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千倍王鷹虎蝗合成獣

平成仮面ライダーの感想・考察サイト。衒学的で悪し様で居丈高な語り口のブログにようこそ。

『ドライブ』感想:第01話「俺の時間はなぜ止まったのか」

仮面ライダードライブ』の感想です。以下、ネタバレ注意。

第01話「俺の時間はなぜ止まったのか」
脚本:三条陸 
監督:田崎竜太
*↓東映公式サイト
http://www.toei.co.jp/tv/drive/story/1204256_2223.html

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【あらすじ】
世界の破滅ってやつは、突然起きるみたいだ。
例えば、ディナーを楽しんだりしている、その時に…。
いわゆる、グローバル・フリーズの勃発だった。
あの日、俺の時間も止まった。
あの日は俺の、心の破滅の日でもあった。
この時、俺はまだ知らなかった。
凍りつく時間の中でただ一人、
世界を救うために立ち上がった戦士がいたことを。

 やはり、「三条陸×田崎竜太」は手堅い(笑)

 『仮面ライダードライブ』物語開始前の三つの出来事!
一つ!時間が止まる怪現象、「グローバル・フリーズ」が世界中で勃発!
二つ!泊進ノ介もその怪現象に襲われ、親友を失い、それがトラウマに!
三つ!人知れず悪と戦う仮面ライダーが立ち上がり、世界滅亡は免れた!

 これらの情報が、アバンのたった数分間で頭に入ってくる!作品の「世界観」が視聴者に伝わらないと、「わけがわからないよ」とチャンネルを切られてしまうからね。最初の掴みが大事というか、『鎧武』の敗因の一つは「ユグドラシルの城下町、沢芽市の若者ビートライダーズが、ダンスステージの占有権をインベスゲームで決める」という世界観が視聴者に「理解できない / 理解しがたい」ものだったからだと思うし。

 設定は『カブト』に似ているね。「渋谷隕石事件 ≒ グローバル・フリーズ」、「クロックアップ ≒ 重加速現象(どんより)」といった感じで。特筆すべきは後者で、まぁこれは昭和の時代からずっと言われ続けてることだけど、「仮面ライダーが人知れず怪人と戦ってるわけねーじゃん!」という突っ込みは度々されてきたと思うんですよ。目撃されたらマスコミが黙っちゃいないだろうし、特に今の時代はネット全盛で、撮影バレだって日々上がってくるぐらいだし(笑)

 その突っ込みの回避策は幾つかあって、平成仮面ライダーシリーズだと以下の設定で凌いでいる。
(1)一般人が怪人の存在を認知しており、警察が民間人を守る。
⇒『クウガ』、『アギト』
(2)一般人が認知できない場所で戦っている。
⇒『龍騎』のミラーワールド、『響鬼』の山奥、『カブト』のクロックアップ、『電王』の時の列車
(3)巨大な組織が情報統制を敷いている。
⇒『555』のスマートブレイン、『剣』のBOARD、『キバ』の素晴らしき青空の会、『ウィザード』の国家安全局0課
(4)怪人の活動範囲が限定的である。
⇒『W』の風都、『フォーゼ』の天ノ川学園、『鎧武』の沢芽市(※ユグドラシル情報統制も一応あるか)
(5)細けぇことはいいんだよ!
⇒『ディケイド』、『OOO』(※鴻上ファウンデーションが上手いことやってる可能性もある?)
 幾つかの複合技もあるけれど、ざっとこのくらいかな。この中で、一番視聴者に納得してもらえるのは「(2)一般人が認知できない場所で戦っている」の設定だと思う。「仮面ライダーなんているわけねーじゃん!」→「鏡の中で!大自然の中で!加速した時の中で!過去に遡って!戦っているんだよ!」というアンサーは妙に説得力があるし、視聴者に半ば諦めてもらえるというメリットがある(笑)

 『ドライブ』の設定も秀逸で、例えば劇中の以下の台詞。

西城究「重加速は怪物たちの破壊活動の前兆。もはやネットの世界では常識さ。」
追田現八郎「くだらん!俺は見てない。見てないものは真実じゃない。」

 つまり、「重加速現象(どんより)自体は認知されている」けれど、「怪人と仮面ライダーの存在は憶測 / 絵空事の域に留まっている」わけ。『鎧武』だと、序盤に「インベスゲームってけっこう危険なのに、なんでネットで大騒ぎになんねーんだよw」という批判があったけど、『ドライブ』ではそれを解消できてるのよね。怪人「ロイミュード」の設定も秀逸だなぁ。自分は特撮情報誌などで事前に情報を仕入れているけど、まだ番組内で明らかになっていないことも多いのでその辺は後の放送回で触れます。

 台詞の一つ一つも素晴らしい。

「そろそろ戦士になる決心をして、走り出してくれないかい?」
「君は超人だ。ただエンジンのかけかたを忘れているだけさ。」
「ギアが入ったっぽい…。脳細胞のギア。エンジンかかってきたのかも。」
「走って移動するのかね?」「他人の運転は信用できない。」
「エンジンかかったんでしょ。だったら戦って!彼と一緒に。」
「他人の運転は嫌なんだろう?君自身を乗りこなすんだ。」
「悪いが俺も知らない。これから初乗りだ。」
「怪物ども!ひとっ走り付き合えよ。」
「いいね!走りに幅が出る。」
「ナイスドライブ」

 「走る」「エンジン」「ギア」「運転」「乗る」といった、車に関連するキーワードが会話の端々に散りばめられている。しかも、それがあまり不自然じゃあなく、研ぎ澄まされている!『ウィザード』だと「希望」と「絶望」、『鎧武』だと「大人」と「子供」、「変身」や「強さ」という単語が頻出するのが若干くどかったからな…。

 主人公にも好感が持てる。

Aパート:泊進ノ介「ああ…もういい。考えるのや~めた。」
Bパート:泊進ノ介「もう、考えるのはやめた。変身!」

 前半と後半で、"考えるのはやめた"の意味が、「思考の停止」から「考えるより先に行動」とネガからポジに変わっているッ!主人公の挫折→復活(変身)が無理なく難なくたったの一話で書かれてしまった…。三条センセはほんまに職人やで~!販促も怠らないし。ちなみに、主人公がミルク味のキャンデーを舐めるのは、「牛歩」という単語から発想されたものだそうで(本当は考え事をする時に「牛乳を飲む」という設定だったとか。)

 その他の登場人物については、もう、テレビ朝日の公式サイトの「キャスト」ページの説明そのまんまのキャラクターがきっちり描かれていたので、ここには一々書かん(笑)いやー、凄いわ『ドライブ』。
http://www.tv-asahi.co.jp/drive/cast/

 『カブト』との比較ばかり書いたけど他の作品にも触れますか。まずは『W』。「探偵モノ」と「刑事モノ」で、「事件発生(依頼)→捜査(調査)→逮捕(解決)」という流れはほぼ一緒だけど、『W』の場合は「調査」の部分が基本的にフィリップの「地球の本棚」頼みなのよねw『ドライブ』の場合はその「捜査」の部分もみっちり書いてくれそうなのでそこに期待かな。実際、Cパートで引きがあったしね(次の回も見させようという気概があって、いいなぁ(笑))

 もう一つは『キバ』。実は、『ドライブ』のチーフプロデューサー大森敬仁は、『ウィザード』の宇都宮孝明と共に『キバ』のサブプロデューサーを務めていたのよね武部直美の下で。で、当時の『キバ』関連本を見てみると、宇都宮Pの『キバ』のディスりっぷりが半端ないw長くなるんでここには書かないけど、『ウィザード』には宇都宮Pなりの『キバ』リベンジという側面があったと思う。大森Pにもそれがあるんじゃあないかな?「喋るベルト」の採用から、その辺が伺える、ような気がする(もっとも、喋るベルトを提案したのは三条陸だけどw要するに『ナイトライダー(Knight Rider)』からの発想よね。)

 最後に一つ。「田崎竜太、車好きなんだな~!」と、オープニングの映像見て思ったw特に洗車のシーンw

 第02話は「トライドロン」による戦闘シーンもあるようで、今から楽しみです。

[了]