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千倍王鷹虎蝗合成獣

平成仮面ライダーの感想・考察サイト。衒学的で悪し様で居丈高な語り口のブログにようこそ。

はじめに(スタンスについて)

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 これ「最初に書いとけよ!」ってハナシですよね。スタンスについて。

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TV版『アマゾンズ』感想:Ep01「AMAZONZ」

45_アマゾンズ 07_カブト

TV版『仮面ライダーアマゾンズ』の感想です。以下、ネタバレ注意。

Episode01「AMAZONZ」(脚本:小林靖子、監督:石田秀範)

■『アマゾンズ』はダーク『カブト』

――で、平成ライダーは『仮面ライダー剣』(2004年)に続くわけですが、これはカードバトルを前面に押し出した作品でしたね。
「ちょっと待ってね……『剣』もそうだけど、そのあとの『響鬼』(2005年)『カブト』(2006年)と、この時期はあまり分量的にやってないんだよね。というのも今だから言えるけど、ここらへんは平成ライダーがピンチの時期で、石田(秀範)監督なんか3年連続パイロットで大変だったと思います。あまり協力出来なくてごめんなさい。そういうわけで、まさにライダー最終回直前!そして最終回のBパートで大ピンチ!!もはやダメか!?と思ったとき、まさかの『電王』登場で大逆転!!と(笑)」
――話を端折り過ぎですよ!
佛田洋『特撮仕事人』より)

 スタッフにも『剣・響鬼・カブト』が暗黒時代という自覚があったのか…!

 『剣・響鬼・カブト』のパイロット監督は石田秀範で、本人も当時は大変だったと述懐している。というか、巨匠がパイロット版を撮るのは『カブト』以来なのね。

――『剣』ではパイロットに加え、初の劇場版も手がけられました。(中略)翌年の『響鬼』でもパイロットを手がけられましたが、これは?
石田 高寺プロデューサーが久しぶりに現場に戻ってきましたけど、響鬼』はいろいろ大変でした。でも、高寺らしいドラマや、伝えようとするテーマがしっかりありましたね。
(中略)
――そして、『カブト』もパイロットと劇場版を担当されましたね。
石田 パイロットを3年続けてだったので大変でした。パイロットというのは1年分がそこにのしかかってきますからね。よく田崎は続けているなぁと(一同笑)。
(石田秀範『仮面ライダーディケイド&平成仮面ライダーシリーズ10周年記念公式読本』より)

 『アマゾンズ』の第一印象はダーク『カブト』<害虫(獣)駆除>だったり<擬態>だったりね。異なるのは、マスクドライダーは装着変身なのに対し、アマゾンズは<肉体変容>であるということ。この辺は『アギト』っぽい。“α(アルファ)”“Ω(オメガ)”といったネーミングも。今回<獣人>という原作(原案)ワードを採用せず、仮面ライダーも怪人も皆“アマゾン”という接頭辞/接尾辞に統一したのは凄いね。Episode01は定番の<蜘蛛><蝙蝠>に加え<蜻蛉>の怪人も登場ヘビトンボ獣人?ドレイクも入ってる?)と気合十分。ZECTの諸君と違い、駆除班はそこそこ臨戦・応戦できてるし(笑)そうだ、あと<土竜>いたねモグラ!!鼻(花)もちゃんと開くしw

■生卵と加工品と薬

 主人公二人から受けたイメージはこんな感じ。あくまでコンセプト的によ!?

鷹山仁 ≒ 天道総司 × 津上翔一
水澤悠 ≒ 加賀美新 × 葦原涼

 井上敏樹が書いた小説『海の底のピアノ』の主人公二人っぽい。『アマゾンズ』のメインライターは小林靖子だけど…!

(壱)水雪(女性主人公)とホームレスの場合

 水雪はねぐらに戻ってつゆ草を指でちぎって葉と花と茎に分けた。
 その間に宗片は鯰を捌いた。まな板の上に乗せた鯰の頭を包丁の背でコツンと叩き、ぐったりとなった鯰の背に包丁を入れた。背骨に沿って背開きにし、はらわたを取り出してぷるんとした白い肉を水で洗って血を落とした。
 ひと通りの下準備が終わると鰹出汁に薄口と濃い口で天つゆを作り、宗片はつゆ草の天ぷらを揚げ始めた。
 水で溶いただけの粉をくぐらせて揚げたつゆ草の花と葉の天ぷらは、トンボの羽根のような薄衣に包まれていた。天つゆにつけて口に運ぶとはらりと溶けて消えていく。
 (中略)
 鯰の肉はひとくち大に切って粉を少し足しつゆ草よりも厚い衣の天ぷらにした。
 サクッとした衣の歯応えと、ふわりとした鯰の肉が混ざり合う。
 (中略)
 シメはつゆ草の茎の蕎麦だった。ぐらぐらに煮立った鍋にどっさりと茎を放り込み、くたくたに煮上がったところを冷水にとった。冷めた茎を繊維に沿って縦に包丁で千切りにし、もう一度冷水にさらしてザルにあけた。
 鰹出汁に濃い口醤油と味醂で天つゆよりも大分濃く味付けをして蕎麦つゆを作った。
 下手糞な箸使いでつゆ草の蕎麦を食べる水雪を宗方は穏やかに笑って見つめていた。
井上敏樹『海の底のピアノ』より)

(弐)和憲(男性主人公)と母親の鈴子の場合

 鈴子は家政婦に頼るのをやめ、自分で料理をしようと決心すると食べるという行為が行為にならないほど軽く食べられるものを探した。自分でもそういう料理を欲していた。
 体調のいい日にあちこちの店を食べ歩き、スペインのあるレストランが発祥だという化学的調理法に目をつけた。それは鈴子の理解によれば食材を細胞レベルでバラバラにして質感と量感を全て消し去る料理だった。
 本とネットを渉猟し、独学で化学的調理法を身につけた鈴子はアルギン酸ナトリウムや塩化カルシウム炭酸ガス液体窒素を使って様々な食材を泡やゼリーやマシュマロに変えた。
 和憲は鈴子の期待通りに蛤の香りのする泡やみそ汁味の人工イクラや鯛のマシュマロ等を残す事なくよく食べた。和憲は特に泡の料理が好きになった。和憲にとって、それはアロマの香りを嗅いでいるのと同じようなものだった。
井上敏樹『海の底のピアノ』より)

――(中略)僕はあの人も好きでしたよ、……えっと河原に住んでる
井上 宗方さんね。あれは最高だよ、最高。あのシーンは、ホームレスのほうが豊かな食生活を送ってるっていうのが書きたかったの。
井上敏樹『語ろう!555・剣・響鬼【永遠の平成仮面ライダーシリーズ】』より)

■で、『アマゾンズ』は平成一期回帰なの?

 かというと、なんか微妙な気がする。クウガ』~『555』は、なんだかんだでホッと一息つける瞬間というか、<団欒(憩いの場)>があったけど、そういうの皆無だし(TV版はカットされてるのかもしれんけど)どことなくノスタルジーは感じるけれども、それはそれで<真新しさ>が無いというのと同義なのよね。このブログにコメント欄にも『アマゾン』が一番異色という話をして、それを踏まえて作ったのが『アマゾン』のリメイクなのはどうかと思わないでもないという書き込みがあったけど、確かにそうだよな…!(“remake”ではなくrebootの方なんだろうけど)

 ただ、『電王』の時のような白倉伸一郎らしくなさ>は感じられる。例えば、駆除班のマモル青年がモグラアマゾンに変身する前に服を破いたり(それを劇中の登場人物が突っ込んだり)、各話サブタイトルをアルファベット順の英単語/熟語に統一するなんていうのは、

・Episode01「AMAZONZ」
・Episode02「BEAST INSIDE」
・Episode03「COLONY OF ANTS」
・Episode04「DIE OR KILL」
・Episode05「EYES IN THE DARK」
・Episode06「FOR WHAT I FIGHT」
・Episode07「GAME OF THE BUTCHERS」
・Episode08「HERO OR NOT」
・Episode09「INTO THE CANNIBAL'S POT」
・Episode10「JUNGLE LAW」
・Episode11「KILLING DAY」
・Episode12「LOST IN THE FOG」
・Episode13「M

どちらかと言うと高寺成紀(or塚田英明)が嬉々としてやるようなことだからだ。これは完全に邪推だけど、『アマゾンズ』は今でも一流の食材からの三流の料理と言わしめる『カブト』リベンジという側面もあるのかもしれない。前者は45周年記念作、後者は35周年記念作と、アニバーサリー作品という共通点もあるし。…ところで、ラストエピソードの『M』というのはつまり、そういうこと…?(※私はオリジナル版未視聴なのです)

「平成仮面ライダー」のキャラクターイメージが極めて多岐にわたってきたため、平成以前のシリーズも含め、仮面ライダーとはなんぞやというアイデンティティを打ち込み直そうと意図して企画したのが『仮面ライダーカブト』です。そのため、この作品は完成された主人公を擁した、ある意味、保守的なものになっています。そこには、昭和も含めてもう一度「仮面ライダー」を立ち上げようという強烈な意識がありました。だが正直、諸設定などを考えすぎた面があります。天道総司物語とするならば、さまざまな仮面ライダーが登場するにせよ、人物の並列描写は避け、徹頭徹尾、天道総司物語として組み上げていくべきだったかもしれません。
白倉伸一郎仮面ライダー 平成 vol.7 仮面ライダーカブト』より)

 や、でも毎週の楽しみが一つ増えたのは素直に嬉しい。Episode01唯一の不満は、コウモリアマゾンの翼が安っぽいことくらいかな(笑)無事(無事?)に2クール目も決まったようで、『アマゾン』の「ゲドン編 → ガランダー帝国編」のようにガラッと作風が変わるかもしれないし、ならないかもしれない(オイ)

■何が言いたかったかというと、

 真面目な巨匠は良い巨匠、不真面目な巨匠は悪い巨匠だぜェ~!

 …とりあえず『アマゾンズ』も初回は感想記事を書いてみたけれど、毎週更新するかは未定です。

[了]

※はじめましての方はこちらをご一読ください。

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『仮面ライダーゴースト』三四半評(+第38話感想)

17_ゴースト 15_鎧武 08_電王

 『ゴースト』の放送が約四分の三終わったので、三四半評をば。第25話「異変!赤い空!」から、第37話「修得!それぞれの道!」までの所感プラス、第38話「復活!英雄の魂!」の感想です。

※序盤評や中間評への賛同・反対意見もお待ちしております。

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■<積み上げ型>と<散らかし型>と<纏め上げ型>

 突然だが、高寺成紀白倉伸一郎塚田英明の作風というか、シリーズ構成を一言で表現してみる。その下には、各方面の著名人による3大チーフPの感想を付記。

(壱)高寺成紀は<積み上げ型>

井上 (中略)高寺さん独自のスタイルというか、1回見ただけだと、ゆっくりしててタルいなぁって思うんだけど、ちょっとしたプロセスの積み重ねが効いてくるんですよね。徐々に、徐々に。
 (中略)
――『ユリイカ』の寄稿文にもセリフの中の小さな情報から世界を広げるのが実にうまいって書かれてましたよね。(中略)「どうやら鬼にはシフトやローテーションがあるようだ!」とか「魔化魍のタイプ別に担当の鬼が違うようだ!」とか「鬼は日本全国にいるようだ!」とかもそうですよね。
井上 そうそう(笑)。ちょっとずつわかってきて、それがまた快感になっていくんですよね。
井上伸一郎『語ろう!555・剣・響鬼【永遠の平成仮面ライダーシリーズ】』より)

(弐)白倉伸一郎は<散らかし型>

――では『555』のドラマの肝となる流星塾の面々に。彼らは悲しいことが多かったですね。
井上 流星塾はね、最初は何も考えてなかったんだよ。俺が第1回と第2回のホンを持ってったときに、白倉が読んでまとまってるんだけど、何か一個足りないと。なんかぶちこんでくれって言うから、勝手に流星塾をぶちこんだら、ああなったんだよ(笑)。
 要するに、『アギト』のあかつき号事件と同じよ。結末はわからなかったんだよ、とりあえずぶっこんどいて、あとで考えようってさ、例によって強引な手法だね。また結果的にはうまくいったと(笑)。
――真理が元流星塾とかも、全部あとづけだったんですか?
井上 全部あとづけだよ(笑)。
井上敏樹『語ろう!555・剣・響鬼【永遠の平成仮面ライダーシリーズ】』より)

(参)塚田英明は<纏め上げ型>

――(中略)しかし、ここまで設定を決め込んでいたのに、ほとんど小出しにすることもなく終盤戦に雪崩れ込みましたね。
中島 1年かけて作ってきた設定を最後の4話くらいで一気に消化しなきゃいけなかったから泣きそうになりました(笑)。でも、そこには塚田さんの計算があって、要するに5歳児はそんなに長く設定を憶えてはいないということなんですね。まだ瞬間、瞬間で生きている段階だから、そういう話はまとめてやったほうがいいという考え方です。それはハッキリ言われました。僕や三条さんは隙あらば伏線を張ろうとするんだけど、そのたびにこの話には直接機能しないくだりですよねって(笑)。2話完結の中で、その話がどう動くのかが大事なんですね。
中島かずき仮面ライダーフォーゼ公式読本 FOURZE GRADUATION』より)

 で、他のチーフP達は上記3タイプの何(いず)れかを選択して「平成仮面ライダー」を制作している。例えば、宇都宮孝明(ウィザード)や大森敬仁(ドライブ)は<纏め上げ型>を採用しているし、武部直美の『キバ』は<散らかし型>、『OOO』は<纏め上げ型>と言える。『鎧武』は、虚淵玄が高寺&白倉P(クウガ・アギト・龍騎・555)をリスペクトしてるというのもあり、<積み上げ型><散らかし型>のハイブリッドである。では、『ゴースト』(高橋一浩)はどうなのか?というと

(壱)アランの物語は<積み上げ型>
(弐)マコトの物語は<散らかし型>
(参)タケルの物語は<纏め上げ型>

といった感じだろうか。アラン(眼魔)の世界の実情はゆっくりと静かに判明していき、深海兄妹の謎・伏線は回収されては次なるそれが生じていく(最近では、マコトのドッペルゲンガーなど)タケルの方(メインストーリー)はというと、1つ1つのエピソード自体は大天空寺で始まり大天空寺で終わるようになっている。『ゴースト』は3大チーフPの作風がMIXされているのだ。

■ナンバー2!サブライター気質!

――今回はスポット参戦といった感じでしたが、ご自身でライダーのシリーズ構成をやってみたいという願望はお持ちですか?
長谷川 う~ん、やっぱり僕はどっちかっていうと変化球の話を投げさせてもらってるほうがいいかな(笑)。メインをやってる人には申し訳ないけど、作品の設定に対するアンチテーゼだったり、そういう幅を作り上げて、それをまたメインの人が受け止めてくれて……という戦いをしながら作っていくのが楽しいんですよ。だから、ズルいやり方かもしれないけど、自分はナンバー2のほうが性に合ってるし、そのほうが役に立ってる感じもするんです。まぁ、仮にメインを引き受けても、どうせ変化球みたいなものを書いちゃうんですけどね。これはもう、生まれもっての性(さが)としか言いようがないですね(一同笑)。
長谷川圭一仮面ライダーフォーゼ公式読本 FOURZE GRADUATION』より)

――『鎧武/ガイム』第30話と言えばオーバーロードが沢芽市に向かい、大騒ぎになると思ったらキカイダーが出てきた話でしたね。
 そこは「数日前」と出したので(笑)。でも、そういうオーダーをキッチリこなせる脚本家は必要だと思うんですよ。それこそ『ドライブ』の特別編もそうでした。ゴーストへのバトンタッチを描きつつも『ドライブ』ファンに納得いただけるような最終回にしたいじゃないですか。こういう企画物の中でできるだけクオリティを高めることがサブライダーの矜恃だと思っています。もちろんメインライターの仕事をやってみたいとは思いますが、今お話ししたサブライター気質というのも自分の中にはあるんですよ。他人が作ったメインラインを繋いで広げるのも自分の性に合っているので。
(毛利亘宏『宇宙船 vol.152』より)

 メインライターの福田卓郎が「平成仮面ライダー」初参戦というのもあり、『W』や『フォーゼ』の長谷川圭一や、『OOO』の毛利亘宏がサブライターとして脇を固めている。…のだが、福田卓郎が夏映画『100の眼魂とゴースト運命の瞬間』(←百目鬼という略称は如何でしょう?)の脚本執筆に時間がかかったというのもあり、3クール目はサブライター2人で回している。

◆『ゴースト』3クール目の割り振り
・福田 卓郎回:第27・28話
・毛利 亘宏回:第29・30・34・35・38話
長谷川圭一回:第25・26・31・32・33・36・37話

 実質、長谷川圭一メインだね、こりゃ。福田卓郎は第39・40話で復帰するようで、終盤(4クール)は登板回数が増えそうだけど。さて、中間評に「『ゴースト』の主人公像については、三四半評にて書きます」と記したので、ここから先は天空寺タケルについて。

■アラン「みんなお前にもらったんだ、大切な心を!」

タケル友達なのに、どうして戦うんだ?
アラン貴様の言ってることは全く理解できない。
タケル「俺だって、お前たちが言ってることが全然わからない!命や体に意味がないなんて、間違ってる!」
マコト「あいつに何を言っても無駄だ。」
タケル眼魔と友達になれたんでしょ?俺たちが眼魔を理解しようと努力したら、眼魔にだって、人間の考えもわかってもらえるって!
マコト「タケル…。」
アラン理解不能だ。
(第16話「完璧!白い仮面ライダー!」より)

マコト「アーイ!バッチリミィヤー!バッチリミィヤー!カイガン!ネクロム!ヒウィゴー!覚悟!乗っ取りゴースト!」
アラン「これで私たちは、本当の友になった。」
( 中 略 )
タケル「マコト兄ちゃん…。やめろ!アラン、お前が操っているのか?」
アラン「フッフッフ…。ああ。今のスペクターは私と一つになった。」
タケルこんなのマコト兄ちゃんじゃない!お前とマコト兄ちゃんは、友達なんだろ?
アランそうだとも。完璧なる…友だ。
(第17話「絢爛!幻の女王!」& 第18話「逆転!神秘な科学!」より)

アラン天空寺タケルはどういうやつなんだ?
カノン「タケルくんは、子供の頃からまっすぐなんです。お兄ちゃんの親友で…。アラン様と同じです。タケルくんなら、アラン様とも友達になれるんじゃないかな。
アランあいつと私が?
(第20話「炸裂!炎の友情!」より)

タケル「お前たち眼魔は、人間をさらってどうする気だ?」
アラン「さらってなどいない。」
タケル「大勢の人間がカプセルで寝かされていたぞ!」
マコト「タケル、あれは…。」
アラン「我々の民だ。」
タケル「民…?」
アラン我々の民の肉体は完璧に保護され、永遠に朽ちることはない。
タケル嘘だ!俺は人が消えるのを見た!
アラン何を言っている?そんなことはない。
( 中 略 )
アラン「(カプセル内部の人間が消滅するのを見て)消えた!?やつが言っていたことは本当だったのか!?
(第23話「入魂!デッカい眼魂!」& 第27話「決死!覚悟の潜入!」より)

アカリ「今から眼魂の力で願いを叶えるの。」
御成 「ついにタケル殿が生き返るのですな?」
タケル「違うんだ御成。今はカノンちゃんの病気を治す。
アランこいつ、迷わず自分の命よりカノンのことを…。
(第25話「異変!赤い空!」より)

アラン((フミ婆の葬式会場にて)泣いている人間もいる。笑っている人間もいる。なんだ?これは。)
タケル「アランもお別れを言ってあげて。きっとフミ婆も喜ぶから。」
アラン人間は死んだら終わりだ。
タケルそんなことない。フミ婆は…フミ婆の思いは、みんなの心の中で生き続けるんだ。きっとアランの心にも…。
(第30話「永遠!心の叫び!」より)

 第30話でこの世界の宝物を守りたい!という心の叫びに気付いたアラン様。フミ婆の影響も偉大だけど、タケルの言動もまた、彼の心を動かす働きをしたと思うのよね。『ゴースト』評は4分割(起・承・転・結)で書いてるけど、物語を3分割(序・破・急)すると第2章(第16~33話)は「アラン編」に相当するね(第1章(第01~15話)は「タケル・マコト編」かな)

■無限に広がる大空は青天井

 (中略)『電王』の場合、戦っているのは良太郎ではなく憑依しているモモタロスたちですから、観ている子供たちが『僕もライダーになりたい』と思ってくれているのかな、という疑問がありました。もちろん、モモタロスたちが僕のところに来てくれたらいいな、とかそういう気持ちはあっていいと思うんですけれど、いつまでも他力本願でいいものか、とも思っていたんです。やはり僕もライダーになって戦いたいなと、子供がストレートに憧れるキャラクターに戻してみようと思ったわけなんですね。それで、渡の成長物語という骨子を作っていったんです。誰かが自分を助けてくれる、というよりは、自分自身で戦うぞ、と思ってほしいんですよ。子を持つ親としては。
(武部直美『ファンタスティックコレクション 仮面ライダーキバ Fang01』より)

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 「グレイトフル魂は中間ではなく最終フォームにした方が良かったのでは?」という声を耳にするけど、個人的にはムゲン魂が最強形態で良かったと思う。英雄・偉人の力を借りても良いけど、最終的には主人公自身が<英雄>になるという終着の方が、主人公の成長物語として相応しいからだ。

 「ムゲン魂さえあれば英雄・偉人の力は不要じゃね?」というと決してそんなことはなくて、例えばムゲン魂でタノシーストライクを撃てるのはロビン・フッド(必殺技はオメガストライク)と戦ってきたからだし、シンネンインパクトが撃てるのもビリー・ザ・キッド(必殺技はオメガインパクト)がいたからこそ。英雄・偉人の御蔭で、タケルは弓の名手にもスナイパーにもなれたのだ。

 ただ、英雄・偉人にも弱点があって、それは彼らが<完成>された存在であること。例えば、宮本武蔵は発明王にはなれないし、エジソンが超剣豪になることはない。大人になると天井のシミや汚れが気になるようになるというけれど、子供はそうではない。テレビの前のおチビちゃん達は将来、物理学者にも音楽家にも童話の編集者にもなれるかもしれない(流石に、破戒僧とか大泥棒になってもらっては困るけど…!)<完了>していないからこそ<無限の可能性>があるというのは、中々に上手い帰結だと思う。<喜怒哀楽><勇気><信念><愛>の力で戦うというコンセプトも面白い。そうか、だからこその第27話だったのか。

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 とはいえ、「英雄眼魂もグレイトフル魂の要らん子やん!」というファンがいるのも事実。それを見越してなのかは知らないが、フォローとして用意されたのが第38話だ。

■第38話「復活!英雄の魂!」(坂本浩一×毛利亘宏)

アカリ「人間の感情によって進化する眼魂…。これはタケルと一緒に成長する眼魂みたいね。」
仙人 「人の無限の可能性を秘めた、まさに、ムゲン眼魂じゃ。」
御成 「ムゲン、眼魂、とは、よき名前ですな。」
仙人 「ガンマイザーの進化に、英雄眼魂が対抗できなくなった今、ムゲンだけが、頼みの綱じゃ。」
タケル「ちょっと待って。ムゲンだけってなんだよ。英雄の眼魂だって、まだまだ負けたわけじゃない。」
( 中 略 )
仙人 「英雄眼魂が無用とは言わん。だが、ガンマイザーの進化のスピードに対抗できるのは、ムゲンの力しかないということじゃ。」
タケル「そんなことはない。俺は、英雄の力を信じる。」
( 中 略 )
タケル「みんな、返事をしてください。みんな…出てきてください!怒ってるんですか?ムゲンを使った俺を。」
ムサシ「そうではない。我らは、おぬしの成長を誇りに思っておるのだ。おぬしは十分に成長した。しかしだからこそ、我らの役目は終わったといえる。」
タケル「そんなことない。俺にはまだみんなが必要なんだ!」
( 中 略 )
タケル「俺はみんながいたから強くなれた!どんな壁にぶつかっても、乗り越えることができた!だから…わかるんだ!みんなはまだまだ強くなれる!みんなには俺がついている!!」
ムサシ「すまなかったなタケル、最後まで共に戦おうぞ!わしは、決して折れぬ刃となろう。」
(第38話「復活!英雄の魂!」より)

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 15人の英雄・偉人全員召喚と、10連続ゴーストチェンジをテレビ本編で拝めるとは…!

 今後もパーカーゴーストは登場するようで一安心。こういうのは、最終回に近付くにつれめっきり出番が減っていくのが世の常だからな…!第39・40話はビリー・ザ・キッド回も兼ねているので、第41・42話はベートーベン回で、第43話から巻きに入るって感じかな。

■北のあの国とOSと世界変革の時

――怪人の目的を世界征服にしてしまうと、さすがにリアリティがなさすぎるから難しいですよね。
井上 そうなんだよ。戦隊はまだいいかもしれないけど、ライダーは敵のほうが難しい。北のあの国とかを出せば話が早いんだろうけどさ、そうもいかないしね。今は悪って書きにくいんじゃない?
井上敏樹『語ろう!クウガ・アギト・龍騎 【永遠の平成仮面ライダーシリーズ】』より)

虚淵 会社というものに対する子供たちの意識が、昔に比べて相当変わってると思うんですよね。TVスポットや広告で、コーポレートアイデンティティをやたら推してくる。子供たちにとっても、なんだかわからないCMやロゴがすごく目についているはず。(中略)パソコンを使うと出てくる「WINDOWS」とか、『妖怪ウォッチ』を作ってる「レベルファイブ」とかの固有名詞は耳にしてますよね、子供たちも。それらがどうやら自分たちの暮らしに密接に関わっているらしいけど、よくわからない…という感覚。(中略)今の子供が恐がりそうなもの……それこそ『妖怪ウォッチ』とか?「なぜ僕はこの機械の前に4時間も並んでるんだろう」と気づいたりして(笑)。そろそろ子供たちが疑問を感じる頃なんじゃないかと、僕は踏んでいますけど。
虚淵玄『ヒーロー、ヒロインはこうして生まれる アニメ・特撮脚本術』より)

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 『ゴースト』の敵は「もし独裁国家がソフトウェア会社を買収して世界を侵略しようとしたら?」というのがコンセプトと思われる。セイン・カミュ演じるディープ・コネクト者の社長の名前はスティーブ・ビルズであり、言うまでもなくSteve Jobs“Bill Gates”が元ネタである。デミアプロジェクトはどのように最終決戦に絡んでくるのかしら?私見ですが、『ウィザード』のように短期間に止め処なく、『鎧武』のような未曾有の危機が訪れると予想しています。

 以上、『仮面ライダーゴースト』三四半評でした。賛同・反対意見、お待ちしております。

[了]

※はじめましての方はこちらをご一読ください。

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『ゴースト』第34・35・36・37話感想

17_ゴースト

 久々の『ゴースト』各話感想は第34・35・36・37話の豪華4本立て!(とか言いつつ、実際は未更新分の簡易版なんですが…!)

【前回】『ゴースト』感想:第33話「奇跡!無限の想い!」 - 千倍王鷹虎蝗合成獣
【次回】(※07/03更新予定)

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※中間評への賛同・反対意見もお待ちしております。

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■『ゴースト』第01~33話&第34~37話の概要!

タケル 「みんなありがとう。みんなのおかげで帰ってこられた。」
アカリ 「今度こそ本当にダメかと思った。でもよかった。」
御成  「二度あることは三度ある。やはり、拙僧の言うとおりでしたな。ハハハハ…!」
ユルセン「ばあ~!お前なんもしてなかっただろうがよ。」
御成  「なんですと!」
ユルセン「脇やめろ!ハハハ…。」
アラン 「体がないお前は、そのまま消滅してもおかしくなかったはずだ。」
マコト 「その新しい眼魂のおかげなのか?」
アカリ ねえ、今タケルってどういう状態なの?99日の期限ってどうなったの?
タケル 「わからない…。おっちゃん?おっちゃん!」
仙人  「おお~奇跡の子よ。」
マコト&アラン「長官!」
タケル 「えっ顔見知り?」
マコト 「イーディス長官、いつこちらへ?」
仙人  「イーディス長官?誰だ?その人。知らないよ。」
アラン 「でも、同じ顔…。」
仙人  「この私と同じ顔?そんなイケメンが、この世に存在するのか?ぜひとも会ってみたいなあ。」
タケル 「おっちゃん、今の俺ってどういう状態なの?」
仙人  「よう!奇跡の子。いや、わしにもわからん。」
タケル 「えっ?」
ユルセンよう!奇跡の子。お前はまだゴーストだぜ。99日経ったら、お前の魂は眼魂ごと消滅しちゃうんだ。
仙人  元々はお前が生きている状態で、龍が送った、ブランク眼魂にお前の魂を入れ、仮の体で、眼魔と戦うはずじゃったんだ。
ユルセンでも、その前にお前、眼魔に倒されちゃったじゃん?
仙人  そして、99日目を迎えた時、龍が現れ、お前の魂は、龍の魂と、同化してしまったんじゃ。想定外の出来事じゃった。龍とタケル、2つの魂を救うためには、グレートアイの力を、使うしかなかったのじゃ。
タケル グレートアイって?
仙人  あのね、万物を創造することができる、力の根源。
マコト 「その言葉どこかで…。」
仙人  「その言葉って、僕の言葉?」
アラン だが、この前15個の眼魂をそろえても、願いは叶わなかったぞ。
仙人  それを妨害したのは、グレートアイを守護する存在、ガンマイザーだ。龍とわしは、ガンマイザーに対抗するために、15の英雄眼魂を用意した。だが、今なおガンマイザーの力は強くなり続けている。このままでは、グレートアイと対話することができない。
アカリ 「それって、タケルは生き返れないってこと?」
仙人  「う~ん…全てはわしの誤算じゃった。」
タケル 「大丈夫だよ。英雄の力はこんなもんじゃない。父さんが俺を信じてくれたみたいに、俺も、英雄たちの無限の可能性を信じる。残り36日。俺は眼魔を倒して、絶対に生き返ってみせる。」
仙人  「無限の可能性か…。奇跡の子から生まれた、奇跡の眼魂か…。龍よ、こやつは人間の可能性。未来そのものかも知れんのう。」
(『ゴースト』第34話「迷走!夢の世界!」より)

 奇跡の子から生まれた奇跡の眼魂とはまた大きく出たな…!ここ暫くは『DXムゲンゴーストアイコン』の販促が続きそうね。

 第34・35話は「グリム兄弟&タノシーストライク」回、第36・37話は「サンゾウ&シンネンインパクト」回。『DXグリム&サンゾウ&ヒミコゴーストアイコンセット』の販促期間はとっくに過ぎてるだろうにようやるわ…!何気に、龍さんがタケルに言う英雄の心を繋げ!は着実にこなされており、残るは「ビリー・ザ・キッド」&「ベートーベン」だけだったりする。「イサマシュート」や「ラブボンバー」と絡めたエピソードになるのかな?「イカリスラッシュ」&「カナシミブレイク」は終盤に一まとめで放たれそう。

◆英雄の心を繋いだ回
第14話:(09)坂本龍馬
第15話:(01)宮本武蔵
第16話:(03)ロビン・フッド
第18話:(10)卑弥呼&(04)アイザック・ニュートン
第19話:(07)武蔵坊弁慶
第20話:(12)織田信長
第21話:(02)トーマス・エジソン
第24話:(08)石川五右衛門
第30話:(13)ハリー・フーディーニ
第32話:(11)ツタンカーメン
第35話:(14)グリム兄弟
第37話:(15)三蔵法師

■第34話「迷走!夢の世界!」(山口恭平×毛利亘宏)

アデル「あれ(ムゲン魂)は一体なんなんだ?」
ガンマイザー「わかりません。」
アデル「お前たちは不滅の存在ではなかったのか?」
ガンマイザー「我々に障害はありません。観察、分析、適応、消去。」
アデル「お前たちも、進化をするということか…。」
(『ゴースト』第34話「迷走!夢の世界!」より)

 ムゲン魂の必殺技(前回(第33話)だと「ヨロコビストリーム」)はガンマイザーを石版ごと破砕できるようで、これにはアデル様もタジタジ。ムゲン魂に変身する時の電子音声が「ムゲンシンカ!」であるように、今後は<進化(evolution)>がキーワードになりそう。そういえば、夏映画『100の眼魂とゴースト運命の瞬間』(←これ略しにくいな…!)ではダーウィンが出るそうね。

 ゲストは第02話「電撃!発明王!」に出てた(出てたっけ?)片桐ジロウとその兄、片桐ユウイチ。グリムとの共通点は「兄弟そろって大学教授」ということ。この辺は上手いけど、片桐兄弟は理系なのでエジソンニュートンは出張らないの?」という疑問が浮かばなくもない(グリム兄弟は文系だからな~!)<夢の世界>から帰ってこない弟ジロウを連れ戻してほしいと依頼する兄ユウイチ。その裏にはディープコネクト社(つまりはイゴール)の影が。

イゴール「こんなところでお会いするとは、奇遇ですね。」
タケル 「お前の仕業だったのか?ここで何をしようとしている!?」
イゴール「楽しみを提供しているんですよ。」
タケル 「楽しみ?」
イゴール死なない体で永遠に続く夢。これはあなたたちの理想でしょ?
タケル 「そんなのウソだ。俺は眼魔の世界で人が消えるのを見た。」
イゴールええ、ウソです。魂も体も資源として大切に使わせてもらいます。今眠ってる連中も、あと1日で出られなくなります。夢の中で死ねるなんて、なんと幸せな。
(『ゴースト』第34話「迷走!夢の世界!」より)

 第25・26話の<赤い空>も、第31・32話の<大人の子供化>も、今回の<夢の世界>も、冷静に考えると結構えげつない話なのよな…!「ついにムゲン魂が!?」という引きで第34話は終了。

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 ライナーフォームリスペクトかと思いきや、演出はウイングフォームだったでござる。

■第35話「真価!楽しさの力!」(山口恭平×毛利亘宏)

タケル「楽しさは人を繋ぎ、笑顔が笑顔を生む。仲間がいれば、楽しさは無限に広がるんだ!

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 ということは、コスプレしたカノンちゃんもみんなで愛でた方が良いということだな!

 有りそうで無かった、イゴールがプロトメガウルオウダーで主人公勢の眼魂を装填し、パーカーゴーストを羽織るという展開が目玉の第35話。「メルヘーニュ!」と言わんばかりに夢の世界は<童話の世界>(すごく…ヘルヘイムの森です…!)全編通して山口恭平ワールド目白押しだったけど、戦闘シーンもグレイトフル魂でムサシ&エジソンパイロット版の2人)を召喚したり、ディープスペクター状態でノブナガ&ツタンカーメン魂に変身したり、ムゲン魂の無敵っぷりを3回も披露したりと、個人的には大満足。<楽しさ>も、「自分さえ良ければ」的な精神ではなく、「周囲に還元される」ようなものの方が善い、というのは確かにそうかも。

ユウイチ「早く帰るぞ!そうじゃないとここから出られなくなる!」
ジロウ 「いや、その格好…。全然説得力ないんだけど。」
ユウイチ「誰のためにこんな格好してると思ってんだ!!」
ジロウ 「ここから帰れない?こんな楽しい世界だったら願ったりだね!もう、科学は楽しくないし…。」
ユウイチ「だから、科学は…!」
タケル 「科学は、本当に楽しくないんですか?」
アカリ 「昔、お2人で子どもたちを集めて、科学教室を開いていたのを覚えていますか?」
ユウイチ「ああ、確かに。」
ジロウ 「それが、何か?」
アカリ 「その時に、1人の女の子が、お2人に科学の楽しさを教えてもらったんです。」
ジロウ 「ひょっとして…。」
アカリ 「はい。ホントにホントに、楽しかったんです!だから私、教授たちがいる大学で科学を勉強したいって思ったんです!」
タケル 「みんな本当にいい笑顔。楽しいって、こういうことなんだ。」
アカリ 「タケルが、光ってる…。」
タケル 「この気持ちを、みんなにも思い出してほしい。」
ジロウ 「これは…!」
ユウイチ「信じられん…。」
タケル 楽しい時間を一緒に味わえる人がいるって、本当に素敵なことだと思うんです。
ユウイチ「確かに、楽しかったなあ、子どもたちの笑顔を見ることが。」
ジロウ 「ああ。心から科学を楽しいと思えた。」
(『ゴースト』第35話「真価!楽しさの力!」より)

 …まぁ、こんな茶番、虫酸が走ります!と言う人の気持ちも解る。

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 ライダーパンチでファイヤーを、ライダーキックでリキッドを倒す、ムゲン魂の力は正にインフィニティ…!

■第36話「猛烈!アイドル宣言!」(坂本浩一×長谷川圭一

ビルズ 「どうです?この一体感。会場全員の気持ちが、このリングで一つになります。」
アカリ 「感動です。これがビルズさんが目指す、人の未来なんですね。」
ビルズ 「イエス。でも、これはテスト。デミアはさらに進化します。このグループも。」
アカリ 「進化?」
ビルズ 「ネクストステップのため、新メンバーを加えます。アカリさん、あなたもオーディションに参加しませんか?」
アカリ 「あっ、いいえ、私なんて…。」
イゴール「フンッ、誰がお前みたいな小生意気な女を。」
(『ゴースト』第36話「猛烈!アイドル宣言!」より)

 すごく…坂本浩一の趣味全開です…!ガンマイザーはファイヤーとリキッドに引き続きウィンドが登場。使い回しの多いガンマイザーだけど、地水火風的にあと一体は新規造形が出そう?(ガンマイザーアースとか。次回予告に映ってたのがそれかな?)初っ端から3人の仮面ライダーと新ガンマイザーを戦わせたり、ラストもスペクターのノブナガ魂&ツタンカーメン魂で雑魚散らし、リョウマ魂からのムゲン魂タノシーストライクで飛行機眼魔パーフェクトを倒したりと、見せ場はバッチリ。特筆すべくは、リョウマ魂は敵の一斉射撃を剣で捌いていたのに対し、ムゲン魂は敵の猛攻を避けもせず(物ともせず)照準を定め、敵を撃ちぬいた所。可愛い女の子達を撮るのに現を抜かしつつも、殺陣もしっかり見(魅)せてくれるのは流石よね。でもアイドルの歌唱シーンはちとキツい…!

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 この絵面、ますますインフィニティ…!

 というか、タノシーストライクが橙色で、シンネンインパクトが緑色だったけど、逆じゃない!?ロビン・フッド(緑)とビリー・ザ・キッド(橙)的に考えて…!

■第37話「修得!それぞれの道!」(坂本浩一×長谷川圭一

ジャベル「なんという戦い方…。常に自ら前に出るあなたが、まさか眼魂の家来とともに戦うとは…。」
アラン ジャベル、お前は2つ間違った。ただ死に場所を探す戦いに信念はない。故に負けたのだ。そして、ともに戦ったのは家来ではない。仲間だ。
(『ゴースト』第37話「修得!それぞれの道!」より)

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 第36・37話はアランの修行回でもある。1号・2号ライダーのパワーアップに3号ライダーがついていけない(取り残される)のはよくあることだけど、それについて言及して救済措置を与えるというのは珍しい気がする。手に入れたのはガンガンハンドのリデコだけど。ディープスラッシャーがサングラスラッシャーのリデコなんだし、どうせなら「ネクロムスラッシャー」的なものでも良かった気がw三蔵法師の力を使うなら孫悟空沙悟浄猪八戒も一緒に戦わせてほしいと常々夢想してたので今回のエピソードは感無量。いっちゃん最初のオメガウルオウド(第19話)が筋斗雲に乗って飛び去るだけだっただけにね…!あと、ハーピー4』の衣装を着たアカリが結構可愛かった。

■オマケ:『ジョジョ』第4部アニメ感想

 は今回はお休み…!『ジョジョDU』第10~13話の感想はいつか必ずここに書きます!

[了]

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どれから薦める?平成仮面ライダー!(改)

99_総合話題 03_龍騎

 以前、「平成仮面ライダーを薦めるなら響鬼』『カブト』『キバ』『フォーゼ』から見せろ!」という記事を書いた。巫山戯てるように思われるかもしれないが、俺は真面目にこれを書いたのだ。しかし、幾ら何でも敷居が高過ぎるのでは?という声もあったので、もう一度大真面目に考えてみる。

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■最初に出来の良いモノから見せるな!

 高寺成紀白倉伸一郎塚田英明の三人。信者とアンチで評価が真っ二つに分かれ、功罪両方併せ持つチーフP達ではあるが、彼ら無くして今日の平成仮面ライダーは存在しないという事実は誰にも覆せないだろう。高寺・白倉・塚田Pが各々最初に創った仮面ライダークウガ』『アギト』『ダブル』)は、昭和の残り香を感じさせつつも新しい風を巻き起こし、今尚根強い人気を誇る。

(01)『クウガ』(チーフP:高寺成紀)
【信念】新しいヒーロー、新たなる伝説を生み出す!
【概要】昭和仮面ライダーの平成シミュレーション!
【成果】キャラクター商品売上高を百億円クラスに!

(02)『アギト』(チーフP:白倉伸一郎
【信念】最初にして最後の仮面ライダーを生み出す!
【概要】三人の仮面ライダーと天使・神々との闘い!
【成果】新世紀では最高視聴率かつ最高平均視聴率!

(03)『ダブル』(チーフP:塚田英明)
【信念】次の十年に向けた、新たなるシリーズ始動!
【概要】探偵と魔少年、二人で一人の仮面ライダー
【成果】キャラクター商品売上高を二百億円規模に!

 しかしそれ故に、それ故に『クウガ』『アギト』『ダブル』から薦めてはならない。何故ならば、それが基準(ベース・スタンダード)となってしまい、出来の悪い(と、マジョリティが見做している)作品が見れなく(見下すように)なってしまうからだ。また、高寺・白倉・塚田Pは作風もスタンスも異なるため、下手をすると『クウガ』『アギト』『ダブル』のどれを一番最初に視聴したかによって、己のヒーロー像が固定されてしまう恐(怖)れがあるのだ。

(01)最初に『クウガ』を視聴した場合
視聴者「平成仮面ライダーはシリアスかつ、超リアリティ重視の二話完結型式なのね!」
(02)最初に『アギト』を視聴した場合
視聴者「平成仮面ライダーはシリアスかつ、謎伏線鏤めし連続メロドラマ型式なのね!」
(03)最初に『ダブル』を視聴した場合
視聴者「平成仮面ライダーはコミカルかつ、二話前後編ゲストお悩み相談型式なのね!」

 「設定の齟齬や、物語の矛盾の少なさ」<防御力>「外連味と話題性と強烈な引きの多さ」<攻撃力>、とすると、高寺成紀は防御力重視、白倉伸一郎は攻撃力重視、と言える(塚田英明は攻防平均点以上、といったところか)このブログでは、防御力が高い=<美しい>、攻撃力が高い=<面白い>という表現をしているのだが、『クウガ』初視聴者からすると『アギト』は<美しくない>だろうし、逆に『アギト』初視聴者からすると『クウガ』は<面白くない>と感じるだろう。

 また、『ダブル』以降(平成二期)の作品はライト(明るく、軽い)なテイストになったこともあり、『ダブル』初視聴者は『クウガ』や『アギト』の<シリアス(殺伐)さ>が、『クウガ』or『アギト』初視聴者は『ダブル』の<コミカル(軽妙)さ>が鼻に付くかもしれない。

 つまり、最初に薦めるべくは、高い防御力と攻撃力(美しさと面白さ)を兼ね備え、かつシリアスさとコミカルさ(殺伐さと軽妙さ)が入り混じる、バランスの取れた作品だ。

 「そんな作品あんの!?」存在する。存在するのだ。仮面ライダー龍騎だ。

■『龍騎』が優れている13の理由

 『龍騎』は<エポックメイキング>という言葉が歴代で一番相応しいくらい画期的な作品である。ここではその理由を13個列挙する。

(01)漢字のタイトル

 “仮面”を除けば、『仮面ライダー』のタイトルは、かつては英数字か片仮名しか無かったのである(『V3』『X』『アマゾン』『ストロンガー』『スーパー1』『BLACK』『RX』『ZO』『J』『クウガ』『アギト』)まぁ『仮面ライダー(新)』とか『真・仮面ライダー 序章』とかあるけど…!テレビシリーズで漢字のタイトルが冠されたのは『龍騎』が初で、後にも何作品か誕生することになる。

(例)『剣』『響鬼』『電王』『鎧武』

(02)仮面のデザイン

 仮面ライダーの“仮面”の三大構成要素と言えば<(1)触覚><(2)複眼><(3)クラッシャー>だが、『龍騎』では<騎士>をモチーフにし、上記三つに縛られない自由奔放なデザインが生み出された。まぁ『アマゾン』や『ストロンガー』の時点で相当攻めてるマスクだし、『クウガ』『アギト』の時点で触角は<角>に置き換わってるんだけど…!ちなみに、触角はゾルダ、複眼は龍騎、クラッシャーはナイトにと、主要登場人物三名に振り分けられている。

(例)触角が無い(555・ブレイド・カブト・キバ・ドライブ)、クラッシャーが無い(ダブル・フォーゼ)、触角と複眼が無い(鎧武)、触角とクラッシャーが無い(ディケイド・オーズ・ゴースト)、触角も複眼もクラッシャーも無い(響鬼・ウィザード)

 …何気に、電王(ソードフォーム)はちゃんと触角・複眼・クラッシャーがあるな…!

(03)多人数ライダー

 龍騎/城戸真司、ナイト/秋山蓮、ゾルダ/北岡秀一、シザース/須藤雅史、ガイ/芝浦淳、ライア/手塚海之、王蛇/浅倉威、タイガ/東條悟、インペラー/佐野満、ファム/霧島美穂、ベルデ/高見沢逸郎、そして、神崎士郎が用意する、仮面ライダーオーディン。『龍騎』では、劇場版『EPISODE FINAL』やテレビスペシャル『13RIDERS』の面々も含めると、総勢13人の仮面ライダーが登場する。まぁ『アギト』にも3人の仮面ライダー(アギト・G3・ギルス)が登場するんだけど…!でも、3人だと多人数って感じしないじゃない?他の多人数ライダー作品は以下の通り。

(例)『剣』(ブレイドギャレン・カリス・レンゲル)、『響鬼』(響鬼威吹鬼轟鬼斬鬼)、『カブト』(カブト・ザビー・ドレイク・サソードガタック・キックホッパー・パンチホッパー)、『キバ』(キバ・イクサ・サガ・ダークキバ)、『鎧武』(鎧武・バロン・龍玄・斬月(+真)・グリドン・黒影・ブラーボ・デューク・マリカ・シグルド)

(04)イケメン新人俳優

 『龍騎』放送時、サブP武部直美は制作の合間に、変身前の俳優達によるトークショーと写真集の出版を企画した。台本作りや会場の手配まで全て一人でやったという。周囲は「そんなの当たらない!」「売れない!」と一蹴。通常、特撮のショーの観客は、子供達とその父親ばかりなのが常だからだ。ところが、当日会場を埋め尽くしたのは、子供達の母親と若い女性ファン。写真集は重版し2万5千部売れ、女性誌の取材も増えたというのだから驚きだ。まぁ『アギト』の賀集利樹要潤友井雄亮もトークショー&握手会をやってるんだけど…!完全に火を点けたのが『龍騎』だったということで…。かつて<ジャリ番>と蔑まれ、芸能事務所から「芝居に癖が付く」と敬遠されていた平成仮面ライダーも、今や<若手俳優の登竜門>だ。

(例)半田健人(555)、椿隆之(剣)、水嶋ヒロ(カブト)、佐藤健(電王)、瀬戸康史(キバ)、井上正大(ディケイド)、桐山漣菅田将暉(ダブル)、渡部秀(オーズ)、福士蒼汰(フォーゼ)、白石隼也(ウィザード)、佐野岳(鎧武)、竹内涼真(ドライブ)、西銘駿(ゴースト)

(05)悪の仮面ライダー

 昭和の時代にもショッカーライダー(初代)とかシャドームーン(BLACK)とかいたけれど、偽ライダーだったり怪人扱いされたりで、明確に<『悪』の仮面ライダーを出したのは『龍騎』が初。藤岡弘、宮内洋が苦言を呈したり、当時はかーなーり物議を醸したね。まぁ『アギト』にもG4とかいたけど…!あれは劇場版だし…。…アナザーアギトは微妙だな。劇場版は敵が悪の仮面ライダーというパターンが多いね。ここでは敢えてそちらをピックアップしてみる(『ディケイド』と『鎧武』は沢山いるから割愛!)

(例)『555』(サイガ・オーガ)、『剣』(グレイブ)、『響鬼』(歌舞鬼)、『カブト』(コーカサス)、『電王』(ガオウ・幽汽)、『キバ』(レイ・アーク)、『ダブル』(エターナル)、『オーズ』(コア・ポセイドン)、『ウィザード』(ソーサラー)、『ドライブ』(ルパン・ダークドライブ)

(06)境界線の向こう側

 要するに、魔空空間的サムシング。『クウガ』や『アギト』で疲弊したのか、「警察を出さずに済むものか?」と考え抜いた末に編み出されたのが『龍騎』のミラーワールドである。情報社会となった平成の世で「人知れず戦う」仮面ライダーを描けるという点で非常に秀逸で、後続の作品でも同様の設定が練り出されている。

(例)自然(響鬼)、クロックアップ(カブト)、時の列車(電王)、ヘルヘイムの森(鎧武)、どんより(ドライブ)、眼魔の世界(ゴースト)

(07)支援動物

 「人間と怪物が共闘(共存)する作品が人気を博している中、ウルトラマンが何時までも怪獣を倒すだけというのは如何なものか?」と、『ポケットモンスター』の影響を受け(無視せざるを得なくて)企画されたのが『コスモス』というのは有名な話である。愛さえ知らず~に、育った、モンスタ~♪叫びはお前~の、涙なのか~♪(←それは『ガイア』!)『龍騎』も御多分に漏れず『ポケモン』の要素を取り込んでいる(契約モンスターがそれ)つまり、ドラグレッダーがリザードン、ダークレイダーがゴルバット、ボルキャンサーがキングラー、マグナギガがケンタロス、エビルダイバーがマンタイン、メタルゲラスがサイドン、ベノスネーカーがアーボック、みたいな感じね。こういった支援動物は、『響鬼』のディスクアニマルとして再び姿を現し、平成二期ではAパートアイテムとして毎年のように目にすることになる。

(例)ディスクアニマル響鬼)、ゼクター(カブト)、イマジン(電王)、魔族(キバ)、メモリガジェット(ダブル)、カンドロイド(オーズ)、フードロイド(フォーゼ)、プラモンスター(ウィザード)、シフトカー・シグナルバイク(ドライブ)、パーカーゴースト・ゴーストガジェット(ゴースト)

 …車やバイクも「動く物」だし、御伽噺の主人公や英雄・偉人、人間だって動物だ!

(08)巨大怪獣

 要するに、ドルギラン的サムシング。昭和の仮面ライダーは等身大ヒーローかつ、『スーパー戦隊』シリーズのように巨大(変形・合体)ロボットも出ないため、特撮監督の出番は少なかったとは佛田洋の談だが、『龍騎』から氏の仕事が増えたのは、CGによる出物が増えたからである。龍騎/城戸真司の契約モンスター、無双龍ドラグレッダーがその切欠だ。これはチビっ子達にも大好評だったようで、CG戦闘は(特に平成二期が顕著だが)毎年の風物詩になりつつある。巨大ビークル(超バイク・電車・ロボット・車・幽霊船)も、ドラグレッダーの延長線上の存在だ。

(例)サイドバッシャー・ジェットスライガー(555)、デンライナー・ゼロライナー(電王)、キャッスルドラン・シュードラン(キバ)、リボルギャリー(ダブル)、トライドベンダー(オーズ)、パワーダイザー(フォーゼ)、ウィザードラゴン・キマイラ(ウィザード)、スイカアームズ(鎧武)、トライドロン・ライドクロッサー(ドライブ)、キャプテンゴースト(ゴースト)

(09)収集玩具

 「光る!回る!変身ベルト」のキャッチコピーで飛ぶように売れた『仮面ライダー』の変身ベルト。『クウガ』のアークル(ソニックウェーブDX変身ベルト)も『アギト』のオルタリング(トリプルフラッシュDX変身ベルト)もそれを踏襲しているが、『龍騎』のVバックル(変身ベルトVバックル)は一味違った。変身ベルトはカードデッキが収納されているのみであり、カード(力の源)を読み込みベント(技)を繰り出すのは龍召機甲ドラグバイザーの方というわけだ。また、カードデッキは13人の仮面ライダーごとに異なり、コレクションアイテムの先駆けとも言える。『カブト』のゼクターはその大きさ(と値段)故にコレクタブルとは言えず、『キバ』のフエッスルもあくまでキバットベルト(変身ベルト&フエッスルDXキバットベルト)の付属品(従属物)でしかなかったが、『ダブル』で「光る!鳴る!」玩具の小型化に成功し、コレクション商法は平成二期の代名詞となった。

(例)ガイアメモリ(ダブル)、オーメダル(オーズ)、アストロスイッチ(フォーゼ)、ウィザードリング(ウィザード)、ロックシード(鎧武)、シフトカー・シグナルバイク(ドライブ)、ゴースト眼魂(ゴースト)

(10)切札勝負

おうじゃ「じゃあ、まず おまえから しんで もらうか。」
ゾルダ 「みんな よけろ。おうじゃだけは ゆるせない!」
おうじゃ「やれるものなら やって みろ!」
ガイ  「なに?(ぐいっ!)」
ゾルダ 「エンド オブ ワールド!」
おうじゃ「おまえが くらえーっ!」
ガイ  「ぎゃーっ!」
 ガイは、おうじゃの たてがわりに されて しんだ。
 おうじゃは、ガイの モンスターを てに いれた。なにを たくらんで いるんだ?
りゅうき「なんて やつだ!」
おうじゃ「はっはっは、ゆかいだぜ。」
(おわり)

 『遊戯王OCGデュエルモンスターズ』において「カードを刷る=金を刷る」という言葉があるように、カードゲームは儲かるのである!…その割には、カードで戦う仮面ライダーって少ないな…。『剣』も商業的に振るわなかったし…!

(例)ラウズカード・ブレイバックル&醒剣ブレイラウザー・ギャレンバックル&醒銃ギャレンラウザー・カリスラウザー&醒弓カリスアロー・レンゲルバックル&醒杖レンゲルラウザー(剣)、ライダーカード・ディケイドライバー&ライドブッカー・ディエンドライバー(ディケイド)

(11)昭和からの脱却

――ちなみに常に作り方を変えていく精神そのものがニュースタンダードなんだという定義は、イコール平成ライダーシリーズの基本理念と言って差し支えないと思うんですが、その点で多くの人間が抱く「仮面ライダー的」なるものの概念を破壊して、平成ライダーシリーズにおける表現のキャパシティを一気に拡大したのが『龍騎』ですよね。のちに何でもありと言われるシリーズの在り方の、ここがスタートというか。
白倉 そうでしょうね。まあ『龍騎』がスタートだったというか、『龍騎』以前と以降とで、これはライダーに限らずかもしれないけど、ヒーローものというジャンル自体が、言葉を選ばずに言うと、取り返しがつかなくかったと思うんです(笑)。龍騎』を観たら、もう一回『龍騎』以前に戻れないというか、戻ることはできるんだけど戻らないというのか。そういう意味で、良くも悪くもエポックだったんだなということを今でも思います。(中略)変わったんですよね。上がったか下がったかわからないけど、変わったんですよ(笑)。だから、龍騎』以前のものをやろうとした場合、それは「『龍騎』以前のものをやろう」という意識でやることになってしまう。
白倉伸一郎仮面ライダーディケイド&平成仮面ライダーシリーズ10周年記念公式読本』より)

(12)ヒーローと正義

田崎 偉そうなことを言えば、あれは13人の仮面ライダーの13通りの正義がぶつかるドラマということですよね。ここで言う「正義」は、あくまで個々にとって正義ということですが。(中略)そういう意味で、それぞれに正義があり、夢があり、仮面ライダーとして戦う理由があるということなんだけど、その「理由」が一番ないのが主人公の龍騎で、理由がないからこそわりと純粋無垢な気持ち、目の前で起こってることをなんとか止めたい、ということで悩みながら一所懸命戦う。そこでお客さんが主人公に入りやすいというのはあったのかもしれない。龍騎以外の仮面ライダーは、ナイトも含めてみんな変人ですからね(一同爆笑)。
田崎竜太仮面ライダーディケイド&平成仮面ライダーシリーズ10周年記念公式読本』より)

(13)平成一期対二期

 そしてこれこそがッ!これこそが究(極)めて重要なのである!

■対決!井上敏樹(平成一期)VS 小林靖子(平成二期)

 『龍騎』の小林靖子ライダーは<公(パブリック)ライダー>である。彼らは戦いの動機が<大義名分>であることが多い。秋山蓮/ナイトでさえ、ライダーバトルの勝利の景品に望むのは<他者の生命>であり、その行動は<自己犠牲(利他)>的である。

城戸真司/龍騎   :人々を守りたい。
秋山蓮 /ナイト  :恋人を救いたい。
手塚海之/ライア  :闘争を止めたい。
東條悟 /タイガ  :英雄になりたい。
仲村創 /オルタナティブ:闘争を止めたい。
香川英行/〃・ゼロ   :闘争を止めたい。

 一方、『龍騎』の井上敏樹(&白倉伸一郎)ライダーは<私(プライベート)ライダー>である。彼らは戦いの動機が<私利私欲>であることが多い。ここが、『龍騎』が物議を醸し、取り沙汰された所ではあるが、欲望に忠実というのは、ある意味人間味があるとも言える。

須藤雅史/シザース :頂点を極めたい。
北岡秀一/ゾルダ  :病気を治したい。
芝浦淳 /ガイ   :戦を楽しみたい。
浅倉威 /王蛇   :只管、暴れたい。
佐野満 /インペラー:金持になりたい。
霧島美穂/ファム  :敵討ちをしたい。
高見沢逸郎/ベルデ :超人になりたい。
神崎士郎/オーディン実妹を救いたい。

 『龍騎』は小林靖子がメインライターではあるが、まだ白倉Pの色の方が強い。カンフル剤として、サブライターに井上敏樹を入れたからだ。しかし、『カブト』で自分(&井上敏樹)の作風に限界を感じたのか、自身のアンチテーゼとして『電王』を作った。メインライターは小林靖子。しかも、今度は井上敏樹抜きだ。そして、平成二期の路線を決定付けた塚田Pは『電王』を参考に『ダブル』と『フォーゼ』を作っている。即ち、龍騎』の井上&小林ライダーの戦いは、「平成一期&平成二期ライダー」の縮図とも言えるのだ。

■さて、いよいよ手順の説明

【手順1】推薦対象に『龍騎』を視聴してもらう。理想は全話完遂だが、途中終了も可。

【手順2】推薦対象に『龍騎』のエピソードのうち小林靖子井上敏樹のどちらの脚本回が好きかを確認する。当然、相手は敏鬼靖子にゃんなど知らないため、推薦者が全て把握してる必要がある。

(実例)
セバオーズ「『龍騎』ではどの話が一番好きだった?」
キタオカ君「北岡弁護士の御見合回は笑ったわwww」
セバオーズ(こいつは井上敏樹好きで決まりだな…!)

【手順3】続いて、推薦対象に響鬼』『カブト』『キバ』『フォーゼ』を見てもらう。

・推薦対象が小林靖子好き、もしくは龍騎』が合わなかった場合
響鬼』&『フォーゼ』のDVD1~3巻を全て見てもらう。

・推薦対象が井上敏樹好きの場合
『カブト』&『キバ』のDVD1~3巻を全て見てもらう。

【手順4】推薦対象に響鬼』or『フォーゼ』『カブト』or『キバ』のうち、どちらが好きかを確認する。どちらが好きなのかによって、相手の「好み」のパターンがわかる。

(A)『響鬼』好きな人は?
質実剛健なヒーロー物を求める。
・成熟した、大人なキャラを好む。
・若干、完璧主義なところがある。
★オススメ
⇒『クウガ

(B)『カブト』好きな人は?
愉快痛快なヒーロー物を求める。
・個性豊かな、ネタキャラを好む。
・若干、中二之病を拗らせている。
★オススメ
⇒『剣』『鎧武』

(C)『キバ』好きな人は?
複雑怪奇なヒーロー物を求める。
・歪で捻じ曲がったキャラを好む。
・若干、虚無主義なところがある。
★オススメ
⇒『アギト』『555』『オーズ』

(D)『フォーゼ』好きな人は?
単純明快なヒーロー物を求める。
・快闊で愛くるしいキャラを好む。
・若干、楽観主義なところがある。
★オススメ
⇒『電王』『ダブル』『ドライブ』

【手順5】パターンAはDと、パターンBはCとリンクしている。推薦対象には、諸々の組み合わせに応じて視聴してもらう作品を決定付ける。

(実例)キタオカ君(パターンB)の場合
龍騎』⇒『カブト』⇒『剣』『鎧武』⇒『アギト』『555』『キバ』『オーズ』

【手順6】推薦対象に相反するパターンの作品も視聴してもらう。『ディケイド』『ウィザード』『ゴースト』は、余裕があったら見てもらう。

 こんな感じ。如何でしょうか?

■『龍騎』で何が一番凄いのかと言うと、

白倉 言ってしまえば実は正義とはなにかを考える必要もなければ、"正義"のヒーローである必要はなく、お客さんが楽しみにしているのは仮面ライダー的なものが怪人的なものをやっつけるというところなんですね。それが必ずしも正義と悪に色付けされている必要はない。ただ、二〇〇一年のように世間的にも正義とはなにかという議論の出ている時代背景において番組も槍玉に上がれば、話題にもなりやすいので、そういう問いかけを多少は扱わなければいけない、あるいは考えている振りをしなければいけなかった。いまは世情も変わったので、正直に言えばお客さんに考えさせるのでも、製作者が考えるのでもなく、正義といえば正義だし、そうじゃないと言われればそうかもしれないというくらいの感覚が強くなっているし、それで受け入れられている。國分さんが『暇と退屈の倫理学』でも引いていらしたドゥールズのひとはなるべく考えたくないという方向に向かっているのがテレビ番組なので(笑)、なるべく考えずに作られ、考えずに見られるほうが理想的なんですよ。
白倉伸一郎ユリイカ2012年9月臨時増刊号 総特集=平成仮面ライダー』より)

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 まぁ要するに一番頭を空っぽにして見れる仮面ライダーが『龍騎』ということですよ。

[了]

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『ゴースト』感想:第33話「奇跡!無限の想い!」

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仮面ライダーゴースト』の感想です。以下、ネタバレ注意。

第33話「奇跡!無限の想い!」(脚本:長谷川圭一、監督:渡辺勝也
東映仮面ライダーゴースト 第33話 奇跡!無限の想い! | 東映[テレビ]
テレビ朝日ストーリー|仮面ライダーゴースト|テレビ朝日

【前回】『ゴースト』第31・32話感想 - 千倍王鷹虎蝗合成獣
【次回】『ゴースト』第34・35・36・37話感想 - 千倍王鷹虎蝗合成獣

※中間評への賛同・反対意見もお待ちしております。

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■ヒーローは一度死んで蘇る

 のはこと『仮面ライダー』では珍しくなく、平成二期でも『フォーゼ』の第31話「昴・星・王・国」& 第32話「超・宇・宙・剣」で朔田流星に殺された如月弦太朗がコズミックスイッチとみんな(仮面ライダー部)の絆で生き返ってたりする。このホンを書いたのは三条陸で、「やっぱ三条陸は王道だぜ!」となりそうだが、実はこの展開を押し通したのはチーフP塚田英明&メイン監督たる坂本浩一で、当の本人はこの話に苦言を呈してたりする。

三条 (中略)すごく白黒明快なのが塚田さんの好みで、そういう針の振り切れ方みたいなのが塚田流なんです。弦太朗が死ぬ回(第31話)にしても、流星とアリエスが結託してフォーゼにダメージを与えて、アリエスがトドメを刺すというプロットだったんですけど、塚田さんと坂本(浩一)監督が「ここは流星がトドメを刺さなきゃダメです!」って(笑)。僕の感覚としては、さすがに手をかけてしまったら、もう関係回復できないんじゃないかっていうのがあったんですけどね(笑)。
三条陸仮面ライダーフォーゼ公式読本 FOURZE GRADUATION』より)

 それ故か、『ドライブ』の最強フォーム回(第32話「進化の果てに待つものはなにか」& 第33話「だれが泊進ノ介の命を奪ったのか」)では、『フォーゼ』のそれとは微妙に細部を変えている。泊進ノ介にトドメを刺すのは詩島剛ではなくフリーズ(真影壮一)だし、泊進ノ介は死んだわけではなくあくまで仮死状態だし、「奇跡の復活!」ではなくそのプロセスにはロジックを組み込んでいる。ご都合主義感を少しでも無くすべく、説明台詞を付加したのだ。

追田現八郎「課長さん、先生、何の真似だこりゃ!?っていうか、仁良課長まで何してるんですか!」
仁良 光秀「私の方が聞きたいよ!本願寺さんが泊巡査の遺体を持って行ったって聞いてすっ飛んで来たんだ!」
本願寺 純それが、どうやらまだ遺体じゃないようなんです。泊ちゃんの細胞は、全然劣化してないんです。
沢神りんなクリムよ。クリムが進ノ介くんの心と一体化して、生命維持装置みたいな役割を果たしているの。
追田現八郎「そんな馬鹿なことが…!」
西 城 究「それじゃあ、まだ…?」
チェイス クリムが再起動すれば、泊進ノ介は蘇るかもしれない。
沢神りんな調整完了よ。シフトトライドロン。ドライブはこれ以上強化できない。でも最後の切り札として、トライドロンと全シフトカーのエネルギーをトレーラー砲に注ぎ込むために開発していたの。これを応用するのよ。
西 城 究なるほど!全てのコア・ドライビアを直結させ、ベルトさんに力を与えるんですね!
沢神りんな「これが今の最大エネルギー。それに賭けるわ!」
詩島 霧子「それだけじゃダメです!これを見てください。」
沢神りんな「この計算式…凄い!どうしたの?」
詩島 霧子「剛からです。」
追田現八郎「剛?何であいつが…。」
チェイス 「敵のフリをしていたんだ。剛は正気だ。」
詩島 霧子「今までも剛は、影で私たちの味方をしてくれてたんです。泊さん…。私、泣いてばかりで…。でも、もう大丈夫です。」
沢神りんな完璧よこの計算式!普通に起動したんじゃ上手くいかなかった。時速200キロまでトライドロンが加速した状態でイグニッションしないと!
りんな以外「200キロ!?」
チェイス 「ならば、俺が運転しよう。」
詩島 霧子「いいえ。泊進ノ介のバディは、私です!」
(『ドライブ』第33話「だれが泊進ノ介の命を奪ったのか」より)

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 じゃあ「説明すればいいのか!?」っていうとそういうわけではないのだけれど…!『ゴースト』の闘魂ブースト魂回(第12話「壮絶!男の覚悟!」)や今回のムゲン魂の話で大友が「燃えない」のは、主人公の「奇跡の復活!」に対して説明が無いから、なのかもしれない。序盤の「浄化のチカラ」もそうだけど。個人的には、『フォーゼ』や『ドライブ』が(一応)SFよりなのに対し、『ゴースト』はファンタジックな世界観なので、「別にいいや」くらいの感覚で視聴してます。まぁ、何だかんだでコズミックエナジーやコア・ドラビアは魔法っぽいし、冥術学は似非科学満載なんだけどね…!

 あと、『ゴースト』第20話「炸裂!炎の友情!」の、Q:アランが出そうとしていた必殺技は?にもアンサーがあって驚いた…!てっきり回収されないもんかと…。

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アラン「あ…あっ…!?」
(ガンマイザーの火の玉攻撃で、花は燃え、大地が泣いている!)
アラン「あっ…。」

フミ婆「この世界そのものが、宝物さ。」

アラン「あ…うう…。やめろぉぉー!よくも…よくもこの世界の美しい宝物を!あああーっ!」
マコト「あれは、確か…。」
タケル「前にも一度…うっ!」

アランパワーを全て解放すれば、使用者自身も消滅する究極の必殺技。フンッ…そんな相手と戦ってみたいものだ。

タケル「今のは、アランの記憶か?」
アラン「あああーっ!うわあああー…!」
タケル「よせアラン!今はもう、生身の体なんだぞ!」

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 前回(第32話「追憶!秘めた心!」)で拾った「謎の欠片」も今回で回収。てっきり使われないもんかと…!でも、「時空を歪めてガンマイザーを異界に追放」しても、その奇妙なチカラは元々ガンマイザーのものなのだから、通用しないのも已む無しかもしれん…!

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 メガマブシー!ムゲン魂の活躍は来週に持ち越しかい!

■オマケ:『ジョジョ』第4部アニメ感想

第08話「山岸由花子は恋をする その1」
(◆脚本:ヤスカワショウゴ ◆絵コンテ:藤本ジ朗 ◆演出:藤本ジ朗 ◆作画監督:石本峻一/小林亮/芦谷耕平/千葉山夏恵)

第09話「山岸由花子は恋をする その2」
(◆脚本:ヤスカワショウゴ ◆絵コンテ:加藤敏幸 ◆演出:KIM MINSUN ◆作画監督:LEE MINBAE)

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 「美貌には自信が有るけど恋愛には自信が無い」山岸由花子の、恋人を<束縛>したいという想いが具現化したのが、一番自慢である<黒髪>を操作するスタンド「ラブ・デラックス」公衆電話にプッシュ音を流して味方にピンチを知らせる、というのは時代を感じる…!『ジョジョ』第4部の舞台は1999年だけど、2016年現在だったら康一くんは詰んでたかもしれん…!

由花子「スマホでオリーブオイルを仕入れるわ!(スッ…スッ…!)」
康一 「なん…だと…?」
第4部完!

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 小林玉美とのバトルで広瀬康一<卵>から孵化したスタンドが「エコーズ」松尾芭蕉『閑かさや 岩にしみ入る 蝉の声』という俳句の如く、敵に擬音を貼り付け音を沁み込ませる能力。名前の由来は『Pink Floyd』の楽曲『Echoes』で、東方仗助のクレイジー・ダイヤモンド(これまたピンク・フロイドの『Shine On You Crazy Diamond』が元ネタ)共々、比較的<優しい>スタンド能力だ。

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 エコーズの特徴は昆虫の変態のようにスタンドが<進化>することで、ACT2は擬音を貼り付け、それに触れた者に対してその事象を体感させることができる(「ドヒュウゥ」なら突風、など)。漫画好き(実は)な康一くんならではのコミカルな能力で、アニメとの相性もグンバツでしたァン!

[了]

※はじめましての方はこちらをご一読ください。

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『ゴースト』第31・32話感想

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 久々の『ゴースト』各話感想は第31・32話の豪華2立て!(とか言いつつ、実際は未更新分の簡易版なんですが…!)

【前回】『ゴースト』第29・30話感想 - 千倍王鷹虎蝗合成獣
【次回】『ゴースト』感想:第33話「奇跡!無限の想い!」 - 千倍王鷹虎蝗合成獣

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※中間評への賛同・反対意見もお待ちしております。

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■『ゴースト』第33話も長谷川圭一脚本回!

 ほかに誰かライターがいないかというときに、アニメで何度かご一緒した長谷川(圭一)さんを推薦したんです。長谷川さんは僕とは明確に作風が違いますし、僕が以前出したキャラクターをフォローしてくれたり、それまであまり触れられていなかったキャラクターをピックアップして広げてくれたりと、僕とは非常に相性もよく、作品をシリーズとしてとらえたときのエピソードのコントラストもいいんですね。梶さんも長谷川さんをよくご存知でしたので、本井健吾さんと交代されるときもこれで安心して任せられますとおっしゃってくださいました。
三条陸仮面ライダー 平成 vol.11 仮面ライダーW』より)

 というわけで、『W』に長谷川圭一を呼んだのは、何を隠そう三条陸だったのである。『ゴースト』はパイロット版の「なんだよガキ向けかよ。『鎧武』や『ドライブ』見習えよ」という大友の声とは裏腹に、平成二期の中ではトップクラスに謎伏線鏤めが多い。それ故にちゃんと明かしたり、回収してくれるの?というのが大衆の不安の種だったと思われるが、その謎伏線のほとんどを長谷川圭一が明かし、回収しているから驚きだ。ちょっと振り返ってみる。

Q1:深海兄妹は眼魔の世界でどう生きた?
A1:大帝の長女アリアの手で育てられた。

Q2:マコトは英雄眼魂の力を誰に聞いた?
A2:アリアが願いを叶える方法を教えた。

Q3:なぜマコトの肉体は消されないのか?
A3:長男アデルが戦士に取り立てたから。

マコト「俺がここに来た理由は三つあります。一つは、自分の体を取り返すこと。一つはアリア様、あなたに礼を言うこと。
アリア「なぜ、礼など?」
マコトあなたがいなければ、俺は生きていないでしょう。妹も、生き返ることはできなかった。ありがとうございます。
( 中 略 )
アデル「よく戻ったな、スペクター。」
マコトあなたが俺を戦士に取り立ててくれた。感謝している。
アデル「でも今は違う、か?」
マコト「アランをどうする?」
アデル「もう不要だ。お前もだ、スペクター。」
(第21話「驚異!眼魔の世界!」より)

カノン「まさか、もうお兄ちゃんは…。」
アラン「心配ない。奴には兄上も興味があるはずだ。体がすぐ消されることはないだろう。それに姉上もいる。
カノンアリア様…そうですね。
(第25話「異変!赤い空!」より)

Q4:大学生なのにアカリが優秀すぎない?
A4:モノリスのデータベースがあるから。

アカリ「(赤い空のサンプルを取ってきてくれて)ありがとう。早速、分析してみる。」
御 成「しかし眼魔の世界の物質。そう簡単には…。」
アカリタケルのお父さんたちが残してくれた、モノリスのデータベースがある。必ず何とかするわ。
御 成「さすがアカリくん!なら、拙僧は赤い空の追跡調査に。」
(第25話「異変!赤い空!」より)

Q5:なぜカノンは眼魂化されていたのか?
A5:眼魔の世界の環境に耐えきれぬから。

フミ婆「カノンちゃん!?」
カノン「大丈夫です。少し眩暈が…。」
キュビ「吾輩、この空嫌い。美しくないんだな。」
アラン「空…?」
( 中 略 )
タケル「カノンちゃん!どうして急に?」
アランおそらく赤い空のせいだ。カノンは以前我々の世界にいた時、その特殊な大気の影響で…。
(第25話「異変!赤い空!」より)

Q6:眼魂が揃ったならタケル生き返れば?
A6:祈りの間の干渉により生き返れない。

タケル「お前の二つの英雄眼魂を渡してくれ!」
アラン「よかろう。」
( 中 略 )
アランどうせ今の私に眼魂を使うことはできない。ならば…。
( 中 略 )
タケル「(15個の英雄眼魂の方陣が)来た!」
御 成「今ですぞタケル殿!願いを!」
アラン(させてたまるか!)
眼魔の世界の「祈りの間」のシステムが発動し、願いを叶えるのに失敗するタケル。
アラン「何が起きた!?」
(第25話「異変!赤い空!」より)

Q7:眼魔(アドニスやアラン)の目的は?
A7:人間界を眼魔の世界と同じに変える。

スティーブ・ビルズ「本日、私はお約束します。この世界が大きく変わると。今までの常識を覆す、革命的なOS。それが…DEMIAです! 人間は、何時でも何処でも全ての物、全ての人と繋がることができる。あなたは世界の一部となり、世界そのものとなる。そう、完璧で理想的な世界の!」
(第25話「異変!赤い空!」より)

アカリこの粒子(赤い空のサンプル)の性質がシナプスに似てるの。
タケル「シナプス?」
アカリ「これを見て。人間の脳には膨大な数の神経細胞がある。その細胞の情報を電気信号として伝達して、繋ぐのがシナプス。」
タケル「情報を…繋ぐ…。」
アカリあのディープコネクト社が発表した、最新のオペレーションシステムのコンセプトとも似てるのよね。これって偶然かな…?
( 中 略 )
アラン 「イゴール…。」
イゴール「おや、今度はあなたですか。いったい何の用です?」
アラン 「赤い空を、元に戻せ…!」
イゴール「何故です?人間世界を我々の世界と同じに変えるのが、あなたの望みだったはず。
アラン 「それは…。」
イゴール「あなたはいったい何がしたいんです?」
(第26話「葛藤!決断の条件!」より)

 長谷川圭一の手腕が垣間見れたのではなかろうか?まぁ、「それはメインライター福田卓郎が未熟なだけで、三条陸なら自力で何とかするはず!」と言われたらそれまでだけど…!『ゴースト』は、人情噺は毛利亘宏、謎解き伏線回収は長谷川圭一、という高橋一浩の采配があるのかもね。

■第31話「奇妙!ガンマイザーの力!」(渡辺勝也×長谷川圭一

アカリ 人の記憶が見える?
タケル 少し前から、俺の意思には関係なく、突然…。なぜだろう?なぜ俺にこんな力が…?
アカリ 「確かに不安よね。おっちゃんに聞いてみようよ。」
御 成 「ですな!おられますかいね?おっちゃん殿!」
ユルセン「バ~ッ!うるせえな、今いないよ。つーか、他人の記憶が見えるなんて最高じゃねえか。うらやましい~!」
タケル 俺はただ、この力にはどんな意味が…。
ユルセン「おいおい、他にもっと心配することがあるだろ?眼魂15個揃えても、願いが叶わなかったんだぜ?その理由がわからなきゃ、今度こそお前は本当に死ぬ。残りあと39日でな。ククククッ…。」
タケル 「確かに…俺に残された時間は少ない。だからこそ…。」
アカリ 「タケル。」
(第31話「奇妙!ガンマイザーの力!」より)

 さて『ゴースト』第31話。冒頭で新たな力と旧知の課題に言及。ガンマイザーの力で陸堂市の大人が若返り子供になるという不可思議現象が発生。『W』第43・44話のオールド・ドーパントの事件とは逆よね(これまた長谷川圭一回)ここでシブヤの過去も掘り下げられる。八王子なのか渋谷なのか…!まぁナリタ&シブヤは『鎧武』のザック&ペコのポジションなんで、個人的には彼らのエピソードは有っても無くても構わないという感じですた。ここまでやるならどうせならナリタの話もやって欲C。シブヤの話要らなくね?と言う人もいるけれど、入れないと西村和彦モロ師岡森下能幸が延々と話す回になってしまうぞ!(それはそれで見たい気もするけど…!)流石は長谷川圭一と言うべきか、第31・32話でも序盤(第01~12話)のフォローがなされているッ!

Q8:次男アランは序盤に何をしてたのか?
A8:異世界を繋ぐゲートを建造していた。

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アラン「この世界を守るため、まずやるべきことがある。」
(メガウルオウダーが地図を表示させる。)
アラン「これは私が過去に作らせた、我々の世界とこちらの世界を繋ぐゲートだが、複数のゲートを使って大きなゲートを開けば、大規模侵攻が可能となってしまう。これを全て破壊する。それが…」
マコト「お前のケジメか。」
タケル「わかった。アランの決意のために、みんなで協力しよう。」
(第31話「奇妙!ガンマイザーの力!」より)

 第07・08話で作らせたアレや、お目付け役のジャベルさんと一緒に作っていたアレね。そして!『ゴースト』最大の謎、第09話「堂堂!忠義の男!」の謎がついに明らかに!

Q9:五十嵐健次郎の生死はどうなったん?
A9:一命は取り留めずっと入院していた。

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五十嵐「すいません。天空寺タケルくんはいますか?」
カノン「はーい。あっ…今、出かけてます。どちら様ですか?」
五十嵐「もしかして…。君の名前は?」
カノン「深海カノンです。」
五十嵐「やっぱり…。そうか…生きていたのか。よかった。」
( 中 略 )
カノン「タケルくん。お客さんが来てるの。五十嵐さんっていう人。」
タケル「五十嵐って…。」
アカリ「まさか…。」
( 中 略 )
カノン「お兄ちゃん、誰なんだろう?私のこと、知ってたみたいだけど…。」
マコト「10年前、龍さんとともにモノリスの研究をしていた科学者だ。」
タケル「やっぱりあなたでしたか。五十嵐博士。」
五十嵐ようやく傷も癒えて、一時退院を許された。だから来た。今度こそ全てを伝えるために。10年前、私たちがここで、何をしていたのかを。
(第31話「奇妙!ガンマイザーの力!」より)

 この、青竜刀眼魔から致命傷を受けた五十嵐博士の生死はいかに!?が一番多い突っ込みだったのではなかろうか?さぁ、いよいよ十年前の真実が明らかに!

■第32話「追憶!秘めた心!」(渡辺勝也×長谷川圭一

西園寺「何が仙人だ!ふざけてる!」
五十嵐「そう言うな西園寺。異文化交流だよ。」
仙人 「みんな揃ったようだな。では、始めるか。」
龍さん「ああ。」
(第31話「奇妙!ガンマイザーの力!」より)

龍さん「ついに、眼魔の計画が。」
仙人 大帝は、人間世界への本格的な侵攻を決定した。その時期は、10年後じゃ。
五十嵐「時間がなさすぎる。」
仙人 眼魔の世界には、ガンマイザーと呼ばれる、15の守り神がいる。奴らを倒さない限り、人間界への侵攻は止められない。だが、ガンマイザーは不滅だ。
龍さん「武蔵、召喚!」
ムサシ「新免武蔵、見参!」
龍さん15の守り神に対抗するために、15人の英雄の力を借りよう。命を燃やしきって生きた、彼らの魂を。我が友よ、信じてくれ。人間の心と力を。その先に広がる、無限の可能性を。
仙人 「無限の可能性か…。わかった。信じよう。」
 
五十嵐「我々は急いで対抗手段を整えた。眼魂に宿す、15人の英雄の選定を終え、そして…。」
 
仙人 「天空寺龍。そのブランク眼魂をどうするつもりだ。」
龍さん送ろうと思う。10年後の息子へ。
五十嵐「この戦いに、息子を巻き込むつもりか?それがどんなに危険なことか…。」
龍さんわかっている。だが、私はタケルを信じてる。タケルの中にある、無限の可能性を。あいつは必ず、この私を超えるに違いない。
仙人 「ならば、わしも信じよう。その10年後を。」
 
五十嵐「眼魂の力を引き出すドライバーも完成し、眼魔と戦う準備は整った。だが、西園寺が裏切った。」
 
龍さん「西園寺…。なぜこんなことを!」
西園寺「眼魔の世界との交換条件です。これはもらっていきます。」
 
五十嵐「あの当時の私は…。」
 
五十嵐「なぜ、死んだ天空寺…!全ての希望は、消えた。」
西園寺「そのとおりです。」
五十嵐「西園寺…。今更、何しに…。」
西園寺「消えてもらおうと思いまして、あなたにも。」
五十嵐「うわあ…ああーっ!ああっ…ああーっ!」
 
五十嵐「私は、逃げたんだ。命乞いをし、たった一人の親友の死を無駄にして。私は、卑怯で、最低の…。」
(第32話「追憶!秘めた心!」より)

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 情報量多過ぎィ!(大満足)ゴーストドライバーの開発だけでなく、15人の英雄の選定も天空寺・五十嵐・西園寺の三人組だったとは…!「我らの趣味だ、いいだろう?」だったのね(笑)そうか、第08話で西園寺がウエスタン趣味の男からビリー・ザ・キッド眼魂を入手した時に使用していたのはカバー無しのゴーストドライバーだったのか…!テンガロンハットマンの命は無事ですぞタケル殿!英雄眼魂の数=ガンマイザーの数という理由付けも加わり、タケルの18歳の誕生日(第01話)に物語が始まる経緯も判明した。『鎧武』は「10年後の地球がヤバい!」という世界観だったけど、「父さん!10年後って今さ!」が『ゴースト』のタイムスケジュールなのね。そして、

タケル「怖かったですね。守れなくて、ごめんなさい。」
五十嵐「もしかして、君には…。」
アカリはい。タケルには見えるんです、人の記憶が。
タケル「俺は感じました。父さんや、五十嵐さん、おっちゃんの強い思いを。」
五十嵐そうか。これが龍の言っていた人間の…。君の、無限の可能性なんだね。
( 中 略 )
五十嵐「本当に君らは、むちゃばかりする。だが、君らになら、託せる。龍や私の思いを。この世界の未来を。(アカリに手帳を渡し)これで、暗号は解ける。あとは眼魔の謎を解いてくれ。」
アカリ「…はい。」
タケル無限の…可能性。
(第32話「追憶!秘めた心!」より)

 第29・30話にもチラホラ出てきたけど、サイコメトラーTAKERU状態に。けど、第14話「絶景!地球の夜明け!」とか、第22話「謀略!アデルの罠!」とか、断片的には出てきてたのよね。今までは、魂に触れるとその人の一生が見れる、だったのが人に触れるだけでそれが可能になったと。この、<人の記憶を見る>チカラはコレクションアイテムが<眼球>モチーフである『ゴースト』ならではね。敵の命名も“~眼魔(ガンマ~)”で統一されてるし。そしてそして、

タケル「これが俺の力の意味なら…。お母さん…か。」
謎の声タケル…ありがとう。
タケル「今の声は…。」
(第32話「追憶!秘めた心!」より)

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 ここに来て、更に張るというのか…!タケルの母親の伏線を…!

Q10:なぜ龍の妻、タケル母はいないのか?

■オマケ:『ジョジョ』第4部アニメ感想

第07話「間田敏和(サーフィス)」

(◆脚本:猪爪慎一 ◆絵コンテ:大脊戸聡 ◆演出:江副仁美 ◆作画監督:CHANG BUM CHUL/SHIN HEY RAN)

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 パーマン』に出てくるコピーロボットがいたら便利でいいよなあー。という欲望と3年E組の順子を(禁則事項です!)が自分は小心者だからできない。という欲求不満から生まれたのが間田敏和のサーフィス(うわっ面)。本体は小物だが、あと一歩で空条承太郎を倒せたかと思うと恐ろしい。何気にスタンド使い同士は引かれ合うという超重要ルールを最初に提示したのが間田敏和だったりする。これは、『ジョジョ』第3部の敵が<襲って来る>タイプだったのに対し、第4部の敵は<待ち伏せる>タイプが多いがために編み出された設定だ。前回の小林玉美(ザ・ロック)の話と今回の間田敏和(サーフィス)の話はジャンプコミックス第31巻に収録されており、第4部だけでなく『ジョジョ』の入門編としてもオススメの一冊だ。

[了]

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