入れて前に進もうぜ!」というメッセージを込めた『ウィザード』に通じるところがあるね。「大森敬仁は塚田英明と作風が似てる」と巷では言われてるようだけど、個人的には宇都宮孝明の作風の方が近いと思っている。それに大森敬仁って、塚田英明と一緒に仕事したこと無いんだよな(笑)

■この男、死神で魔進チェイサー

 おぉ、「魔進チェイサー」かっこいいな!変身ポーズが「『キバ』のイクサやん!」と思ったのは自分だけじゃあないはずだ…!(つまり、ブレイクガンナー≒イクサナックル。「レ・ディ・ー」「フィ・ス・ト・オ・ン」)っつーか、チェイス役の上遠野太洸クン、可愛い顔立ちしてるのに声低いね(笑)この、「バイク乗りが怪人を倒してるけど、果たしてこいつは仮面ライダーと言えるのか?」という問いかけはベーネ。『555』の「第04話 おれの名前」と「第08話 夢の守り人」を彷彿とさせた(ちなみに、『ドライブ』のチーフP大森敬仁と、主役の竹内涼真のお気に入りは『555』らしいw)出来れば、2号ライダーは出してほしくないな~。「ドライブ VS 魔進チェイサー」のみで突っ走ってほしい。でも、無理だろうな…!『ウィザード』でもビースト出ちゃったからな~。

 「自動車 VS 自動二輪車」のチェイス、やんないかな~。第04話に期待します。

[了]

※関連記事です。

『ドライブ』感想:第02話「仮面ライダーとはなにか」(前篇) - 千倍王鷹虎蝗合成獣

『ドライブ』感想:第02話「仮面ライダーとはなにか」(後編) - 千倍王鷹虎蝗合成獣

『ドライブ』感想:第01話「俺の時間はなぜ止まったのか」 - 千倍王鷹虎蝗合成獣

『仮面ライダードライブ』の第一印象 - 千倍王鷹虎蝗合成獣